第六話 乱戦~絶望~
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ブレイブ・スレイヤー視点
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『風斬撃!』
俺は右手の剣を振り抜き、左手から真空の刃を放った。
だが、■■■は、魔法を紙一重でかわすと、俺の必殺の袈裟斬りを、自らの長く鋭い爪だけで受け止めた。
ギィィィィィィィンッ!!
火花が散り、甲高い音が鼓膜に響く。
『な、嘘だろ……! この至近距離のコンビネーションで無傷どころか、俺の剣が欠けただと……!?』
戦慄する暇も与えられない。
化け物の右手が、俺の首を刈り取らんと動く。
俺は咄嗟に上体を逸らすが、がら空きの腹に凄まじい蹴りを叩き込まれる。
『が……はっ!!』
内臓がひっくり返ったような衝撃。
だが、止まれば即、“死”だ。
俺は吐血を堪え、後退しながら魔法を乱射する。
『風爆弾! 風矢! 風斬撃! 風針!』
敵の動きを一瞬でも止めようと必死に放つ。
そして、魔力を絞り出し、詠唱を紡いだ。
『風よ! 我が声に応え、敵を穿て 風矢連射!』
簡略詠唱により威力を底上げされた無数の風の矢が、化け物を包み込む。
凄まじい轟音が響き、土煙が舞い上がる。
『……はぁ、はぁ……。やったか!?』
フワァ……
土煙が晴れる。
そこには、傷一つない姿でまるで壊れたレコードのように、首をカクカクと揺らしながら平然と佇む■■■がいた。
『くそ……っ! これでも無傷かよ! 巫山戯るな!』
シュンッ。
視界から化け物が消えた。
ドォォォォォンッ!!
『……あ……?』
腹の感覚がない。
化け物が手を前に突き出し、俺を貫いたまま通り抜けたのだ。
ただ、それだけの動作で、俺の腹には巨大な風穴があいた。
視界が急速に薄くなってくる。死が足元から這い上がってくる。
だが、俺は、まだ終われない!
ガシャンッ!
俺は震える手で、なけなしの金で買った回復薬のガラス容器を砕き、その中身を無理やり流し込んだ。
『……俺は、死なねえ。てめえを、ここから先には……絶対に行かせねえッ!!』
穴が完全に塞がることはない。
だが、止血はできた。
俺は折れかけた心に鞭打ち、再び剣を構える。
『風矢……ッウ!』
フラッ。
視界が揺れる。
身体が言うことを聞かない。
魔力欠乏の前兆だ。
『はぁ、はぁ、はぁ……。なすすべなし、か……』
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魔法兵士視点
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ギャオギャギャー!
『ひ、ひぃ! 火、…火玉!』
バーン!
僕は、震える手で魔法を乱射していた。
恐ろしい。
目の前の魔物の群れが、同僚を食い殺す光景が、頭から離れない。
『ど、どうすればいいんだ……!
領主様は、調査中に魔物から俺たちを守るために、既に九割以上の魔力を使ってしまっているのに……!』
その隙を、魔物の爪が狙う。
魔熊の巨大な前足が、僕のの頭上へ振り下ろされた。
『ひぃっ、ひいっ……あ、ああぁ』
腰がストンと抜けてしまった。
『火壁』
目の前に炎の壁が出現し、魔熊を燃やし尽くした。
〖おい、大丈夫か?〗
『げ、ゲラルド兵士長!
ありがとうございます、ありがとうございます……!』
僕は涙を流しながら、兵士長に縋り付いた。
〖感謝する暇は無い! それだけ流暢に話せるなら大丈夫だ。とっとと立て!〗
『は、はい!』
いつものように、つい直立不動の姿勢をとってしまう。
〖倒さなくてもいい。時間を稼ぐことを第一に考えろ! いいな!〗
火壁の効果が消え、再び魔物が流れ込んでくる。ゲラルド兵士長は不敵に笑い、剣を構えた。
〖ほーら、次のお客のお出ましだ、
やってみろ。〗
『は、はい! 火炎瓶!』
僕が放った火の魔力は、円形の炎のフィールドとなって地面に展開された。
プスッ、プスプス……。
肉の焦げる嫌な臭いと共に、炎の領域に踏み込んだ魔物たちが次々と燃え上がっていく。
『こ、これなら……少しでも、時間を……!』
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ゲラルド兵士長視点
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〖ふぅ、これで東方面は大丈夫……か。
あいつは蚤の心臓だが、火魔法の才はピカイチだからな〗
さて、私の方も片付けるか。
周囲を囲む魔物の数は数十。
シュンッ。
ボトッ、ボトッ、ボトッ、ボトッ、ボトッ……。
一瞬の閃光。近寄った魔物の首が、地面に転がる。
〖さぁ、逝こうか!〗
私は魔物の群れの中央へ、剣を手に斬り込んだ。
〖火よ! 風よ! 我が声に応え、敵を滅する力となれ! 之は力の象徴なり、之は絶望の象徴なり〗
渾身の複合魔法を解き放つ。
〖複合魔法! 火炎風!〗
戦場の中央に、紅蓮の炎を纏った巨大な竜巻が発生した。
それは魔物たちにとっての恐怖の顕現となり、全てを焼き尽くし、空へと飛ばしていった。
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ウィル・スレイヤー
使用可能魔法 なし
登場した魔法
・一般魔法
«微風» «速度強化» «風斬撃» «風爆弾»
«風針» «風矢» «風矢連射» «火炎瓶»
«火玉» «火壁»
・複合魔法
«火炎風»
闘気 使用不可
目標 魔法を使う 魔力感知
言語を覚える 40%
漏らさない 未達成
«風斬撃»:風の斬撃を飛ばす攻撃魔法。剣か手に風の魔力を覆わせ、振るった方向に飛ぶ。
«風爆弾»:風の爆発を出す攻撃魔法。爆発した地点から全方位にごく小さな風斬撃を飛ばす。また、地雷として使用することも出来る
«風針»:風で出来た針を飛ばす攻撃魔法。細いため刺さりやすく、早く、消費魔力も少ないが威力は低いが、射程は短い。
«風矢»:風で出来た矢を放つ攻撃魔法。風針を大きく、射程を長く、威力を高くした魔法。消費魔力は多い。
«風矢連射»:風矢を一斉に放つ範囲魔法。上空から目標に向けて発射する。
«火炎瓶»:火の魔力を使い、通った敵を燃やす。罠魔法。知恵の無い魔物には効果的。持続時間、範囲によって消費魔力が変わる。要するにダダサバ○バー
«火玉»:火の球を飛ばす攻撃魔法。遅いが着弾時爆発する。
«火壁»:火の壁を作る防御魔法。通ろうとした敵を燃やす。水魔法の攻撃を防ぎやすい。
«火炎風»:火と風の複合魔法。ある程度は操作ができ、進路上の敵を燃やし、吹き飛ばす。内部に物があるとより凶悪になる。
《簡略詠唱》:短いが魔法の詠唱をすること。省略詠唱より威力が上がるが発動までに時間がかかる。
《複合魔法》:単一の属性だけではなく、複数の属性を同時に使用する魔法の種類。高い技術が求められる。
~~~~~~~~~~~~後書き~~~~~~~~~~~~
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