第四話 魔力!魔力!魔力だー!
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ウィル視点
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(……く、くそう。またかよ)
『ウィル▲★▽■ごはん⊿☆■▽じ▲▼』
オギャ、オギャギャ。(分かってるよ、母ちゃん。今行くよ……)
俺は心の中で深くため息をつき、されるがままに抱き上げられた。
目標を定めてから三日。
俺は、今の自分にできる“シマの偵察”を続けていた。
親父は、吸い込まれるような蒼の瞳と輝く金髪を持つ、絵に描いたような偉丈夫だった。
だが、部下から報告を受ける彼の体からは、隠しきれない“血の臭い”が漂っていた。
(あの鼻を突く鉄の臭い
……ありゃあ、ただの狩りじゃねえ。
……戦の臭いだ)
俺の嗅覚は、この平和そうな部屋の外で何かが起きていることを察知していた。
だが、今の俺にできるのは、魔力を探し、おしめを汚し、母乳をのみ、絵本で言葉を盗むことだけだ。
オギャア。(……言語の方は、少しずつだが聞き取れるようになってきた。
前世で12の言語をシノギのために叩き込んだ俺だ。
耳さえ慣れれば、こっちの言葉の文法も見えてくる)
問題は、魔法だ。
あの日、親父が見せた風を二度しか見ていない。
サンプルが少なすぎる。
『■⊿☆とて★◑かわ⊿▲▽⊿☆おくさ△』
『■えぇ▷△▽∞▲▼かわ⊗♤〓⊿∉』
(頼む! もう一度……もう一度だけでいい、あの風を見せてくれ!)
俺は手足をバタつかせ、必死にアピールした。
だが、母は頭を撫でるだけだ。
このやり取りも既に30回は超えている。
(……通じねえ。俺の言葉も、熱意も、何一つ。)
夜になり、母も侍女も寝静まった。
(今の内だ……! 思い出せ。あの時、何が起きた?)
俺は暗闇の中で意識を研ぎ澄ませた。
あの風。
あの力の練り方。
(もしかして……前世の【闘気】と同じようなものなのか……?)
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――ピッ。
不自然に、世界の音が消えた。
〖やぁやぁ諸君。元気にしてたかな?
そう! 僕だよ! 観測者だよ! なぜ現れたのかって?
そりゃあ簡単さ。
今、ウィルくんが【闘気】について話そうとしてたからさ、読者の皆さんにその正体を説明しに来たのさ〗
〖あぁ、そういえば疑ってるかもしれないから言っておくけれど、僕は彼が神呼んでいる存在とは別人だよ。
じゃあ、あいつは誰かって?
そこまで教えちゃあ、つまらないだろう?〗
(おい、とっとと仕事しやがれ、この観測者気取りの怠け者が!)
〖おっと、作者に怒られてしまったよ。 さて、説明しよう!
【闘気】。
それはウィルくんが前世で極めた技術だ。
扱うには強靭な肉体が必要だが、どうやら魂のレベルで体に染み付いているようだね。
……なぁに分からないことがあれば遠慮なく作者に聞いてくれ。〗
〖……え? 僕、コメント返答コーナー担当になるの? 観測する仕事があるのに~!〗
ボコッ!!
〖グヘェッ!?〗
――ピッ。
そして、時は動き出す
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ウィル視点
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オギャア……?( 今、何かあったか? ……気のせいか)
違和感を振り払い、俺は思考を再開する。
(魔法が【闘気】と同じエネルギーだとするならば、溜まっているのは丹田のはずだ。……ここか! ふんぬッ!!)
――ブリッ。
(……うへぇ、最悪だ。また力む場所を間違えた……。
……だが、待て。
今、一瞬だけ感じたぞ。
魔力じゃねえ。
前世と同じ……いや、前世以上の密度を持った【闘気】が、この小さな体の中にパンパンに詰まってやがる!)
驚愕した。
赤ん坊の体に、組織の看板を背負っていた頃と同じ量の闘気が宿っている。
量が多すぎて制御が追いつかねえが、これはいつか大きなハジキになる。
(……だが、魔力は別だな。闘気が丹田なら、魔力には専用の器官があるはずだ……)
それから、俺の孤独な探索が始まった。
オギャギャ。(解毒の肝臓か? 呼吸の肺か? ……いや、どれもハズレだ。このエネルギー、臓器に収まるようなタマじゃねえのか?……)
一晩中、自分の内臓を一つずつ確認していったが、どこにも魔力は見当たらなかった。
(クソッ! どこにも見つからねえ。
俺から逃げ回っているのか!
……待てよ? 動き回っているのか?)
俺は意識を臓器ではなく、体内を巡る流れへと向けた。
脈動に合わせて、全身に行き渡る熱い液体。
(血液……! そうか、燃料(を全身のシマに配ってんのは、これだったのか……!)
そっと、血管を確認する。
……反応あり。
間違いない。
この世界の人間は、血の中に魔力を宿してやがるんだ。
(よっしゃぁぁ! 見つけたぞ! 魔力だ! 魔力だ! これが魔力の正体だー!!)
俺は喜びのあまり、全身の筋肉に……文字通り“全身”の力を込めた。
――ブリッ。
母の苦笑いと共に、俺の魔力の発見は、おむつの交換という極めて屈辱的な作業によって終わった。
前世で12カ国語を操り、伝説となった男のプライドが、また削れていく音がした。
ウィル・■■■■■
使用可能魔法 なし
視認した魔法 «微風»
闘気 使用不可
目標 魔法を使う 魔力を感知new!
言語を覚える 10%new!
漏らさない 未達成
~~~~~~~~~~~~後書き~~~~~~~~~~~~
星とハート、フォローお願いします!
とうとう魔力ですよ。異世界って感じになってきました!
上の現在ステータス的な奴に追加してほしい項目があれば教えてください!
追加してほしい魔法があれば魔法名と効果をかいてください!魔物の名前も大丈夫です!べ、別にネタギレが怖いわけじゃないよ。笑
この物語を最初に読んでくださった7名の方に最高の感謝を!




