7話
顔合わせを終えた私は、室長さんから仕事について教えてもらっていました。
この書類はここ、資料はあそこにまとめる、活動記録をローテーションでつけていてあそこの棚にある、などなど…
そろそろ日の出から7時間、といったあたりです、「小腹が空いてきたなあ。そういえば、シルヴァーヌスさんがミックスナッツ食べてたなぁ、頼んだらミックスナッツ分けてもらえるかなぁ」などと考えていました。
「今日はこんなところで、解散。あとは各々自由。じゃ」
言うなり室長さんが今日イチの元気で研究室を出て行きました。他のみんなも立ち上がって荷物をまとめ始めます。なるほど、昼休憩でしたか。
「ルーディスちゃん、よかったらこのあとお茶しない?」
そうリーヴィアさんが声をかけてくれたので、二人でお茶をすることになりました。
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リーヴィアさんが行きつけのカフェに案内してくれました。
「ここ、なかなかいい雰囲気でしょう?お気に入りなの」
「あの、えっと、そう思います。」
…嘘です。なかなか、というレベルじゃないです。とっても品があって、吸い込まれるような魅力がありますし、お客のプライバシーへの配慮に余念がありません。正直気後れしちゃいます。
どの家具も壁も必ず装飾が施されていますし、ふんだんに金を使っていますが、一方で上品さと暖かみがあります。
高級そうで、プライバシーへの配慮がしっかり…?もしかして、
「お国の重鎮たち御用達、とか?」
…店員さんとリーヴィアさんはそっと微笑むだけです。
今日はたまたま、使い始めてまだ二週間の研究局の制服を着ていたからよかったですが、普段の服装では入れませんね…。
お値段も、飲み物ひとつで私の全財産が飛んでいってしまうくらいだと思いますが、リーヴィアさんは奢ってくれると言うことでした。こんな場所でお茶をする機会などもうないでしょうから、ちゃっかりしちゃいましょう。
そんな高級そうなお店を、リーヴィアさんは顔パスで奥の方の少し広い席へ。リーヴィアさんって、実はすごい人なんじゃ…。
「今日はどのようになさいますか?」
「これから同僚になる新人ちゃんとのお茶会なの。紅茶はシンプルで、香り高いものをお願い。それと、話しながらつまみやすい華やかなプチフールは用意できる?」
「もちろん可能でございます。そのように用意させましょう。どうぞごゆっくりなさってください。」
お店の人は恭しく礼をして出て行きました。
「…どうしたの?ルーディスちゃん。何か気になることでもありまして?」
「あれ?高級なお店って今みたいな注文が普通なんですか?あの、メニューを選ぶとか、そういう方法じゃ…」
「私も、私以外の人の注文の仕方はわからないわ。でも、こうすれば、素人が選ぶよりふさわしいものを持ってきてくれるでしょう?私、教養はある程度あるつもりだけど、何事もプロには負けるもの。」
「確かに?」
そういう話でしたか?ちょっと話題が逸れている気がします…。あの、私の感覚がズレてるんでしょうか?




