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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season7 ― 家族システムのアップデート ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season7 ― 家族システムのアップデート ―
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第4章 白衣の影 ― 再会 ―

医局の扉を開けた(なぎ)くんを待っていたのは、

長男・匠翔(たくと)、次男・奏翔(かなと)――そして、過去と向き合う時間。

医局のドアの前に立つと、

さっきまでの屋上の風が嘘のように止まった。


中からはキーボードの打鍵音と、低い話し声が聞こえる。


整然とした空気。温度は一定なのに、どこか冷たい。


(なぎ)が小さく息を吸い、ノックをした。


「――陽翔(はると)です。」


ドアを開けた瞬間、

空気が一瞬だけ張りつめた。


長男・匠翔(たくと)が白衣の袖を直しながら顔を上げる。

その隣では、冷静な眼差しで書類を閉じる次男・奏翔(かなと)


匠翔(たくと)

「……久しぶりだな。」


(なぎ)

「うん。……元気そうで何より。」


奏翔(かなと)

「“うん”じゃない。“お久しぶりです”だろう。」


そのひと言に、(たまき)は思わず背筋を伸ばした。

(しゅう)は何も言わずに凪の隣に立つ。


(なぎ)

「……ごめん。つい昔の癖で。」


匠翔(たくと)

「まぁいい。で、今日はどういう風の吹き回しだ?」


(なぎ)

「父さんからの依頼で、

 院内システムの再構築を担当することになった。

 アークシステムズとして正式に請け負う。」


奏翔(かなと)

「……父上の判断か。珍しいな。」


匠翔(たくと)

「父は“情”で動くところがある。

 だが、病院の中に“感情”を持ち込むのは危険だ。

 システムは“数字と結果”で動くべきだと思わないか?」


(なぎ)

「思うよ。でも、“数字の向こうに人がいる”ってことは忘れたくないんだ。」


奏翔(かなと)

「理想論だ。」


(なぎ)

「そうかもしれない。でも、それで救われる人もいるはずだから。」


匠翔(たくと)

「……昔から変わらないな。

 医者にならなかったことを、まだ言い訳してるのか。」


その言葉に、室内の空気がぴんと張った。

(しゅう)がゆっくりと一歩前に出る。


(しゅう)

「すみません、ひとつだけ。

 彼が選んだのは逃げじゃなく、

 “支える場所”を変えたってことです。

 ――俺たちのチームは、その力を信じています。」


(たまき)も小さく頭を下げた。


「凪くんは、誰かの痛みをちゃんと見てます。

 それって、医療の中でもすごく大事なことだと思います。」


奏翔(かなと)は一瞬だけ言葉を止めた。

匠翔(たくと)は視線を外し、書類を机に戻す。


匠翔(たくと)

「……仕事なら、こちらも協力はする。

 ただし、現場の判断は医師側が最優先だ。」


(なぎ)

「わかってる。現場を尊重する。それがルールだから。」


奏翔(かなと)

「ならいい。」


(なぎ)

「……ありがとう。」


小さな沈黙のあと、ドアがノックされた。


海翔(かいと)

「おーい、もう始まってる?」


柔らかな声とともに、海翔(かいと)が顔を出した。

場の空気が一瞬だけ緩む。


海翔(かいと)

「うわ、相変わらずピリピリしてんな〜。

 ほら、みんな揃ったんだし、父さんに報告行こうぜ。」


(なぎ)はほっと息を吐き、(しゅう)(たまき)に目をやる。

その目には、ほんの少しの緊張と、確かな光が宿っていた。


――家族システムの再構築。

それはまだ、はじまったばかりだった。

厳しい言葉の裏にある“家族の正義”。

(しゅう)(たまき)の支えが、(なぎ)くんの立つ場所を守ってくれた。

家族システムの再構築、その第一歩が始まる。

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