7話 倒そう!
「ねぇ〜まだ奥に着かないの〜?」
「さぁな。結構歩いたけど、あの落とし穴以外何も無いな。」
「前に入ったダンジョンはもっと違いました!」
「そろそろ灯りの維持キツいんだけど〜…」
「あっ……帰りの事忘れてたな…。」
「あ〜私も…」
「それどうやって明るくしてるんですか?」
「こう魔力をぐぐ〜って杖の先にある魔石に集めて、ぐわって感じかな〜」
「やってみたいです、杖貸してください!」
「今やったら真っ暗だろ!後で試そうぜ。」
「うぅ〜ほんとにキツくなってきた〜…」
「敵もいねぇし暗くても大丈夫だろ。休むか。」
「そうす…」
「見てください!暗くて良く見えませんが、この先突き当たりじゃないですか!?」
「ここまで来て突き当たりかよ…」
「まぁ休むにしても奥の方が安全だろうし、行ってみようよ〜」
「そうするか。帰ったら怒られそうだなぁ。」
俺たちはそのまま最奥へと辿り着いた。
「なぁこれ壁か?」
「いやドア?」
「でもドアはありませんよ!」
「ドア枠だけあるな…」
「しかもデカいですね!余裕で通れます!」
「とりあえず中の様子を見て安全そうなら中で休むか。」
「さんせ〜い〜」
「分かりました!」
俺達は1歩だけ中に体を入れ様子を伺う。
中は外とは雰囲気が違い、高い天井に向け沢山の柱が伸びている広い空間が広がっていた。
そして部屋の中央、柱の少ない場所に大量の岩が積み重なっていた。
「何もいないな?」
「柱…神殿かな〜?」
「安全そうですね!」
俺達が警戒を解き、それぞれがちょうどいい具合の岩に座ろうとした時、岩が転がり始めた。
「待て!俺の椅子!!」
「いたっ!あれ?ここにあった岩は〜?」
「カラムさん捕まえましたよ!」
「でかしたボルク!ってなんだ!?」
「岩が集まって人みたいになってますね!」
「すご〜」
「あれがオーガか?」
「違います!ゴーレムですね!!英雄の戦った相手に居ました!」
「なんでもいいけどめちゃくちゃ睨んでない〜?」
「目は無いが……睨んでるな、多分。」
「カラムさんが座ろうとするからですよ!ほらあの岩がちょうど顔になってますよ!」
「えっ!ごめん!!」
「許すって言ってそうですね!右手を振り上げてます!!」
「2人とも避けろ!!」
跳んで後ろに下がると、俺より大きな腕が俺のいた場所に刺さっていた。
「何するんですか!謝ったんですから許してあげて下さい!!」
「やめろボルク、多分あいつには聞こえない。」
「え、話してみないと分からないじゃないですか!」
「いいから!逃げるぞ!!あのドア枠はこいつ通れないだろ!」
「うっぷもう限界…」
「セラ!!最後だ頑張れ!ボルク背負って走ってくれ!」
「分かりました!!」
俺たちは必死に走り、ドア枠までたどり着く。
しかし、そのまま通ろうと進むと見えない何かに弾かれるように弾かれてしまう。
何度か通ろうとするがまるでドアがあるかのように弾かれる。
「クソっ!なんだよ、ついてねぇ……。」
「後ろからあのゴーレムさんが近づいてきます!」
後ろで足音が響く。
俺は壊して通れないかと剣で切りつけ、拳で殴る。
しかし、見えない壁から来る手応えはまるで地面でも相手にしているかのようだ。
もうすぐそこまでゴーレムが来ている。
あと少しで拳が届く距離まで来るだろう。
俺は2人の顔を見ながら告げる。
「よく聞け。出来るだけ引き付ける。だから…」
「…カラム?私達は全員表を選んでここに居るんだよ?」
「そうですよ!幸運が味方です!!負ける訳ないです。」
2人が真っ直ぐに俺の目を見てくる。
俺はそんな2人から目を逸らし、ゴーレムを見る。
「…そうだな。よし!勝ったら大金、負けたら死ぬだけだ!」
「勝ったら奢りで飲み放題〜!」
「勝ったら石臼買ってください!」
「任せろ!一時金で払ってやる!……石臼!?」
――――――――――――――
「よし、じゃあ簡単に作戦だ!絶対に何とかしてやる。だから、ボルクは前衛を頼む。セラは出来るだけ灯り維持してくれ。」
「分かった!」
「任せて下さい!!」
俺たちは横1列に並び、ゴーレムを待ち構える。
「さぁ、かかってこい!お前を石臼にしてやる。」
「え、嫌です!ちゃんとした石臼がいいです!」
「ゴーレム製の石臼って凄そう…ってなんかボルクの事凝視してね?まさか嫌がられたのショックだったのか!?」
「勝負ですね!受けて立ちます!!」
「正面はさすがに無理だ!止めろ!!」
「うおおおおおおおおおお!」
「ごぉぉぉぉぉぉぉ」
「コイツ鳴くのか!それよりなんで組み合えてんだよ!!」
「カラムさん!これ意外とキツイです!急いで倒して!!」
「意外じゃねぇよ!任せとけ!!」
「ごめん…こっちももう……」
「よく頑張った!!」
セラの宣言通り灯りが点滅し始め、ゴーレムと組み合うボルクが見えたり見えなくなったりする。
見える度に徐々に押し込まれていくボルクの姿が見える。
このままだとすぐにボルクは潰される。
どうにか…何かないか……。
目を凝らしゴーレムを見つめる。
暗くなった瞬間、ゴーレムの背中に光を見つけた。
俺はその光に向かい真っ直ぐに走った。
壊せばコイツは止まるのか、この剣で壊せるのか分からねぇことしかない。
だが、今俺に出来るのは全てを賭ける事だけだ。
再び明るくなり、ゴーレムの影にボルクが消えたその時、走ったきた勢いのまま剣を光があった場所に突き出した。
何か硬いものを突き刺し割る感触が剣を通し伝わってきた。
8話は23:20に更新します。




