19話 まわせ
2日も連続して大ポカしていた事に先程気づきました。
万が一読まれた方は…忘れて下さい。
俺は地面に転がった姿勢のまま、間抜けな顔に話しかける。
「よう、話は終わったか?なら助けてくれ!」
「何を…いえ、なんでそうなるんですか。」
「俺にも分からん。あ、セラ、お前俺ごと爆破しただろ!」
「え〜我慢して離れるまで待ったよ〜?」
「あと少し早かったら俺も死んでたぞ!」
「なら生きてるんだし問題ないじゃん〜!!」
「ホントですね!戦いにはそういう事もよくありますよ!!」
「そうか?そういや怪我もないしな。セラ、怒って悪かった。」
俺はボルクとセラの手を借り立ち上がり、鎧に向け剣や杖を構える。
あの鎧は土煙の向こうにいるためよく見えないが、金属の擦れるような音が聞こえ、影が動く。
「おい、セド。……お前のとっておきってまさかコイツらじゃないよな?」
「…見ていると馬鹿みたいな事を成すのはバカにしか出来ない…そう思えてきませんか?」
「ないな。そうなるとここを通った連中は全員バカという事になるぞ。父上とか。」
「あはは、不敬罪ですよ。」
「セド!…はぁ……今分かった、ここにはバカしか居ないな。」
俺たちの横へ喋りながらも2人も並び、剣を構える。
全員で固唾を飲み構える中、土煙が収まり消えていく。
そして盾を構え、ゆっくりとこちらへ歩いてくる鎧の姿がハッキリと見えた。
「で、リオネル…作戦は決まったか?」
「…フン。お前たちバカにも分かりやすい作戦にしてやったぞ。前衛全員で時間を稼ぎ、魔法で吹き飛ばす。」
「リオネル様…。」
「そんな目で見るな!戦い方すら知らん連中をどう使えばいいんだ!!」
「いいですよ!任せて下さい!!」
「よ〜し、とっておきの蒸留酒を飲むぞ〜!!」
「おい、その酒は俺のテントから取ったやつだろ!」
「…まぁややこしい事言われても俺達には無理だしな。」
「これ以上、作戦会議をする時間も無いようです。来ます!」
「ってまた俺を狙うのか!!」
鎧が突如駆けだし、剣を俺に向け上段から振り下ろして来る。
左に身をひねって剣を躱し、逆に剣を突き出し首を狙う。
しかし、盾に弾かれ上に逸れ、空いた上体を狙い横薙ぎが飛んでくる。
後ろに倒れる事でそれを回避し、後ろに転がり下がる。
鎧は再び俺に向かって歩いてくる。
「おい、バカ班長。もっと時間を稼げ!」
「リオネル、バカって言ったやつの方がバカだ!!」
「それを言ってる奴がバカだ、バカめ。」
「そんなこと言い争ってる場合じゃないでしょうに!今度は私が相手です。リオネル様は準備を進めて下さい。」
そう叫びながらセドリックが俺の前に立ち、盾を構える。
鎧が狙いを変え、セドリックに向け剣を振る。
セドリックは小盾の表面を滑らせるように流していく。
しかし、鎧は姿勢を崩す事なく幾度も剣を振るう。
「ウォォォォ!!任せて下さい!」
「ボルクさん!?ちょ、えっ!」
鎧の後ろにいつの間にか立っていたボルクが大声を上げ、大盾で殴り飛ばす。
鎧は盾をギリギリで挟み、後ろに弾き飛ばされながらも耐え切る。
「あなた強いですね!凄いです!!」
「なんで感心してるんですか!ってまた来ますよ!!」
ボルクが大盾を構え、襲いかかる剣を受け止め、いなす。
時々大盾で殴りに行くが、全てを上手く捌かれダメージは入らない。
この隙に俺も鎧の後ろに回り込もうと、コソコソと近づいているとケツの辺りに突如熱を感じる。
「何をしてるんだ、貴様。」
「アッツ!おい、リオネル、お前の剣燃えてるぞ!?」
「フッ…見た事もないか。これは魔法剣、魔法を剣に纏わせる秘法だ!」
リオネルはこちらに勝ち誇った様な顔をした後、鎧の背後へとコソコソと近づいていく。
ボルクが大盾で殴り鎧が硬直したタイミングを狙い、左肩から右腰へと燃えている剣で斬り付ける。
刃の通った場所にはハッキリと焼け溶けた様な跡が残っていた。
リオネルは振るった剣の跡を確認し、勝ち誇っていた。
「どうだ!これなら…」
「……ッ!リオネル様!!」
数秒鎧は動きを止めていたが、突如後ろへ振り向きリオネルへ向け剣を振り上げた。
リオネルの傍まで近付いていたセドリックが素早くリオネルを押し飛ばし、今までとは比にならない速度で振られた鎧の剣を小盾で受け流そうとする。
しかし、上手く流せず右肩に剣が刺さる。
「セド!大丈夫か!?」
「リオネル様!まだ来ます!!」
リオネルに向け、再び剣が振られるがセドリックがリオネルを蹴り飛ばし、ギリギリで躱す。
剣はそのまま振り下ろされ、セドリックの右太もも半ばで止まる。
セドリックが声を出すよりも早く、流れる様な動作で鎧がセドリックの首を狙い剣を振るう。
しかし、その剣はボルクが突き出した大盾を斬り付け止まる。
「俺が入ります!!立て直してください!」
「ありがとうございます!すぐ…」
「セド!無茶をするな!!その足じゃ盾を構えても踏ん張れないだろ!」
「リオネル、お前はセドリックを手当してやれ。俺達で時間を稼ぐ。」
そう告げ、俺はボルクの影から鎧へと近づく。
近くで見るとボルクの身体にも小さい傷が幾つも刻まれ血が流れていた。
俺はボルクが大盾で剣を止めた瞬間、脇から飛び出し剣で鎧の脇腹あたりを斬りつける。
「ボルク!俺と2人で時間を稼ぐぞ!!」
「セラさんが爆破する迄、ですね!!」
「おう!」
切り付けた勢いのまま俺は後ろに回り込み、ボルクと鎧を挟み込む位置に付く。
鎧が再びボルクに向け、剣を小さく振り上げる。
止めようと背中に斬り掛かるが、後ろも警戒し始めたのかそのまま剣を振りつつ、見ることもなく俺の腹を蹴りばす。
ボルクも剣を防いだ後すぐに頭部へ大盾を振り抜いていたが、今度は鎧が盾を使い、ボルクを殴り飛ばした。
俺とボルクを一瞥した後、真っ直ぐにリオネルへと向かう鎧。
リオネルまでの距離が近い、間に合わない。
立ち上がり、走り始めた俺の視界は突如真っ白に染まり
「やった〜!成功だ〜!!」
やけに呑気な声が金属を引き裂くような音と共に響いた。
間違えて投稿していた先の話に可能な限り早く追いつくため、本日20:30にも更新します




