17話 とばせ
休憩を終えた俺達は奥へとさらに進んだ。
地図に従って選び、罠を解除し、敵を倒しながらしばらく進むと行き止まりに辿り着いた。
「行き止まり…いや、デカイ扉か。ここがその敵が居るとこか?」
「いえ、ここは1階層のボス部屋です。」
「1階層〜?ボス部屋〜?」
「あなた達の倒したゴーレム、それと同じ様なもので倒さないと先に進めないんです。」
「なるほど?」
「そしてあなた達が倒すのは3階層のボスです。」
セドリックが扉に触れるとゆっくりとひとりでに開いていく。
中は通路とは違い、とても広く暗く、壁際に置かれた篝火と柱の影しか見えなかった。
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揺れる明かりの中、倒れていたでかいゴブリンが崩れるように消えていく。
消えた後、残っていたのは目玉大の赤黒い魔石だけだった。
「ほんとに居たんだな。ムキムキのゴブリン。」
「 いい戦いでした!」
「ほとんどボルク1人で倒したね〜。」
「…まぁここ程度は簡単に倒して頂かないと…。しかしオーガを素手とは……。」
「ゴーレムもそうだったがなんで消えたんだ?」
「原理は分かりません。ただ、ダンジョンの魔物は全て時間が経つと消えるようです。」
「魔石楽に取れていいな!!」
「その回収こそがこの部隊の主目的で、強大な敵ほど魔石は大きい。そして公爵家の管理下で最も魔石を産出しているのがこのダンジョンです。」
「でも倒しちまったぞ?」
「数刻で何事も無かったかのように戻ります。」
「なんで〜?」
「これもまだ原理は不明です。」
セドリックが会話しながら入口とは反対側の壁に近づく。
そこには数人が横並びで進めそうな大きな階段があった。
「さ、まだまだ進みますよ。覚悟はいいですか?」
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「うぇっ臭!!」
「殴ると何か変な汁が飛び散ります!」
「ねぇ燃やしていい〜!?」
階段を降り切るとそこは地下墓地だった。
手厚く葬られた者、穴掘って埋められただけの者、地面で転がっている者。
様々形はあるが、生者の住処では無いことは共通していた。
「また来たぞ!!」
「もうゾンビは嫌ぁぁ!!」
「やりました!スケルトンの方です!!」
「騒がしいですね。初めての探索を思い出します。」
「セドリック!てめぇ分かってて言わなかったな!?」
「この臭さは事前に言ったとしてもどうしようもないので。」
「それでも言いやがれ!!」
俺は前から歩いて襲いくるゾンビを袈裟斬りにし、その場で回転、後ろから迫っていたスケルトンを蹴り飛ばす。
たったこれだけでコイツらは動かなくなる。
だがやはり臭い。
「忘れずに魔石の回収もお願いしますね。大した価値はありませんが貴重な成果です。」
「へいへい、分かったよ。」
「なんで魔法で吹き飛ばしちゃダメなの〜?」
「またあんな爆発を起こされては困ります。」
「大丈夫だって〜!いい感じに今酔ってるしたぶん!」
「次のボスでは使っていただきます。我慢してて下さい。」
「もっと強い敵はいないのですか!?」
「階を降りる事に強くなります。つまり、進むしかありませんよ。」
文句を言いながらも敵は弱く、俺たちの足は止まらなかった。
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「で、また扉があるんだな?」
「えぇ、階層のどこかに扉があり、その中にはボスがいる。ボスを倒すと次の階へと進める。これが基本です。」
「だから私達のは妙だって言ってたんだね〜!」
「誰が作ったんだこれ?」
「分かりません。突如崖や地面に扉が現れ、中は日が経つ事に複雑怪奇になっていく。それがダンジョンです。」
「で、それを攻略するのが仕事だな!」
「そうです。ただ1つ気を付けないと…」
「あ、ボスが来ますよ!!ムキムキですかね!?」
「なんでムキムキを望んでんだ!!」
「強いからです!」
「あれは…スケルトンの群れ〜?」
「えぇ、ここのボスはスケルトンウォール。骨の壁です。」
「だから魔法だったんだね〜!任せて〜!!」
「ボルク!盾を構えろ!セドリック後ろの連中にも構えさせろ!!」
「カラム〜?ちょっと酷いんじゃない?そんな毎回しっ……ミスった…」
「やっぱりだ!!盾に入れ!!!」
骨の塊は粉々に吹き飛んだ。
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骨の残骸が消え、青黒い魔石を拾った俺達は再び階段を降りた。
次はやたらと豪華な墓地、墳墓だった。
「すご〜天井まで彫られてるね〜!」
「見ろよ!鎧も置いてるぞ!!」
「うぉぉぉぉ!!この剣壁から剥がれません!」
「墓荒らしにしか見えませんね。ここも上階と同じでアンデッド、ゾンビやスケルトンが相手です。」
通路の奥から足音が響く。
数人の鎧を着た兵士が走る足音だ。
「ただ、鎧を着てたり、走ったり、鋭い一撃を繰り出してくるので気を付けてください。」
「見れば分かる!!早く言え!」
「変わらないと思いますよ。」
「そういう問題じゃないって!!!」
「頑張ってね〜!」
「あ、アナタいい盾を持ってますね!俺の盾壊れたのでそれ下さい!!」
奥から次々に敵が走ってくる。
鋭い一撃が来る事もあるが、基本的な動きは普通のゾンビとそう変わらない。
注意さえすれば倒せる。
「セドリック!お前サボってるだろ!!戦え!」
「私は監視役ですよ。まぁこちらに来た敵は倒しますので。」
「お、それなら……」
「って、なんで敵連れたままこっちに走ってくるんですか!?バカですか!」
「来た敵は倒すんだろ?頼んだ。」
「カラムさん!こっちに来て下さいよ!!」
「お前もう既に囲まれてるじゃねぇか!」
「こっちに来たらカラムごと……。」
「セラ怖いこと言うな!!」
「ここまで他の兵にほぼ損害なし。これは期待してしまいますね…。戦い方は酷いの一言に尽きますが。」
殴ってから数日、ようやく俺たちは騒ぎながら3階層の扉まで辿り着いた。
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投稿時間を色々と試したく、次話は明日の20:50頃に投稿致します。




