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15話 すすめ


 日が昇り、野営地を出た俺達は進み、数日かけ俺達の居た村の傍まで戻って来た。

 村の手前で先頭を代わり、すぐ近くにある岩場まで着いて行く。


「なぁ、ここって村の近くだよな?」

「あの岩場には見覚えがあります!」

「こんな近くにあったんだね〜?」


「止まれ!」

「荷車はここまでだ。探索に向け荷物を整理しろ。」

 

「お、止まったぞ。この辺なのか?」

「あ!あそこに扉あるよ〜!」

「…?昔来たことあるような気がします!」

「村にいた頃に来たんじゃね?」

「よく走ってたもんね〜!」


「てかわざわざ扉付けたのかよ。いるか?」

「無断で入る人なんて居る訳ないよね〜!」

「そうですよ!そんな人いるはずありません!」


 3人ですることも無く話していると後ろから急に声をかけられる。

 

「ツッコミませんよ。」

「セドリックこういう時、絶対居るようになってきたな。」

「なに〜?友達になりたいの〜?」

「違いますよ!あなた方の世話役を命じられてるのでその一環です。」

 

「で、なんで軍は扉なんて付けたんだ?」

「いやあれは軍が付けた訳じゃないですよ。」

「へ?じゃ誰が…?」

「分かりません。ダンジョンには付いてる物という認識です。」

「俺たちの入ったのは…崖だったな?」

「もしかして小さい扉とか付いてたのかな〜?」

「殴った感触は硬い岩でしたよ!」

「やはり妙な感じですね…というかよく見つけましたねそんなの。」

「運が良かったんだよ!」

 

「理由になってませんよ。はぁ…この近くなんですよね?帰りに寄れたら寄りたい所ですね。」

「それいいな!村に1泊ぐらいすれば良いだろ!」

「まぁその為にで作られた村ですからね。帰りには元々寄る予定でしたし。賭場やら酒場やらには寄りませんが。」

「い、いや?元小隊長に挨拶でも、と思ってただけで…」

「そ、そうだよ〜流石に私達でも…ねぇ?」

「また村を走れるんですね!楽しみです!!」

 

「……まぁ無事成果さえ出れば問題はないでしょう。」

「やったぜ!あの胴元の親父からキッチリ取り返さねぇとな!!」

「あの酒場にまだ酒があるのに離れるの嫌だったんだ〜!」

「うぉぉぉ!待ってて下さい!今助けに!!」

「辺境に戻るだけでなぜそんなに盛り上がれるのか皆目見当もつかないんですが。」


――――――――――――――


 話している間に他の班によって荷物の整理が完了したようだ。

 セドリックは慌ててリオネルの元へ戻っていく。

 俺達もほかの班に習い整列する。


「やっとマトモに並べるようになったな、あの田舎ザル共。」

「セドリック様はなんであんな奴ら気にかけてんだ?」

「チッ、行き道でくたばると思ったのによ。」

「やべぇ…貧民との賭けで負け越すなんて……。」

「…こんな事したって無駄なのにな。」

「ハァハァ…セラたんカワユス……」


「…セラ、ボルク。ちょっとツラ貸せ。」

「どうしたの〜?」

「…顔は貸しませんよ」

「どうやって貸すんだよ!いいか?よく見とけ。」


 3人の真ん中に手を突き出し、親指でコインを弾く。

 綺麗に真上に上がったコインはそのまま俺の手の甲に落ちてきた。

 表だった。

 

「これで俺達は幸運だ。成果をゲットしてとっとと帰るぞ!!」

「待っててね、酒場のマスター!!」

「今背負いに行きますよ、村長!!」

「ヨシ!」


「ヨシじゃないです!何をバカな円陣組んでるんですか!!」

「あれ?セドリック?リオネルはいいのか?」

「…リオネル様直々の命令です。あなた方を監視しろと。」

「…遠くからでも監視出来るんじゃないか?」

「見られたら困ることでもあるんですか?」

「邪推するなよ。俺達なんか見てもいいこと何も無いぜ。」

「困らないなら行きますよ。この班が再び先頭です。」

「え!また先頭で良いのか!?」

「普通は危険なので嫌がる所です!これもリオネル様の指示です。ほら行きますよ。」


 セドリックが扉を押し開き、スルリと中へと入っていく。

 俺達も同じように体を扉の内側へと滑らせた。


――――――――――――


 暗い空間に目が慣れると、思っていたのとは違う景色が広がっていた。

 天井や壁、床には青白く明滅する星のような光を灯す鉱石が。

 そして洞窟のような岩肌ではなく、精緻に整備された石畳や石壁がそこには広がっていた。


「っ!?なんだこりゃあ?」

「綺麗だね〜…すご〜……」

「この壁、あの壁と同じ感触です!硬いです!」

「その反応、やはりあなた方の攻略したのは違うんですね?というか何故殴ってるんですか!?」

 

「本当に視界ゼロの真っ暗闇だったしな。だから松明持ってきてなかったんだな。」

「まぁ真っ暗な場所もあるのでゼロでは無いですが、基本ダンジョンに松明は不要ですよ。」


 俺屈み、足元の光る石を1つ砕いて手に取る。

 

「この石売れるのか?」

「…ホント逞しいですね。」

「見てカラム〜ボルクが割ったの集めてみた〜綺麗〜!」

「この石はとった傍から魔力が出ていくので、すぐにただの石に変わります。」

「そっか〜ホントだ…残念……。」

 

「ってこんな場合じゃない。後ろがつかえるので少し奥に進みましょう。」

「もっとゆっくりみたかったな〜」

「帰りに見ようぜ!」

「このダンジョンではこの石は珍しくありませんよ。すぐ見慣れます。」

毎日18:20頃に投稿しています。

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