表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/29

14話 とまれ


 出立した俺たちは村から来る時に通った道を戻っていた。

 道中に出るのは相も変わらずゴブリンばかりだ。


「はぁ…前と何も変わってないじゃねぇか。」

「装備は変わりましたよ!」

「人数も沢山だよ〜!」

「それでゴブリンしか倒さないんじゃなぁ。また出たぞ。行くぞボルク。」

「はい!!」


 俺は村にいた頃と同様に剣でゴブリンを倒していく。

 ボルクも支給された大盾で倒していく。


「って剣使えよ!確か支給されてたろ?」

「さっき折れました!」

「ね〜なんで魔法使っちゃダメなの〜?」

「万が一にも後ろの連中に当たったらヤバいだろ。」

「そんな事しないよ〜!お酒もいっぱいあるし!」

「え?どこに?」

「ボルクに持ってもらった荷物に詰めてるよ〜」


 俺はコイツらを甘く見ていた。

 こいつらのバカさは俺以上だ。


「カラムさん、さっき別班に無理やり賭け持ちかけてましたよね?ゴブリンの魔石がどうとか…」

「魔法禁止…ね〜?」

「いや、あれは違うよ?全然関係ないから…あ!おい、ボルク魔石はちゃんと回収しろ!」


 出てきたゴブリンを全て倒した俺達は後続を待つ。


「はぁはぁ…早すぎです……!」

「大丈夫か?」

「なんでこんなに進むの早いんですか!?」

「なんでって言われてもなぁ。普通に歩いてるだけだぞ?」

「警戒ぐらいして下さい!」

「警戒なんかしなくてもゴブリンぐらいしか出ねぇよ。」

「後ろの都合もあります。この後はちゃんと警戒しながら進んで下さい。」

「めんどくせぇなぁ…。」

「しばらくここで休憩とします。休憩後はしっかりとお願いしますよ。」


――――――――――――

 

 休憩後、警戒しつつ進み日が沈む前に野営地に辿り着いた。


「おぉ〜早いなぁ。あっという間にテントが出来るぞ。」

「凄い早いね〜!」

「手伝ってきます!!」


 ボルクが走って手伝いに向かう。

 襲われた兵が悲鳴を上げ、テントのパーツが宙を舞う。


「おぉ〜凄いなぁ。あっという間にテントがボロボロだ。」

「凄い飛んでるね〜!」

「そんなこと言ってる場合ですか!早く止めてきてください!!」

「あれは無理。」

「あなたそれでも班長ですか!」

「班長をなんだと思ってるんだ?」

「責、任、者です!」

「なら俺より上の責任者でもいいじゃん。早く行ってきてくださいよ、騎士セドリックさん。」

「ほんとに上だと思ってます!?舐めてますよね?!」

「俺達じゃ無理だし、頼む!」

「あの状態のボルク止めるのは大変だよ〜!」


「はぁ……。損害はあなた方の帰還後の給金から引いておきます。」

「ちょ!?」

「セラさんの今持ってるワインもそれ貴族用の支給品ですよね?それも引いておきます。」

「えぇ〜!!」

 

「あと、野営では各班持ち回りで夜番します。あなた方は最後の番に決まりましたので。」

「え、聞いてないぞ!!」

「寝かせてよ〜!」

「1番楽な最後に回したんですから文句を言わないでください。」

「何したらいいんだ?」

「キャンプ地を見張って敵が来たら倒すだけです。」

「簡単だな!」

「だからほんとに頼みますよ。」

「任せろ!」


 ボルクは手伝う事が出来なかったせいか落ち込みながら帰ってきた。

 そのまま各自持ってきた食糧を食べ、割り振られたテントで眠りについた。


――――――――――――


「あー…ねっみぃ……」

「眠いよ〜……」

「昼でも夜でも変わらずゴブリンしか来ないですね!」


 俺たちは夜番の交代を告げに来た前の担当に起こされ、野営地の焚き火を囲み座っていた。

 テントは森を切り開き作られた広場の奥側、川に沿って建てられている。

 夜番はテントと森の間で見張り、敵が来れば倒しに行く。

 つまりたまに来るゴブリンを倒すだけだ。


「順番最後にしてくれたのは良かったけど、他の連中が起きるまで待つのは暇だな。」

「もう起こしちゃう?」

「ちょっと瞑想するので、起こさないで下さい。」

「それは寝てるだろ!敵来たら起こすからな。」

「ぐぅ……」

「ったく、相変わらず寝付きがいいな。…他の連中も寝かせておいてやろう。」

「ふふ、だと思ったよ〜。」

「どういう意味だ?」

 

「別に〜?……ねぇ、カラムってなんで軍に入ったの?」

「んーなんだったかなぁ?軍ならタダで飯が食えるからだったかな…セラはどうなんだ?」

「私はね〜街で見かけた兵士がみんな楽しそうに飲んでたからかなぁ〜」

「辺境の連中はどいつも楽しそうだったけどな。」

「イメージとは違ったねぇ…もっとこう……楽しいのかなと思ってたよ〜。」

「軍だぞ?むしろ逆に決まってる。」

「だね〜!」

 

「……俺は…ボクは…英雄に……人になる……」

「…寝てても変わらねぇな。ってゴブリン来たぞ、瞑想は中止だ!!」

「はっ!?ムキムキのゴブリンですか!!」

「どんな夢見てた!?普通のだ!」

「そろそろ私が魔法で倒そうか〜?」

「いや、全員起こす事になる。ここで大人しく酒飲んでろ。」

「いいの!?やったぁ〜!!」


 その後は日が昇るまでやって来るゴブリンを倒しつつ、その辺を這い回っているスライムを投げて遊んだ。

毎日18:20頃に更新しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ