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腕試し

「しかし、旅ゴブリンだけだと実力がわからんな。」


「俺を疑うというのか!?」


「そうじゃねぇ。ランクを決めるのにそれだけだと不十分だと言ってんだ。」


確かにな。不用意に高ランクを与えないあたり、見た目にそぐわず、ちゃんとしたギルド長なんだろう。ならここは…


「では、腕試しとしてなにか依頼を受けさせてもらえませんか?」






結局、薬草採集と近くに集落を作りつつあるゴブリンの討伐を受けた。俺はすぐに村をたった。群生地を聞いていたこともあり、見分けるための図鑑を借り受けていたので、薬草は簡単に見つけられた。


だが、問題はそこからだった。ゴブリンの集落が潰されていた。集落があるとされていた場所には豚が二足歩行で闊歩している。見た感じ3頭…か?


オークは筋肉質ってなんかのスレで見た気がする。…だから?


灯籠を切ったとか、試し切りで死体を4体重ねて切ったとか逸話があるぐらいだし。


それに筋肉質でパワーは強いかもしんないけど、俊敏性は無さそう。


左頬に十字の刀傷のある流浪人のアニメの主人公に憧れて速く戦えるように特訓した。俺の師匠の流派が新道無念流と天然理心流を学んだ上で、卜傳流剣術を進化させたものだ。速く敵を斬り倒すことを念頭に置きつつ、相手の鎧ごと斬り殺すことを目的とした殺人術。戦国時代に編み出されたものらしい。凶悪すぎてあまり受け継がれなかったらしい。


でも、ここではその凶悪さが必要になる。もし捕まれば、俺なんて簡単に殺されてしまうだろう。


なら、捕まる前に3匹共に斬り殺してしまえばいい。


俺は刀を抜き去ると奴らの背後に回った。両腕に力を込める。せっかくなら能力の一部も使ってみよう。


『肉体強化』


刀を握る握力と上腕に熱さを感じた。何でもできるようなそんな覚えが生まれた。


俺は飛び上がると奴らの首を横薙ぎに切り落とした。止まることなく綺麗に斬り落とせた。…怖っ!?


まぁ…これでよっぽどのことがなければ問題はないだろう。ここで生きていくには十分だろう。


勇者…にはならなくてもいいか。

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