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2 学園の地味な制服にスカートを!

「ふぁ~っ」

 大きなあくびをつきながら学校へ登校する錆月 灰斗。

 あれから何事もないが灰斗はこちらの地味な世界とあちらの世界を行き来していた。

 あの後あちらの世界に行ったときカナタが大量のDVDを出してきており。

『お兄ちゃんはまだ見かけだけのオタクだから中身もオタクならないと皆に笑顔を届けられない。と言うことでこちら魔法少女☆マジカルミミのDVD第一部全251話を持ってきたからとりあえずこれを見て妹とトーク力を増やそう!」

『えっ……1話何分』

『大体三十分。大丈夫お兄ちゃんならできるよ!』

 というくだりがあり、アニメを見て寝不足なのだ。

 テレビも法律により家に置けないためこちらの世界では見れずあちらの世界で見るしかない。

 そんな時カナタがくれた道具はあちらの世界に行ける『どこでもチャック』と言うカバンなどについているチャックのつまみの部分の形をした道具。これを壁や床に付けて引くと壁が開き向こうの世界に行けるという道具だ。

 結構簡単にあちらの世界に行けるとわかっていてもアニメを何時間を見るのは大変だ。

 でもそれは自分が楽しんでやっていること、楽しんで疲れるという初めての感覚に自分はとてもうれしさを感じていた。

 この感覚をこちらの世界に持ってこれればどれだけいいだろうか、そんな考えが頭をよぎるも何をやっていいのか自分にはまだわからない。

 そんなことを考えながら歩いていると学校、終楽学園に着いた。

 外見は豆腐……ではなく普通の学校。唯一学校の中でも豆腐ではないこの終楽学園。この外見だけで自分はこの学校に通おうと決めた。

 この外見なら少しは違うと思っていたが、女子制服のズボンを見るだけで普通ではないことが分かるから。と横目で生徒を見ながらクラスに向かう。

 学校初日にサボった自分だったが先生に怒られることなく普通に登校が出来てしまう。どれだけ生徒に関心がないんだ。

 窓側の一番後ろの席に座り辺りを見る。

 椅子に座り何かを書く生徒、立ちながらぼーっとしてる生徒、クラス全員が個別に何かをしている。

 それもそのはずこの世界に娯楽がないため友達と言う概念がないのだろう。

 『○○、放課後ゲーセンに遊びに行こうぜ!』などと放課後遊びに誘うなんてないから人と話すことなんてない。なんとも悲しい光景だろうか。

 チャイムが鳴り響くその時に少しずつでもいいからこの世界を変えてやるとそう決意するのであった。

 ………

 ……

 …

「……やっぱり、あんまりおいしくないな」

 お昼休み、錆月 灰斗は空を眺めながら屋上で一人ご飯を食べていた。

 手に握られていたのは楽園法律で新開発された人間のご飯『ブロック』その名前の通り一口サイズのブロック状のもの食べ物が袋に入っている。

 これで栄養バランスが取れお腹が膨れると言ってもあまりおいしくはない。

「昔の人はどんな食べ物を食べていたんだろうか」

 料理と言う楽しみも奪い、これしか食べ物がないこの世界、苦痛すぎる。

「はぁ……」

 ため息を一つつく、すると目の前の屋上の床が割れ、開き始めた。

 その光景に驚くことなく眺めていると中から小さな人影が飛び出してきて穴の横に立つ。

「ご主人、カナタ様からです……『あ、あー、聞こえてる?』」

 そのサイズは人間の六十四分の一ほどしかない小さな体、メイド服に包まれたその人物。その人物からはカナタの声が流れてきた。

 この人物はこの世界に携帯電話がない、学校でお面を被って連絡なんてしたら怪しまれるので連絡もできない。連絡手段がない。ということで二体作られたこちらは『一号ちゃん』カナタが持っているのは『二号ちゃん』人型のメイド服を着た人形で離れていても連絡が取れるという代物らしい。

「一号ちゃんをお昼に届けると言っていだがこんな大胆な登場誰かに見られたらやばいだろ」

「『大丈夫、みんな死んだような人しかいないから見られても驚かれたりしないよ』」

 驚く、驚かないの問題じゃないんだよな……

「『そんな事よりこれからのことだよ。魔法少女☆マジカルミミも見て楽しいことが分かってオタクに近づくお兄ちゃん、これはもう動いていいんじゃないかな』」

「動くって、具体的にどうするの?」

「『おかしいとこを少しずつ変えていく、お兄ちゃんの身近で一番気になっておかしいことってある?』」

 おかしいところね、この手に持っている食べ物もおかしいと思うのだが何かをおこすには規模がでかすぎる、となると……

「この学校……」

「『ん?』」

「この学校から何か変えないか?」

「学校……いいね、くそみたいな学校から変えよう」

 口悪いなこの子……ん、待てよ。

「カナタ学校行ってる?」

 前、あっちの世界に行った時も平日だった、カノンはお兄ちゃん呼ぶし見た目的にも年下で中学生ぐらい……学校はどうしてるのだろうか。

「え、行ってないよあんなくそ詰まんないとこ」

 声のトーンが変わり少し悲しそうな声でそう返してきた。

 やばい、これは地雷踏んだかもしれない、フォローしとかないとあと後響くぞ。

「そ、そっか。あ、そういえばこの一号ちゃんのデザイン可愛いよねなんて言うか、その……ごめん」

 フォローが下手だった。

「『いいのいいの、昔のことだし、ね、この話はおしまい! 今は何を変えるかだよ』」

 先ほどとは違い、急に謝った自分に対して焦った様子で返してくるカナタ。ずうずうしく聞いたのはホントに申し訳ないと思った。

「『で、学校と聞いてカナタちゃん閃いちゃったよ。ズバリ制服だよ』」

 制服、制服か確かに男子の制服も地味だし、女子なんかジャージ生地のズボンをはいている。だがどうやって制服を変える?

「『あ、いまどうやって変えようかとか考えてたでしょ。こまけえこたぁいいんだよ、適当にそこら辺の女子のズボン引っぺがしてスカートはかせても制服が変わったって言えるからな』」

 恐ろしいこと考えるな……だがそれぐらい強引の方がいいのかもしれない。

 もし女子に「スカートをはいてください!」て言うと変な目で見られるかもしれないし、もし成功してはいてもらったとしてもその行為が見つかった場合その人が楽園法律違反になりEPにつかまってしまう。

 やはり無理やりがいい、そうすれば自分たちのせいにできる。だがズボンを引はがしてスカートをはかせるのは無理やりすぎるしひどいので駄目だ!

 もっとこう自分たちのせいでスカートはかされ、相手に嫌な思いをさせない方法……

「思いつかない」

「『ふ、お兄ちゃん思いつかないか。ここに天才がいるんだぞここは私に任せな、新たな道具を作りびっくりさせてやるぜ』」

「うん任せる」

「『てなわけで作成に取り掛かる、お兄ちゃんは首を長くして待ってくれよ』……通信が切れました、ご主人」

 ぺこりと一号ちゃんはお辞儀をしている。

「えっと……」

 どうすればいいんだこの一号ちゃん。

 ………

 ……

 …

 放課後、あの後一号ちゃんをクラスまで服のポケットに入れて運びカバンの中へ隠した。

 カナタが何か作ってくれるというのでそれを待つ間、今日もあちらの世界に行きアニメでも見ようかな。

 帰ろうとクラスから出て下駄箱に向かったときだった。

「んーんーあれ、おかしいっすね、朝はとどいたはずなのに」

 小学生ぐらいの小さな少女が下駄箱に背伸びをしながら靴を取ろうとしているが一番上なのかとどかないようだ。でもあれ三年の下駄箱だよな、まあとりあえず困ってるようだし取ってあげよう。

「よっと」

 近寄って取ってあげると少女は少し驚いた様子を一瞬見せた後満面の笑みで「ありがとうっす」と返してくれた。

 うん、いいことするもんだな。

「あの」

 そのまま去ろうとしたとき、先ほどの少女が自分の腕を握り止めてきた。

「えっと、何かな」

「その……い、一緒に帰らないすか!」

 え、さっき会ったばっかりの人だよ、初対面で一緒に下校しようなんて言ってくるものなのか?

 んーでも断る理由もないしあっちの世界に行くのも大丈夫かちょっと遅くなるだろうけど。

「いいけど……何で自分と?」

「なんかビビットきたっす、こう、他の人と違う何かを感じたから少し話したいっす」

 ビビットって、ただ靴を取ってあげただけだが。

「他の人はこまっていても助けてくれないっす、見て見ぬふりをするのが普通す。でも君は助けてくれたっす、その優しさに美咲感動したっす」

 この世界では見て見ぬにふりをするのが普通、そうだった。こっちの世界で問題に巻き込まれたくない人が大勢いる自分も前までそうだった。小さなことでも人を助けたりなんてしなかったな。あの件から何かが吹っ切れたんだな。

「私の名前は小司 美咲っす三年すっ君は?」

「錆月 灰斗一年……です」

「あ、自分お姉さんすね」

 失礼だけどこの小学生な見た目で三年なのか。

 そのことを心の中だけにとどめ小司さんと一緒に帰ることにした。

 ………

 ……

 …

 豆腐の景色が続く街なみ、それを小さな先輩と二人で歩く。

「いやー三年間学園に通ってるけど初めての人と一緒に下校っす」

 うきうきしながら前を歩く先輩の姿が少しかわいいと思えてしまうが制服が地味なせいであまり萌えない。

 魔法少女☆マジカルミミの世界ならあんな地味な制服じゃなくてちゃんとした可愛い制服がきれるのに何故この世界の女子の制服はズボンなんだ。

 「くっ」と下唇を噛みグッとこの気持ちを抑える。

「錆月さんは誰かと下校したことあるっすか?」

「ないかな、楽園法律のせいでどこにも遊びに行けないし……あと年下何でさん付けしなくてもいいですよ」

「あー気にしないでくださいっす、自分がそう呼びたいだけなんで」

「そうですか」

 ……けっして自分はロリコンじゃないですよ。

 二人で話しながら帰り道を歩くのは楽しいが話すことがなくなり無言の時間が続きゆっくりと時間が流れていく。

 こんなとき何を話したらいいんだ、趣味を聞く?こんな世界に住んでて趣味なんかないだろ。だったら好きな食べ物? 駄目だこの世界にはブロックしかない!女子と話すのがこんなにも難しいとはカナタとはあんなに喋れるのに……あれ今思えばカナタがマシンガンのように喋ってきてるだけじゃ……。

「ねえ、錆月さん」

「え、な、何ですか」

「ちょっと寄り道しないっすか?」

「いいですけど……」

 寄り道、一体どこに行くんだろう遊ぶ場所もないのに。

 テクテクと前を歩き「こっちっす!」と手招きをしているのでついていく。

 段々と暗い道に入り自分でもこんな場所があったのかと言うほど裏路地を通ってゆく。

「このなかっす」

 ついたのは太陽の光が届かない場所、前にはほかの建物と変わらない普通の豆腐のような建物がある。その建物に入っていく先輩についていくとその中は物置のようにがらーんと開いていた。

「物置?」

「ここはフェイクっす本体は……ここ」

 こんこんと壁を先輩が叩くと壁の奥から男の声がしてきた。

「合言葉は」

「こんなつまらない世界には娯楽を!っす」

 そう先輩が言うと壁がゴゴゴゴ……と音を立て開き始めた。

「さ、ついてくるっす」

 な、何なんだ一体、さっきの合言葉もそうだし。

 訳の分からない外の豆腐のような外見からではわからない長い廊下を進み大きな扉を開けると明かりのついた部屋に出た。

「よう、小司ちゃん今日も来たんだな。そっちは……誰だい?」

 その場所には沢山の銃とたくさんのコスプレ衣装が並べられている大きな店そのレジにはタンクトップを着た怖そうなムキムキのおじさんがいた。

「私の……知り合いっす。ちょっと話したいのでテーブルと椅子かりていいすか?」

「ああいいぜ、お茶でも入れてくるからゆっくり話しな」

 そう言って怖そうなムキムキの男は後ろについている扉に入って行ってしまった。

 ど、どういうことだ、何で先輩はこんなところに連れてきたんだ。

「ま、考えてないですわるっす」

 椅子にちょこんと座りテーブルをトントンと指で叩き座るようにうながす。

 とりあえず先輩の向かい側に置いてある椅子に座りこの状況がどういうことなのか聞く体制に入る。

「そんなに硬くならないでほしいっす。取って食おうとはこれっぽっちも思ってないっす」

 出会ったのは偶然だけど、一緒に帰ろうと誘ってきたのは偶然じゃないなこれ。

「自分に何の用ですか」

 恐る恐る聞いてみると先輩は真剣な表情になり話し始めた。

「電車での出来事を見てたっす」

 電車での出来事……あれか男が電車でゲームをやっているところをEPが捕まえ自分が助けた。誰も見ていないと思っていたあんな大勢の前で大胆なことをしたんだ。一人ぐらいこっちを見ていてもおかしくない。

「ああ、でもEPにチクろうとかそんなんじゃないっす。自分はあの時誰か助ければいいのにと見ていたけど動けなかったっす。そんな時錆月さんが何やらカバンをあさりだしたので後をこっそりつけてみると顔にハンカチを巻きEPにタックルをかまして逃げたっす。それを見て凄いスッキリした気持ちになったっす、この人はすごいなって、一度会って話をしてみたいと思ったっす」

 つまりこの人も自分と同じ感じの人なのかな。助けたかったけど勇気が出なく迷っていた。

「で、下駄箱で偶然出会ったってこと?」

「その通りっす」

 なるほど、良かったとりあえずは何事もなさそうだ。それにこちらからもいろいろと聞きたいことがある。

「先輩、この場所は何ですか?」

「この場所はいろんな場所に隠されて営業している裏ショップと呼ばれる場所っす。表ではは売っていないものが数多く取り押さえられてるっす。この場所はサバゲーの銃やコスプレ衣装が置いてあるっす。自分のお気に入りの場所っす」

 何で自分の父親や電車に乗っている男がゲームを持っていたのか、考えたことなかったがこういう場所で買っていたのか。

 でもこんなことして大丈夫なのだろうか……自分が言うのもあれだけど。

「もしかして心配してる?大丈夫、ほらあれっす、バレなきゃ犯罪じゃないっす」

 顔に出ていたのかその疑問の答えを人差し指をびしっと立て言先輩。可愛いの一言でその様子の説明ができる。

 そんな話をしているとコップを持った先ほどのムキムキの男が出てきてお茶を机の上に二つ置きカウンターに戻った。

「ありがとうございます」

「ありがとうっす」

 コップを手に持ちお茶をゆっくりと口に入れる……うまい、いつも水を飲んでいてお茶を初めて飲んだのだがこんなにもおいしいのか。

「錆月さんはどこまでこの世界を知ってるすか?あまりこの場所のこと話しても驚かなかったす」

「それは……」

 この場所よりもっとすごい場所を見たなんて言えないよな。

 あの場所はカナタに秘密にしろと言われているため話すわけにはいかないのだがここまで自分のことを話してくれた人に隠し事をするのはちょっと気が引けるな。

「自分も同じような場所を知ってまして」

 少し濁して言うことにした。

「そうなんすね、今度おしえてほしいっす」

 ………

 ……

 …

 それから少し話した後解散ということになり外に出て別れることとなった。

「それじゃ錆月さんまた明日っす、このことは秘密っすよ」

「わかった」

 外は暗くなっており今日はまっすぐ家に帰ることにしたのだが……

「『お兄ちゃん、何で今日来なかったの!せっかく新しいマシーンを作り上げて待っていたのに!何も言わずに来ないなんてひどいよ』」

「わ、悪かったって」

 家に帰るとカバンの中から物凄い勢いで飛び出してきた一号ちゃんそこから聞こえてきたのはカナタの怒号、今日あっちの世界に行きカナタにあっていないために怒られてしまった。

 翌日、学校に行く前にあちらの世界のバー・イケガミに行きカナタに会うことにした。

「お兄ちゃん今日は来てくれたんだ、はぁ、私と言うものがいながら他の女の子と放課後デートするなんて怒っちゃうぞ!」

うっ、バレてる。

 地味な世界の違反者を取り締まるための監視カメラをハッキングしてこのモニターに写ってるんだった。

 前、制服で男を助けてしまったときの自分の行動はカナタがハックして隠してくれたので終楽学園の生徒とはバレてないらしい。

「すみません」

「……誤ったので許そう」

 ぷんぷんと怒っていたカナタだが頬を緩め笑ってくれた。

「で、話を世界を変える計画『学園の地味な制服にスカートを』計画に戻すよ」

「何それ」

「作戦の計画名、これがないとなんだか始まった感がしないからね」

 そう言うと妹、カナタは椅子から立ち上がり部屋の隅に置かれていた箱を開け中身を取り出した。

「テレリレッリレー水鉄砲と特殊な水」

 ……自分で効果音をつけて天にかかげた妹の手はなぜか丸い形をしていた。

「……あれ知らなかった?あの国民的アニメどりゃえもんの道具を出すシーン」

 知りませんし見たこと合えりません、自分が知っているのはカナタに見せられている魔法少女☆マジカルミミぐらいですよ。

「まあいいか、で作戦なんだけど……今日始めるよ」

 にやりと笑う黒く笑うカナタに少し嫌な予感を感じた。

 ………

 ……

 …

「ホントにやるの?」

 終楽学園の屋上、そこには前と同じでお面をつけオタクの格好をした錆月 灰斗がそこにいた。

 両手には片手で打てるハンドガンの形をした水鉄砲が二丁握られている。

「ホントにやるの、大丈夫信じてお兄ちゃん」

 お面から励ますカナタの声がするが自分はこの水鉄砲の効果を聞かされていない。カナタが言うには女子のズボンに向けて撃てと言われているだけ。すごく怖い。

「はぁ、分かったやるからね」

 地上では次々と学園の生徒が登校している。

 錆月 灰斗は覚悟を決め屋上から飛び降りた瞬間、登校している女子に向かって水鉄砲の引き金を引く。

 すると小さなBB弾ぐらいのものが飛び出したかと思うとその弾は女子の制服、ジャージ生地のズボンに当たると……当たった服の部分が溶け始めた。

「あの、カナタさんこれって……」

「ズボンを脱がせないなら溶かせばいいだろ!という結論にいたり作りました、とけーるくん1号です」

 何の解決にもなってないじゃないか!無理でもいいと思っていたけど無理やりすぎるって!

「大丈夫、下着は溶けないようになってるから安心してガンガンぶっかけちゃって」

「そういう問題じゃないよ!」

 あたりには女子の悲鳴がこだまし、撃たれた女子生徒は恥ずかしさのあまりかがんで隠してしまう。

 これってテロみたいなもんじゃん、普通に犯罪じゃね……ええい、考えるのはやめた自分は女子にスカートをはかせたいその一心で俺はやるんだ!!

 錆月 灰斗の当た目の中で何かが吹っ切れる音がした。

「カナタ、弾が当たった人はどうするんだ」

「任せて、ほーれぽちっとな」

 カナタが何かを押すと空から大量のスカートがひらひらと落ちてくる。

「ほれ、女子のズボンをガンガン打ちまくれ、学園の地味な制服にスカートをだ」

「はい!」

 錆月はどんどん女子のズボンを射抜いてゆく……射抜く、溶かす、当たった女子はしゃがみ込むと同時に罪悪感が生まれる。

「あのもしよかったらこれはいてください」

 とスカートを手渡す……変態だ!ここに変態がいるぞ。

 罪悪感が生まれたがその手渡したスカートをもらった女子はきらきらした目になりすぐにはき始めた。

 それを見てからか悲鳴はやみ、自分から当たりに来きてスカートを穿く女子生徒が数多く存在した。

 この世界嫌いだ!

 そんな作戦がうまくいっているときだった。

「騒がしいですね」

 学校の中から一人の男子生徒が現れた、だが一般の生徒とは違う雰囲気を漂わせる。

 腕に風紀委員と書かれた赤い腕章をつけ腰には刀のようなものを下げている眼鏡を掛けた男子生徒。

「どうしたんですか」

 一人の女子生徒に声をかけるとそのスカートを穿いた女子生徒は「あの人に無理やり着させられたんです」と錆月の方を指さした。

 それでいい……と思っていたけど自分から当たり穿いていたのでなんか腹立つ。

 眼鏡をかけた風紀委員は腰に着けていた刀を抜くと構える。

「いけませんねうちの生徒にこんなことされては、噂に聞いていた反逆者ですか貴方は?」

「ああ、そうだ」

 風紀委員、学園のEPと呼ばれる存在でEPと同じように違反者を取り締まる存在。

 目標は達成できたしここ逃げるべきだろ。

「そうか、なら手加減はいりませんね」

 自分が逃げようと足を後ろに出したその時だった眼鏡を掛けた風紀委員は地面を蹴り一瞬で刀の間合いに詰め寄る。

 とっさにカバンに刺さっていたポスターを抜き広げて受け止める。

「ほう、なかなか面白いものを君は持っているようだね。でも下ががら空きだよ」

 ポスターで防ぎきれない足を狙い眼鏡は足払いをした。錆月はそれにより尻餅をつきこけてしまう。

「終わりだ」

 刀を顔に向けられすぐに立てない状況を作られてしまった。


 =====

 

「ふぁ~っ」

 小さなあくびをしながら終楽学園に向かう小司 美咲。

 昨日は楽しかったので話した内容を思い出していたら少し夜更かしをしてしまっていた。

 また錆月さんと話せるかな、と期待を胸に学校へ向かうと門の前に生徒の人だかりができていた。

 何が起こっているのか、小さな体で生徒の間を向け学校の方を見ると、辺りは水浸しになっていて学校の前にはおもちゃの刀を握り相手に向ける生徒会の人と……刀の先を向けられているお面をつけているオタクがいた。

 ないがいったいおこってるっすか。

 そう小司が思っていると急に自分がいた場所の地面が小さく割れてその中に飲み込まれてしまった。


 =====


「がはっ」

 強い衝撃が錆月を襲う。

 先ほどの体制から胸を蹴れ吹き飛んだのだ。

「ふん、反逆者と言ってもこの程度ですか。少しは楽しめると思ったのに少々がっかりしました」

 こいつ、強すぎる……いや、俺が弱すぎるのかもしれない。

 どうしたらいい、先ほどからカナタとの連絡も途絶えている。この状況を打破するにはどうしたら……何も思い浮かばない。

「くそっ」

 立ち上がり逃げようとするも素早く先回りされもう一発腹に蹴りを入れられる。

「逃げるだけで立ち向かってこないのか……仕方ない終わらせるか」

 眼鏡はお面に手を伸ばすその時だった。

 一発の銃弾が眼鏡に向かって飛んでくるその銃弾の気配を察知したのか刀で受け止める。だがその銃弾は割れ水が飛び散り眼鏡の着ている服を溶かす。

「ちょっとまったっす」

 弾が飛んできた場所には小さな人影が銃を眼鏡に向けながら立ち尽くしていた。

 その格好は少しミリタリーな迷彩柄の衣装、両手には錆月の持っていた同じ形の水鉄砲と腰には変な装置。顔にはゴーグルと口には黒いバンダナをつけている。

 その人物を見たとともに眼鏡は地面を蹴り銃を向ける人物に向かい走り出す。

 一気に間合いを詰めて刀を振りかぶるがそれは綺麗に外れる。

「なっ!」

 それは眼鏡が切りかかった相手が急に消えたため動揺して隙を与えてしまう。

「こっちっすよ」

 その声がした方向は空中、眼鏡が空中を向くとそこには腰についている謎の機械が作動し飛び上がっている姿だった。

 飛び上がった体勢から手にもている二つの銃の引き金を引くといくつもの銃弾が眼鏡に向かい降り注ぐ。

 何とか数発刀で防ぐがあまりにも撃たれた数が多すぎるために防ぎきれず何発か当たってしまい服がだんだんと溶けてゆく。

 だが空中に飛び上がったことで降りてくるときに隙が出来るとふみ刀を構え降りてきたタイミングを狙う。

「こっちばかり気にしてていいんすか? 眼鏡君の相手は一人じゃないっすよ」

「はあっ」

 眼鏡の近くには踏み込んだオタクの姿が見おり、眼鏡が気づいたときにはポスターで切りかかられた瞬間だった。

 眼鏡の風紀委員はそのまま倒れ水鉄砲の水でできた水たまりに倒れこんでしまった。

「はぁ、はぁ」

 強かった、この人がいなければ自分は負けていただろう。

「やったっすね」

 目の前には小さくガッツポーズをする小柄な人物と水たまりに倒れこむパンイチの眼鏡がそこにいる。

 なんか小柄な人物の喋り方が引っかかる、どこかで聞いたことあるような。

「オタクさん、早く逃げるすよ」

 ……もしかして小司先輩なのか?

 小柄な人物腕をつかまれどこでもチャックを床に使いこの場所から姿を消した。

 ………

 ……

 …

「危ないところを助けていただきありがとうございました小司先輩」

「いいって、いやー自分もびっくりしたっす急に地面の中に落とされたかと思うと目の前に女の子がいたっすからね」

 先輩から話を聞くと、危なくなった自分を見てカナタがこのバー・イケガミに先輩を連れ込み素早く説明して道具を渡し助けさせたという。

「でもいいんですか先輩、こんなことして迷惑じゃありませんでしたか?」

「全然、迷惑じゃなかったすよ。自分も人助けできてうれしかったっす」

 ……本当にいい人だ、こんな面倒ごとに巻き込まれても笑顔で対処してくれる。

「本当にありがとうございました」

 感謝の気持ちを精一杯伝えるため深く頭をげる。

「自分からも頼みたいことがあるっす」

 頭を上げ、先輩を見ると真剣な様子でこちらを見ておりそして……

「自分も世界を変える活動したいっす、よろしくお願いしますっす」

 そう言うと膝を地面につけ土下座の体制をとった。

 それに慌てて起きるように言うがこちらが答えを言うまで体制を変える気はなさそうだ。

 ……これからも小さな少女を巻き込んでいいのだろうか……いやこれは相手の気持ちに素直に答えるべきだろ。

「いいと思いますよ、な、カナタ」

「あーあ、いちゃいちゃしていやらしい、ロリコン」

「ロリコンじゃないですよ!」

 カナタは小さくため息をつき土下座をしている小司先輩を見つめて口を開く。

「お兄ちゃんを助けてもらったし、こちらの世界のことを誰にも言わないと約束するなら考える」

「誰にも言わないっす」

「……よし、じゃあ君も何かのオタクになれそれが入る条件だ。今は《仮》状態にしてやるから明日から毎日こい、分かったな」

「ハイっす」

 びしっと小司先輩は立ち上がり敬礼のポーズをした。

 これから三人で活動することになった。世界を少しずつ変える活動が出来ればいいと自分は思う。


 =====


 暗い水たまりの上一人の眼鏡を掛けた男が体を起こす。

「あれ、自分は半裸で何をしていたんだ……へくしゅん」

 眼鏡の風紀委員はただ一人、夜遅くまで学校の表に出されていたのであった。


2 学園の地味な制服にスカートを! END

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