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星間戦争史 ~人類文明の多極化について~  作者: 三田来栖
第一部 シリウス事変

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17/23

第十五話 「タイタン沖会戦」

連邦標準時

2314年3月14日 21時35分


タイタンより約11光秒の宙域

シリウス艦隊 第一戦隊旗艦「アンドレア」CIC


ピエトロ・カヴール大佐



「司令!敵艦隊との相対距離、5光秒を切ります!まもなく射程圏内!」


 ピエトロは、砲雷長の報告を受けて、軍帽を被り直して深く息を吸い込んだ。


——これが報いなら、受けて立つ。


 まもなく始まる戦闘を前にして、ピエトロがテーブルモニターのデメテルと士官たちに指示を飛ばそうとしていた。


「デメテル!各艦の射撃補正を頼むぞ!」


「はい、お任せください。」


 デメテルが頷きながら平坦に返事をした。そして続けてマイクを取り、戦隊各艦にも命令を飛ばす。


「全艦、射程に入り次第、順次射撃開始!」


 ピエトロはそう言ったが、荷電粒子砲は艦種によって出力が違う。有効射程は違うが、各艦が同クラス艦に向けて撃つならば、全艦の射程はほぼ同じだった。


「了解!荷電粒子砲、発射まで3、2、1、発射!」


 前方のスクリーンに、戦隊各艦から青白い光の一閃が放たれる様が映る。それと同時に僅かな衝撃。


「着弾!敵巡航艦中破!駆逐艦4、哨戒艦5、撃沈!」


 想定よりも戦果が少ない。これは…。


「…司令、アンドレアの荷電粒子砲は、砲身寿命が近いです。保って…あと3回です…。」


 砲雷長の報告は重苦しい現実を告げた。ピエトロはそれも予感していた。


 アンドレアは、これまで最大射程での射撃を7回行った。そしてアルファケンタウリでは予備冷却を挟まずに。カタログにも最大射程での連続発射は寿命を縮めると書いてあった。


 それを振り返り、予定調和と言わんばかりに頷きながら、次の指示を飛ばした。


「ああ、規定通りの冷却時間で射撃を続ける。」


「…しかし、それでは敵からの反撃を受けます!」


 副長が懸念を示す。


「敵は横陣で接近しつつある。だが、我々が相手にする敵は、これだけではない可能性が高い。であるならば、少しでも砲身を保たねばならん。」


「…少々リスクは高いが、減速中止。このまま接近し、通常火器による攻撃も行う。」


 副長はまだ何か言いたそうにしていた。それを見かねてデメテルが現れ、発言した。


「改装されたシリウス艦隊が相手なら危険ですが、本艦の装甲ならば連邦標準艦の武装には耐えられます。僚艦はリスクを伴いますが…。」


「また、先のタイタン攻撃時には、駐留していたはずの連邦第四艦隊は確認できませんでした。帰路で彼らの迎撃を受ける可能性が高いと判断します。」


「よって、司令の判断が合理的と考えます。」


 デメテルの補足を聞き、副長も渋々納得し頷いた。


「そういう訳だ。ただ、脅威度の高い巡航艦を素早く撃沈する方針は変わらん。続けるぞ。」


「分かりました。ですが、本艦は少し前に出ましょう。敵の攻撃を引き受け、味方の被害を減らせるはずです!」


「ああ、最善の選択だな。航海長!」


 副長の案を採用し、航海長を呼んだ。


「はい、今から2秒間加速します!」


「相対距離3光秒!ミサイル、魚雷、発射!」


 砲雷長がそう言うと、各艦から誘導弾の群れが発射され、それぞれの目標へ向けて飛翔した。


「続いて荷電粒子砲、冷却完了。充填開始、発射まで30秒!」


 その時、敵戦隊に動きが見られた。アルファケンタウリの時とは違う。何か、こちらに対処する動きだ。


「敵戦隊、加速しつつ左右に展開、横陣を広げる模様!」


「なるほど、敵の指揮官は優秀だな。こちらへの対処としては大正解だ。」


 シリウス艦隊が装備する荷電粒子砲は、艦種固定式となっている。その為、照準するには船体ごと動かさなければならない。艦隊の間隔を広げられると、こちらは敵に見せる面が広くなり、陣形も乱れる。そして、こちらが射撃に手間取っている間に接近し、レールガンや機関砲で反撃するつもりなのだろう。


 実に、正しい判断だ。敵は、ただ復讐に燃えているだけではない。


「うむ、進路そのまま。全艦、側面雷撃準備!」


 シリウス艦隊が装備する対艦魚雷は全長10メートル。当然、炸薬だけでなく、燃料となる推進剤も入っている。燃料の多い状態で着弾すれば、加害ダメージは増えるだろう。


「了解!」


「荷電粒子砲、充填完了!発射!」


 再び、戦隊各艦から光の一閃が放たれた。だが、先ほどよりも少しだけ光が弱まったように見える。


「着弾!敵巡航艦大破!駆逐艦1大破!」


「命中率が一気に落ちたな。」


 命中率が低い。ほとんどが外れか側面を掠るかだった。原因は敵の動きだけではない。砲身寿命が近づき、磁場が乱れ始めているのだろう。



◆1分前

2314年3月14日 21時34分


タイタン防衛艦隊 第二戦隊旗艦 

装甲巡航艦「ベルファスト」


オズワルド・フォーク中佐



「相対距離5光秒!射程まであと3分!


「…!敵艦隊に高エネルギー反——」


 彼の報告は最後まで続かなかった。強い衝撃がこのベルファストを襲ったからだ。


「損傷報告!当該箇所のダメコン急げ!」


「右弦前方、複数のデッキから信号途絶!」


 すかさず上部カメラに切り替える。スクリーンに溶断された区画の切断面が赤く光り、宙を漂う姿が写っていた。艦首の一部を切り取られた。


「…この距離で、この威力…。装甲が意味を為していない…。これが未知の敵…か。」


 フォークは誰に言うでもなく呟いた。そして、すぐに決断した。


「戦隊!加速しつつ横陣を広げろ!当たらなければどうということはない!各艦は回避に努めろ!」


 フォークは立ち上がり、手を横に広げるようなジェスチャーをしていた。


「敵艦隊に再び高エネルギー反応!反応増大中!」


 船務長から報告が上がる。


「例の兵器か!下部装甲はまだ無傷だな?航海長!艦首を引き上げろ!」


 船務長が頷くのを見て、間髪入れずに航海長へ指示を出す。


「了解!」


 船体下部のスラスターが火を噴き、艦首が持ち上がる。スクリーンに映る敵艦隊が下へと移動するのが見えた。そして…。


 衝撃。先ほどの高エネルギー兵器が着弾したのだろう。その場の全員が衝撃に体を揺さぶられた。


「…うっ…損傷報告!」


「下部装甲溶断!下部主砲塔、全滅!」


「当該箇所のダメコン急げ!」


「隔壁、正常に作動!まだ戦えます!」


「よし!艦首を下げろ!加速する!」


「了解!」


 上部スラスターが火を噴き、スクリーンの敵が画面中央へと戻った。


「敵艦複数から小型物体が射出されました!接近中!」


 観測手の報告は堂々としていたが、その内容は予想外のものだった。


「なんだ!拡大表示しろ!」


 スクリーンにはこちらに向かって飛翔する小型物体が何本も表示された。そしてそれよりも更に大きな物も見えた。


「…海賊が使うようなドローンとは違うな…。大昔のミサイルとかいうやつか…。」


 フォークはそう言うと一瞬考え込んだ。そしてすぐに口を開いた。


「全艦、二時方向に転舵!回避を継続しつつ加速!複縦陣へ移行!対空レーザー!迎撃用意!」


 フォークの指示した対応は、大きなリスクも伴う物だった。だが、そのリスクに見合う価値はあるだろう。


 連邦標準艦には、10GW級対空レーザーが搭載されているが、どの艦も側面配置の方が多かった。だからこそ、効率よくミサイル群を迎撃するには、側面を晒す必要があったのだ。


 タイタン防衛艦隊はフォークの指示が届くと、一斉に転舵し、ミサイル迎撃の構えを取った。



◆3分後

2314年3月14日 21時37分


シリウス艦隊 第一戦隊旗艦

装甲巡航艦「アンドレア」 CIC


ピエトロ・カヴール大佐



 スクリーンには、敵艦隊が整然と転舵する様子が映されている。


「敵艦隊、転舵!これは…複縦陣に移行する模様!」


 船務長が報告する。


「…予想以上に練度が高いな。初見のミサイル相手に素早く迎撃体制を…それに艦隊運動も乱れがない…。」


「針路そのまま、近接戦闘に備えろ!」


 ピエトロは、敵に関心しつつも、次の指示を出す。


「敵艦隊、相対距離2光秒を切りました!」


「ミサイル着弾!約半数が迎撃されました!」


「…VLS全弾発射!続いて艦首魚雷、発射!残弾は気にするな!」


 ピエトロは、船務長の報告を受けて残弾の節約方針を放棄することにした。迎撃体制を取られては命中率が下がり、僚艦の被害が拡大する可能性が高い。だが、それはエリス宙域に待機するトリエステと合流するまでは、近接戦闘を強いられることも意味してた。


「…賭けに出ましたね。司令。」


 副長は横からそう言ったが、彼の考えも理解していた。


「ああ、我々は数が少ない。僚艦の損失はなんとしても避けねばならん。」


「ええ、もちろんです。」


 ピエトロと副長は、この先の近接戦闘に不安を抱いていたが、両者とも決して表に出さないようにしていた。


 そして、スクリーンで位置関係を見ると、敵艦隊との角度が開いており、荷電粒子砲は既に照準不可能となっていた。


「魚雷第一波着弾!敵艦隊、損耗率50パーセントを超えました!」


 彼の言う通り、スクリーンに映る敵の半数がデブリになるか、痛々しい姿で必死に対空レーザーを撃ち続けていた。だが、中心にいる装甲巡航艦は違った。一瞬爆炎に包まれていたが、すぐにそれを突き破り、先ほどと変わらぬ姿で針路を維持していた。


「…!敵巡航艦、魚雷命中せず!至近距離で迎撃した模様!」


——ありえない。連邦標準艦の対空レーザーではあの魚雷は迎撃不可能なはずだ。あれの耐熱装甲を焼き切れるはずがない…。


「…いや、レールガンによる迎撃か。初見の兵器を相手によく耐えているな。」



 ——敵との相対距離が縮まり、シリウス第一戦隊のアウトレンジ戦法のターンは終わろうとしていた…。


連邦標準時

2314年3月14日 21時38分


タイタン防衛艦隊 第二戦隊旗艦

装甲巡航艦「ベルファスト」 CIC


オズワルド・フォーク中佐



 爆炎に包まれて、ベルファスト左舷の銀色だった外板は、煤で黒く染まっていた。だが、痛々しい外観とは裏腹に、新たな損傷はなかった。しかし、大破状態であることに変わりなく、無傷とは言えなかった。


 そして、CICのスクリーンに映る外の映像は黒とオレンジの爆炎を抜け、先ほどと同じ木星圏の景色に戻った。


「敵大型誘導弾、迎撃成功!」


 咄嗟に出た苦肉の策だったが、なんとか迎撃できたようだ。砲雷士官たちもよくやってくれた。レールガンによる誘導弾迎撃など21世紀のやり方だ。200年以上も前のやり方で成功するとは思わなかった。


「よし!残存艦は!」


「本艦の他に、駆逐艦1、哨戒艦4であります!」


「…了解。陣形を縮小する。迎撃密度を上げるぞ!」


 悔しいが、我々は一発も撃てずに半数以上が撃沈された。だが、もう耐えるだけの時間は終わるはずだ。


「まもなく相対距離1光秒!主砲射程に入ります!」


 観測手からの報告。ようやくだ。ようやく、反撃できる。戦闘が始まって3分。人生で最も長い3分だった。


 だが、スクリーンに映る敵巡航艦は、我々のヘラス級と似ているが、それよりもやや大きく見える。恐らく装甲も増厚しているのだろう。


「よし!敵巡航艦は捨ておけ!あの様子では貫通できん!駆逐艦と哨戒艦を狙え!」


 これはつまり、我々の生還を諦めるのと同義の命令だ。


「…!了解!」


 砲雷長が一瞬驚いたが、すぐに笑顔で頷き返事した。


——すまない。


 このままでは君たちを生還させることはできないだろう。合理的に考えるならば、これほど損害が出たら、降伏すべきなのだろう。だが、それではここまでに戦死した戦隊のクルーが無駄死になってしまう。しかし、今、生き残っている仲間まで死なせる必要はない。ならば——。


「測的よし、照準よし、主砲発射!」


「…通信士、敵に休戦の申し出を送れ。総員退艦準備。」


「外観からして、兵装は違うが…恐らく信号規格は同じだろう。」


 通信士が何を言っているのか分からないという顔を向けてきた。他の士官たちは、視線こそ固定されたままだが、皆の意識がこちらに向いたように思えた。


「…フォーク中佐、一体、何を考えているのですか…?」


 副長が横から困惑しながら尋ねてきた。通信士は、まだこちらを見ている。


「通信士!何をやってる!早く送れ!」


「…分かりました。」


 通信士はそう言うと、コンソールを操作した。その手は震えていた。


 意外なことに、2秒後には敵からの攻撃が止んだ。飛翔中だった誘導弾は、我々の戦隊へ到達する前に自爆した。


 どうやら、敵は話が通じないエイリアンという訳ではないようだ。


「…フォーク中佐?」


 副長が呼びかけるが、無視する。そして通信士官が再びこちらに視線を向けてきた。


「…返信あり。『貴官の申し出を受諾する。可能であれば映像通信を希望する。』とのことです。」


「ああ、こちらもそれを望んでいる旨を伝えろ。それと、僚艦にも通信を共有しろ。」


「了解。回線接続。スクリーンに投影します。」


 通信士官の声に感情はなかった。そしてスクリーンにラテン系の顔立ちをした、初老の上級士官が現れた。


「こちらの申し出の受諾に感謝する。私はタイタン防衛艦隊所属。オズワルド・フォーク中佐だ。貴官のお名前を伺ってもよろしいか?」


 先ほどまで殺し合っていた敵。だが、軍人の礼節を欠くのはタイタン人の恥だ。最低限の礼節を以て挨拶をした。


『とんでもない。私はシリウス防衛艦隊所属。ピエトロ・カヴール大佐だ。休戦の意図をお聞かせ願いたい。』


「大佐でしたか。これは失礼しました。ええ。我が戦隊のクルーを退艦させる時間を頂きたい。」


 それを聞いて、その場のクルーが動揺した。首を横に振る者。唖然とする者。涙する者。反応は様々だった。


『なるほど。こちらもこれ以上の戦闘は望まない。だが…。そちらのクルーは同意しているのかな?見たところ、そのようには見えないが…。』


「いえ、命令は命令ですから。」


 スクリーンに映るピエトロ大佐は、一瞬だけ目を閉じてから口を開いた。


『…了解した。だが、こちらとしても作戦目的を果たす義務がある。総員退艦を確認した後に残存する駆逐艦を除いて、全て撃沈する。』


 スクリーンを背に、砲雷長がこちらを見ている。その表情は不満を露わにするものだった。


「…ええ。分かっております。では、15分…頂きたい。」


『了解。念の為、言っておくが……。退艦が完了したら信号を送って頂きたい。よろしいかな?』


 彼の配慮、か。この男は分かる漢なのだな。

まるで、この後、何が起こるか分かっているようだ。


「ええ。もちろんです。通信終了。改めて、応答に感謝する。」


『とんでもない。それでは。』


 映像通信が終わり、スクリーンが船外の景色に戻った。


「…大佐、私は…。」


 砲雷長が何かを言いかけた。だが、その先は聞かなくても分かる。


「言うな。それをお前が言ったらどうなるか分かるだろう?」


 士官がそれを言ったら、下士官たちがやり辛くなる。


「皆、聞いていたな?総員退艦だ。」


 静寂。誰も動かない。


 その場の士官は、全員が、コンソールに手を置いたままだった。


 静寂に包まれた艦内の通路からも、足音は聞こえない。


「……お前たち、軍法会議にかけられたいのか?」


 指揮所の士官たちは顔を見合わせて笑っていた。


「駆逐艦トリスタンから入電。総員退艦完了。とのことです。」


 通信士からの報告。早すぎる。だが、彼の報告は続いた。


「哨戒艦ウィザード、ソードフィッシュ、リンクス、ジェイナスからも入電。総員退艦完了。とのことです。」


 スクリーンに映る僚艦たちを見る。脱出ポッドや搭載艇の類はひとつも見えなかった。


 センサーのエラーだろうか。


——いや、違う。我が戦隊には、最初から脱出する気のある者などいなかったのだろう。


「ふっ…そうか。総員退艦完了、か。」


 思わず吹き出してしまった。


「……どうやら、タイタン人には瞬間移動の能力があるらしいな。」


 私は優秀でもなければ、人望もないと思っていたが…。どうやら最期に、それを否定してくれる仲間はいたようだな。



 タイタン防衛艦隊、第二戦隊から脱出する者は誰一人としていなかった。



「タイタン戦隊より入電。総員退艦完了。とのことです……。」


 やはり、か。


 スクリーンに映るタイタン戦隊の周囲に、脱出ポッドや搭載艇の類は見えない。それどころか、格納庫のハッチは全艦閉鎖されたままだった。


「タイタン戦隊より追伸。『損傷により、火器管制システムが制御不能。用心されたし。』とのことです。」


 どこまでも優秀で、どこまでも、誠実な漢だな…。


 本当に、敵にしておくには惜しい漢だ。


「…放棄された敵艦は制御を失ったらしい。戦隊各員、警戒を怠るな。」


「…了解。僚艦にも送ります。」


 通信士の感情は読めなかった。いや、読みたくなかった。


「目標艦に照準合わせ。攻撃開始。」


「……了解。測的よし、照準よし、射撃開始。」


 その場の士官たちは、淡々とそれぞれのコンソールを操作していた。


「目標艦、発砲!」


 船務長の報告は、まるで目の前の敵艦に誰もいない無人艦という体を為していた。


 そして、ピエトロが戦術マップを見ると、味方の被弾を示すマーカーが出始めていた。だが、装甲も強化されたシリウス艦隊の被害は、敵に比べると軽微な物だった。それでも次の報告は違った。


「駆逐艦チュルカ、リゲル、大破!…主砲全損!両艦が後退の許可を求めてきています!」


 通信士官からの報告。


「…許可する。」


「哨戒艦アントン轟沈!機関砲弾薬庫が誘爆した模様…。」


 遂に僚艦の損失が出てしまったか。


「すぐに片をつけるぞ!戦隊!八時方向に転舵しつつ加速!同航戦に移行する!」


 ピエトロが新たな指示を出すと、デメテルがテーブルモニターに現れた。


「司令、先ほどミサイルが着弾した敵駆逐艦一隻ならハッキングできます。二分ほど頂ければ、当該艦の制御を奪えます。よろしいでしょうか?」


「いや、いい。その必要はない。」


「了解しました。」



 程なくして、タイタン防衛艦隊は全滅した。


 こうして第一戦隊は、予想以上に練度の高いタイタン戦隊を相手に、なんとか勝利することが出来た。しかし、彼らも決して無傷とは言えなかった。


 この戦闘でシリウス第一戦隊は、自爆した駆逐艦アルマダを入れると、駆逐艦2隻、哨戒艦3隻を失った。

最後までお読みいただきありがとうございます。作者の三田来栖(さんたくるす)です。

そろそろ、登場人物や艦船データなどをまとめて紹介しようか悩んでいます…

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