色のない勇者
聖職者は前へ進み出て、石板の周りに円を描いた。
「どうぞ前へ出て、石板に手を置いてください」と彼は言った。「あなたのアイテル力を測定いたします」
エレナは前に出たが、円の中には入らなかった。腰に手を当て、話し始めた。
「すみません、私の質問にまだ答えていただいてませんが。私たちをここに——神のみぞ知る場所に連れてきただけでなく、あれをしろこれをしろと言うばかり。説明が必要だと思います」
新しい勇者たちも同意した。誰もが背後でざわめき始めた。
(こいつ、俺の台詞を取りやがった)ケイデンは思った。
もっとも、そんな台詞を言うつもりがあったとしての話だが。
王妃は扇の陰で微笑んだ。
「気に入ったわ、あの子」
「ああ、そうだな」バルドリック王が言った。「わしの補佐官が説明することになっておったが。どうやらしておらんかったようだ。ええと——聖職者よ」
ケイデンとエレナは同時に同じことを思った。(謝りもしない、しかも自分のミスを他人のせいにしてやがる)
「ええと、聖職者よ」
「はっ、はい、陛下」聖職者は虚空から一冊の本を呼び出し、読み上げ始めた。「客人の皆様がすでにご存知の通り、我々は皆様を、我々の知らぬ異なる世界より召喚いたしました。一世代に一度、勇者を召喚し、この王国のために戦い、守っていただく——それが王家の伝統でございます。皆様がその勇者です」
「質問がある」ハルが聖職者の前に立って言った。「俺たちは元の世界に戻れるのか?」
「はい——いえ、それはできません。ですが、我々は皆様を援助いたします。勇者様方の資金と生活費は、すべて王家が負担いたします。勇者の地位は王に次ぐものであり——」
誰もがひそひそと話し始めたが、しばらくしても明確な答えは出なかった。
「ええと、とにかく」バルドリック王が言った。「もろもろ話も済んだことだし、では測定に移るとしよう」
(太ってるくせに、せっかちなやつだ)ケイデンは思った。
エレナが前に出た。まだ躊躇いながらも、円の中に入り、石板に両手を置いた。
彼女の手が石に触れた。一瞬、何も起こらなかった。
そして、石板が青く輝いた。
「青。水属性。五コア」聖職者が淡々と告げ、光が消える前にすでに記録していた。
エレナは一歩下がり、再び腕を組んだ。特に気にする様子もなかった。
「説明が欲しいと言っていたな、娘よ」バルドリック王が言った。「ちょうどいい、今聞くといい」
聖職者は咳払いをし、一同の方を向いた。
「色は皆様の属性——どの魔法を扱えるかを示します。火、水、風、光、その他諸々。コアは、その魔法を動かすためにどれだけの力を蓄えているかを示します。平均的な人間は、生まれながらに二つのコアを持っています。ただし色はありません。あくまで、力を蓄える器としての能力のみです。
例えば、赤の色と二つのコアの組み合わせを考えてみましょう。それだけあれば、簡単な火魔法——手のひらに、部屋を照らせるほどの明るい炎を灯すことができます。望めば、夜明けから日暮れまで持続させることも可能です。ですが、それ以上のことはできません。
アイテルとは、その力の源です。それはあらゆるものに——空気に、石に、そして皆様自身の中にも存在します。自然に、ひとりでに発生するものです。コアとは単に、身体がどれだけそれを蓄え、形作れるかを示すもの。色は、それがどんな形を取るかを決定づけます」
つまるところ、現実の一つの現象に過ぎない。
「そして、もし色を持たなければ——」聖職者は言葉を切った。「——魔法を使うことはできません。コアをいくつ持っていようと、関係なくです」
「ちょっと待って——それって、私が本物の火の玉を投げられるってこと?」スズが尋ねた。「本当に、実物の?」
「……お持ちの色がそれを許すのであれば。可能です」
「説明はもう十分だ」バルドリック王が言った。「進めよ」
一人また一人と、残りの者たちが前に出た。
レンの番。
「ええと——レン様は赤。五コアです」
「ふむ、良いものを持っているな」バルドリック王が言った。
「緑。五コアです」
ハルはただ頷いただけだった。
「白。五コアです」
カイトは、まるで最初からわかっていたかのように微笑んだ。
そしてスズが跳ねるように前へ出て、石板に手のひらを押し当てた。
石板はただ輝いただけではなかった。金色に激しく輝き、その眩しさに何人かの騎士が目を覆うほどだった。
「……金。六コアです」
今度こそ、本物の沈黙が場を包んだ。
「金だと?」バルドリック王は、自分でも気づかぬうちに立ち上がっていた。
スズは自分の手を、まるで他人のもののように見つめ、瞬きをした。
「それって……いいことなの?」
誰も答えなかった。ミオはすでに、小さく躊躇いながらも前に出ており、誰にも止められる前に手のひらを押し当てていた。
再び、金。再び、六コア。
聖職者は二度、読み上げ直した。
「両方です。お二人とも」
王妃の手の中で、扇の動きが止まった。ミオはただ姉を見つめ、なぜ皆が静まり返っているのか、わからずにいた。
「……スズ、なんでみんな見てるの?」
「さあ、わかんない」
ケイデンはそのすべてを見ていたが、何も言わなかった。
そして、彼の番になった。
彼は円の中に入り、他の全員と同じように、冷たい石に手のひらを押し当てた。
何も起こらなかった。
聖職者は眉をひそめた。石板を確認した。自らも押してみた。
それでも、何も起こらない。
「これは——これはおかしい」
「どうした?」バルドリック王が尋ねた。
「色がありません」
一拍の間。
「コアもありません」
「……一つも、ないと?」
「陛下、木一本にすら一つのコアはございます。ゼロというのは、あり得るはずのないことです」聖職者は我に返り、まるで見つめ続ければ石板が訂正してくれるとでもいうように、ケイデンをじっと見つめた。
ケイデンは動かなかった。
「あの……これは、まずいのでしょうか?」




