守護者の恩寵
レイアは、自分の考えに沈み込んでいた。(誰なの、この人たち——お父様は今日、一体どこの変人を連れてきたの?)
(お父様が心配するの、大嫌い)彼女は思った。(私だって、お父様のこと心配してるのに——わかってないんだから。私のこと、いつも太陽と虹でできてるみたいに思ってる。城の門の外にどんな恐ろしいものが待ってるか、私が誰より知ってるのに。でも……お父様にも、他の誰にも、迷惑はかけたくない……)
「見ろ、あの子ったら夢見心地だ。可愛いなあ」デルタ4は作業に戻った。
彼女の手さばきはあまりに正確で、デルタ4が小瓶に少量の血を採取している間、レイアは何も気づかなかった。
アルカードは目を閉じた。それでもヴァンパイアであり——それ以前に、一人の父親だった。
しばらくして——
「お嬢ちゃん、目を開けていいよ」
「え?」
デルタ4は立ち上がり、デルタの方へと歩み寄った。
「そうね、いくつか診断をしないと——検査が必要。それと、日々の生活や活動についての情報も要るわ」
「わかった」デルタが言った。「時間をかけて構わない、それと娘についての許可は父親から取れ」
「許可する」アルカードが言った。「乳母に情報を提供させよう」
デルタ4は立ち去ろうとしたが、まずレイアのそばで足を止めた。膝をつき、ロリポップを取り出す。
「ロリポップ?」レイアが尋ねた。「でも、飴ならたくさん持ってるよ」
「信じて——これは特別なやつなの。いい子にしてたら、いつでも私たちの館に遊びに来ていい許可をあげる」
レイアが一口かじると、甘いミルクとキャラメル、それにまったく別の何か——独特の何か——が口いっぱいに広がり、喜びと幸福感で満たされた。
デルタ4は、現れた時と同じように——虚空へと消えて去っていった。
レイアは目を閉じ、両手で頬を押さえながら、その味をもう少しだけ味わっていた。
「あの子がここまで大人しくしてるのは珍しい」アルカードが言った。「デルタ4には、何か人を惹きつけるものがあるようだな」
「たしかに」デルタが言った。「さて、他のデルタたちが今何をしているのか、気になってきたな」
「一つ聞きたいことがある」アルカードが言った。「デルタたちは、お前の生体クローンなのか? 前回お前を雇った時、お前たち全員がまるで完璧に同期しているかのように動いていた——似たような知識、似たような仕事の進め方で」
「いや。共通点は多いが、六人のデルタは対等な弟子のようなものだ——生徒とでも呼べばいい。大抵はチームで動くが、最近は単独で動くことが多い。今日連れてきたのはデルタ4だけだ」
「なるほど。お前にとっては、兄弟のようなものというわけか」
「……そうかもしれんな」
◇
遠く離れた地、アストラヴェル帝国では、雨がさらに激しさを増していた——
自動販売機の前に、デルタ2とデルタ3が立ち、仮面の嘴の隙間から慎重にストローを通し、ジュースを飲んでいた。通行人たちは、まるで疫病医を見たことがないかのように、二人をじろじろと見つめていた。
「くそ、なあ、味がまったくわからん」デルタ3が言った。「デルタ4の作るものなら、絶対美味いんだろうな」
「黙れ。これを頼んだのはお前だろう。文句を言うな」
「それより」デルタ2が言った。「デルタ5が欲しがってた遺物、手に入れたんでしょうね?」
デルタ3は嘴を閉じ、プラスチックのカップをリサイクルボックスに放り投げた。デルタ2も同じようにした。
「いや」
「なんで今すぐお前を消化しないでいてやってると思ってるの」デルタ2が鋭く言った。
「おいおい、落ち着けって。デルタ5が欲しがってる遺物は【守護者の恩寵】ってやつだ。地下深くの遺跡にあってな、俺が掴んだ情報だと、ゴーレムと罠地雷に守られてる」
「それで?」
「つまり、しっかりした計画が要るってことだ」
「なら、さっさとやりなさい。あんたに任せる——困ったら呼んで」
デルタ2は、その場に立ったまま姿を消した。
「さて」デルタ3が言った。「夕飯までには終わらせたいもんだな」
彼もまた姿を消した。誰も何も気づかなかった。雨は止んだ。帝国の中心部近くで、夜が明けていった。
「ああ——博物館か」
彼は誰にも見えない、最も暗い一角の高所に立っていた。
「さて。遺物は、この博物館の地下深くにある。問題は——どうやって手に入れるか、だ」
その瞬間、博物館全体に大きな轟音が響き渡った。続いて、パチパチという音。館内の全員が走り出し、警備員たちが彼らを外へと誘導していく。デルタ3は出口の方へと歩き出した。
「待て——お前」
エレナが彼の背後に立ち、槍の切っ先を彼の首元に突きつけていた。
「おお、なあ」デルタ3が言った。「これは予想外だ。勇者様のお出ましとはな」
「なぜ【守護者の恩寵】を盗もうとした?」
「単刀直入だな。だが、質問に答えると——ああ、盗むつもりだった。見ての通り、盗めなかったがな」
「それをどうするつもりだった?」
デルタ3は彼女の方を向いた——槍の切っ先は、今や彼の頭に向けられていた。
「もちろん、売るためにさ。地下に埋もれた小さな人形なんて、誰が必要とするんだ? と思ってな。だったら、いただいちまえばいいと。俺には手癖はあるが、危害は加えない主義なんでな。誓ってもいい」
エレナは槍を下げた。
「……待って、信じるの?」
「俺の固有スキルで嘘は見抜ける。それに、お前のアイテルを見る限り、ただの人間のようだしな」
揺れていた地面が静まった。
「行かなきゃ」エレナが言った。
「待てよ——俺も一緒に行っていいか?」
エレナはため息をついた。
「いいわ。でも、危なくなったら逃げて」
エレナは槍を掲げ、地面に向けた。
「はああああっ——!」
彼女は地面を割り、二人は下の遺跡へと落ちていった。一方、デルタ3は階段を使った。
エレナは、爆発現場でハルを見つけた。
「ハル——何か見つけた?」
ハルは振り返らなかった。ただ、前方の門を指差しただけだった。
地下遺跡は広く、暗く続いていた——崩れた柱と、崩落したアーチの迷宮。はるか上方、地表のある方角から、天井の亀裂を通してかすかな光が差し込んでいる。上には人々がいる。自分たちの足元で何が這っているかも知らずに。
ハルが、歩みを止めた。手がさっと上がる。
「何か来る。感じる。かなり強い。かなり暗い」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、部屋の奥の門が弾け飛んだ。闇の中から、巨大な影が飛び出してきた——生きた影でできた巨大なムカデ、石の上を囁くように走る無数の脚。動きが速すぎる。異常なほどに速い。
ハルの結界が輝き起動した——土と光による三層の防壁——だが、その化け物は紙のようにそれを打ち破った。
「エレナ! 頭を狙ってくれ! 俺が抑える!」彼は歯を食いしばり、両手を地面に押し付けた。「こいつ、俺の結界を三枚も破った。強い」
エレナは躊躇しなかった。前方へと身を投げ出し、槍を回転させる。すでに柄には水が絡みついていた。彼女はムカデの背に着地し、その甲殻の隙間に切っ先を突き立てた。
だが、速度は落ちない。
「やりすぎちゃだめ!」エレナが叫んだ。「これは捕らえるか、殺すかしないと——上には人がいるのよ!」
彼女は上を見やった。かすかな光。遠くの声。この遺跡の真上に、大勢の人々が座っている。全力を解き放てば、崩落が無辜の人々を生き埋めにする。
ハルは足を踏ん張った。大地が応えた——蔦が床から噴き出し、ムカデの脚に絡みついていく。石が鋭い棘となって隆起し、それを押さえつけようとした。化け物は暴れ、いともたやすく振りほどいたが、ハルは続けた、引き続けた、時間を稼ぎ続けた。
「俺にできるのは、速度を落とすことだけだ」
エレナが動いた。彼女の槍が残像を描いた——水がリボンのように後を引き、空気すら切り裂くほどの鋭さで。彼女は、甲殻の節と節の継ぎ目を狙った。ムカデは身をよじり、避けた——あの体格からは考えられない速さで。
「なあ、こいつら速いな」デルタ3が言った。彼は部屋の端に立ち、腕を組んでいた。戦ってはいない。見ていた。学んでいた。
「言われなくてもわかってる」
彼女は回転し、槍を低く弧を描かせ、その脚を薙ぎ払おうとした。ムカデはそれを飛び越えた——影が曲がり、歪み、ほとんど液体のように。
「このムカデどもは、影が形作られるのと同じ速さで動ける」ハルが言った。
「……つまり、ほぼ光速ってこと?」
「近い。だが、エレナの方が速い」
エレナには、その言葉が聞こえていた。それだけで十分だった。
彼女は、相手を出し抜こうとするのをやめた。足を踏ん張り、水を両腕に、そして槍へと集中させる。刃が青く輝いた——凝縮され、圧縮され、影そのものすら切り裂けるほどの鋭さで。
ムカデが飛びかかった。
エレナが動いた。
一突き。その体の中心をまっすぐに貫いた。
化け物は真っ二つに裂けた。
影は煙のように霧散した——そして、再び形を成した。二つの半身。二匹のムカデ。より小さく、より速く、より凶暴に。
そのうちの一匹が、空中でねじれるように動き、すでにエレナの背後に回り込み、すでに攻撃を放とうとしていた。
「エレナ——!」
彼女は振り返った。遅すぎた。
二匹目のムカデは、すでにそこにいた。
「危ない!」
デルタ3が身を投げ出し、エレナを突き飛ばした。ハルが空中に円を描き、精霊を召喚した——純粋な光とアイテルでできた存在。その輝きはあまりに強すぎた。ムカデは体を伸ばし、逃げるように遺跡の中へと散り散りに消えていった。
「おい、勇者様——大丈夫か?」デルタ3が尋ねた。
「あなたが退いてくれれば大丈夫」
デルタ3は、自分が彼女の上に乗っていることに気づいた。
「おっと——悪い、気づかなかった」
ハルが歩み寄ってくる中、二人は起き上がった。
「あの化け物、逃げた」ハルが言った。
「くそ。そもそも、なんでこんな所にいたんだ」
「【守護者の恩寵】。遺物は盗まれた」
「追跡できないのか——デルタにやったみたいに?」
「んん——デルタ3って呼んでくれ」
「あれは影と同化する」ハルが言った。「発生源を追跡できなかった」
しばらくして、三人は地上へと戻った。エレナはデルタ3を送り出しながら、彼が所属する傭兵団の住所を尋ねた。デルタ3は素直に答えた。
夕方には、デルタ3はナイトヘイヴンの人気のない通りに立ち、暗くなって灯り始めた街灯を見つめていた。
「さて、と——あっさりしたもんだったな」
彼は、恐竜の形をした人形を取り出した。【守護者の恩寵】だった。
一つに戻った二匹のムカデが、背後からデルタ3に飛びかかった——だが、攻撃はしなかった。代わりに、彼の影の中へと潜り込んでいった。
「デルタは今頃何してるかね。えへへ」




