File003 動き出すガント
バルガス・ガント(44)
巨大建設会社の現場責任者で、兵役の経験もある大男だ。
彼も今回のWorld's End Line
探索チーム、「エクスプローラーズ」の一員である。
元々は、軍との合同プロジェクト、World's End Line鉄路計画の事業の為にキャンプにいた。
しかし、向こう側には恐竜が生き残って居ることがわかった為、鉄路計画は中止。
その後アイアンクラウンの乗組員として参加していたのだが戻ってきてから仕事が無く退屈していた。
「うーーーん。スキニーの所に行って飛行機の事見てても何もわからんしな。組み立ての作業も次が始まらないとな」
作業員達と昼間から酒を飲んで過ごしていた。
ブロロロロ……
ガタン ガタガタ
キィーーーーー
数台の車が到着した。
カサヴェテス達が戻ってきたのだ。
「ガントーー!ガントは居るかー?」
食堂にカサヴェテスが入ってきた。
「あぁ、大佐戻ってたきたのか?どうしたんだ。俺ならここだ。」
呆れた様な顔をして、カサヴェテスが言った。
「仕事だ。CITYに行って滑走路を作ってくれ。」
ガントは、キョトンとして少し考えてから答えた。
「滑走路だぁ?空軍でも作るってのか?」
カサヴェテス「そうじゃない。アイアンクラウンを中央委員会の連中に見せてやるんだ。ウィンスロー最高司令官に会ってきた」
ガントは立ち上がり、驚いて言った。
「なっ……あの爺に!?あの人おっかないんだよな。元気そうだったか?」
カサヴェテス「あぁ、相変わらずだ。もうお前の所の社長にも話をつけて広大な土地も押さえてくれてるはずだろう」
ガントは嬉しそうに、答えた。
「司令官、相変わらず行動が早いって事だな。わかったよ。後で社長に電話して、明日にでもここの土木の連中と行ってくるわ」
この工事が完成すれば、キャンプとCITYが劇的に近くなる。後に、その滑走路は色々な建造物が建てられて国営の空港になるのは、もう少し先の話。
カサヴェテス「ところでガント。今何時だ?」
ガントは、ズボンのポケットに手を突っ込んだ後に、自分の両胸、両脇を叩いた。
……あ。
ガントの時計は、リヨの家の美しい石と一緒に仕舞われて時を刻んでいた。
あの時に時計をプレゼントする必要があったのかは不明である。
ガントは、あれで交渉が上手くいったと、自分に言い聞かせた。




