File002 キャンプを出るカサヴェテス
リアム達が、向こう側から戻って来た2日後…
カサヴェテス、バトラー両名は中央委員会へ報告へ向かう車の中だった。
ガタガタと荒野を進む景色を見ながらカサヴェテスは考えていた。
軍人になってから、30数年。
現場の実績のみで大佐にまで登り詰めたが、虚偽の報告書を提出するのは初めてだった。
ドラゴノイドの居住エリアにあると考えられる、資源を上層部に報告すれば、必ず侵略計画が始まる。
たくさんの恐竜や、ドラゴノイドを砲撃する事になる事を彼は知っていた。
更には、それを巡って人間同士の争いになり世界中を巻き込んだ大規模戦争が起きることも。
「難しい顔をしてるな?アーサー。我が軍の遠征組のトップは俺だ。俺達の報告なら大丈夫だ。報告するだけさ」
バトラーは、遠くを見つめるカサヴェテスに声を掛けた。
「あぁ、そうだな。」
暫くすると2人を乗せた車は、護衛の車数台と共に久しぶりのCITYにある中央委員会に到着した。
護衛の兵士「カサヴェテス大佐!ご苦労様です!お待ちしておりました。バトラー大佐!この度は、ありがとうございます!」
カサヴェテスは上着の形を軽く整えながら答えた。
「あぁ、ごくろうさん。爺達は会議室にいるのか?」
「はっ!皆様お揃いです」
コンコン
カサヴェテスがノックをした。
「入れ。」
ガチャッ
カサヴェテスは会議室に入ると敬礼をした。
「アーサー・カサヴェテスただいま戻りました。本日は報告にあがりました。」
最高司令官
エドガー・ウィンスロー
「おぉ、アーサー。久しぶりだな。相変わらず気難しい顔をしているな。報告書は受け取ったぞ。素晴らしい成果じゃないか。今日は何しに来た?」
呼び出されたとばかり思っていたが、彼らは自らの意思で対面報告を望んだのである。
カサヴェテスは、ニッと笑いエドガーの目を真っ直ぐ見つめた。
「それがですね…報告と言うのは、真っ赤な嘘でして。司令官にお願いがあって参りました」
何も聞いてなかったバトラーは、目を丸くして驚いた。
「な……アーサー何を!」
エドガーは、全く動じる様子も見せずに答えた。
「ふん、わかってるわ。お前が報告の為にわざわざ帰って来るか!」
カサヴェテス「どうも。それなら話は早いです。1つ目のお願いですがご承知の通り鉄路計画は恐竜により頓挫しましたが、World's End Line探索は引き続き、軍の予算で進めさせて頂きたいんです」
エドガーは、呆れた様な顔をしながら聞いた。
「それで?2つ目は?そこ繋がるんだろう?」
「近々、中央委員会側に滑走路が出来ましたら、アイアンクラウン号をご覧に入れます。 判断は、その時で構いません。機体の設計、操縦士まで担当したリアム・ドレイクと言う若者がいます。 彼を軍の航空研究室長として高待遇で雇用して頂きたい」
エドガー「アーサー、お前そこまで言わす男だ。間違いあるまいが、その時に答えよう。 1つの頼みも、それとセットになるな」
カサヴェテスは再び敬礼をして、スッと頭を下げた。
「では、失礼いたします!」
ガチャ
バン!
言いたいことだけ言って、カサヴェテスはキャンプに戻って行った。




