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File010 軍史に残る誕生

2周目のロープ有りの傾斜登り。疲れた身体に濡れて摩擦力を失った靴。

そのツラさは1度目の比ではない。

それでも、9名はどうにかクリアした。

そして、その後の100mダッシュ。ペースは落ちているものの手を抜く者はおらず、ヴィンスは全員クリアとした。

「問題は、ここだぞ!このコンディションで持ち上げられるかどうかだ! よっ」

ダダダダダダッ

ドスンッ

ヴィンスは、自らが先頭に立ち見本を見せた。

すぐ後ろを着いてきていたレオン。

「行きます!……うっし」

ダダダダダダッ ドスン

驚く程に、あっさりクリア。

続いて、ルーシー。

「んぐ………ダメだ上がらない。1番後ろに並ぶ」

そんなルールは、無いのだがルーシーは後ろに並んで再挑戦すると言う。

そして、その後の隊員達もここで次々と脱落していった。

クリア者はレオンの他に3人だけとなった。

再びルーシーの挑戦。

腰を落とし、60kgを抱き抱えて……

「うりゃーー!!」

ダダダダダダ ドスン

なんとクリア。

周囲は驚きどよめいた。

そして川渡り。

これ自体は、難易度はさほどでもないので5名ともクリアした。

そして、最後の雲梯(うんてい)。ヴィンスとレオンは、難なくクリアしたが後続者がバタバタと失格していった。

最後の1人のルーシー。

これだけは、ルーシーの小さい身体がアドバンテージとなり、クリアした。

「っしゃーーー!」

息も絶え絶えながら、クリアの喜びを露わにした。

続いて3周目の60kgウエイト移動。

ヴィンス、レオンがクリアしてルーシーの順番。

もう人数も居ないために、自分の番が来るのが早い。

「がーーーーー!」

なんとか持ち上げたルーシーだが……

ドスンッ

1歩も歩く事が出来ずに、その場に置いてしまった。

「ルーシー。失格だ。よく頑張ったな。」

ヴィンスは、失格宣告をしつつも健闘を称えた。

「う、うるせぇ……」

その場にうずくまるルーシー。

そこからは、ヴィンスとレオンがコースをこなしていくのを見るだけの時間になった。

「はぁはぁ、この人バケモンだな。でも絶対に負けないぞはぁはぁ……」

必死で食い下がるレオン。隊員達は、ただただ見守る事しか出来ない。

それから2時間近くが経った。

10周目も終盤に差し掛かり、2人の足取りは明らかに重くなっていた。それでも、どちらも止まろうとはしない。

「もう少しだ!!」

「頑張れ!!」

最初のうちは、あまりの疲労と脱落者の立場で応援しづらかった隊員達の声があがった。

「よっしゃー!!はぁはぁ10周クリア!!はぁはぁ……」

汗を拭いながら、ヴィンスがレオンに声を掛け、背中にポンと手を置いた。

「合格だ。よくやったな。軍に戻ったらお前を俺の特殊部隊に入れる正式な手続きを取る。 レオン・フォックス。これからよろしくな」

「は、はい!よろしくお願いします!!」


隊員達からは拍手が鳴り響き、軍にその名を轟かす最強コンビが誕生した瞬間となった。


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