6話 ドゥンメ・アンペル 襲来!
セシル「今度こそ、まともな回になりそうだわ♪」
カーウィン「それが(フラグと言うヤツでは?)いえ、何でも無いです」
少し離れて
エマ「ゲビック叔父様?ロイの腕は?」
ゲビック「安心せい。(ギミックがあるのに)既製品よりシッカリしとるわい」
ロイ「今、不穏な間があったような...」
マルヴェラ「本編では知ってるのに前後書きでは知らないのやね」
クレア「始まりますよ―――!」
セシル「ん?今回(クレアの声が)遠いわね?」
「お前、知っていたのか?」「何をだ?」「惚けるなよ!」
私たちが離れてしばらくすると、あの二人は突然口論を始めた。
面白いので私が振り返ると、モーリスが先に気付きソレを見たサージェが慌ててモーリスに倣う。
「うふふっ♪」
私が手を振ってあげるとモーリスは頭を下げ、サージェは顔を赤くしながら何故か臣下の礼を取った。
「お主もからかうのが好きじゃのぅ」
「安いモンでしょ?愛嬌で忠誠が買えるなら」
リアの言葉の後、私は計算高い人間ほど裏表の無い感情が一番刺さると頭で考える。すると
「屈託のない微笑みのぅ...思い切り計算高い顔ではないかぇ」
「まだソレが見抜ける歳じゃないわよ」「悪い女じゃの」
リアは私の過去に触れながら、同じように笑った。
「まぁ良い。アヤツのようなタイプは、利があれば裏切るやもしれんでな?」
「ちょっと違うわね。利が無くなった時に、機が訪れたら...よ」「なるほどのぅ」
サージェは決して悪い人間ではない。寧ろ善良な部類だ。だが、軍略に長ける者特有の危うさはある。だから
「釘を刺したのかぇ?」
「ちょっと違うわね。秤に乗せる順番を変えさせた...が正解かしら?」
厳密に言えば無かったかも知れないものを一番上に来るように仕向けた...が、正解だろう。
私がそんな事を考えていると
「やはり先程の顔は、計算高い顔であっておるではないかぇ」
「彼らには庇護欲を唆る顔よ」「良く言うわい」
リアが悪態を吐いてきたが、私はソレを受け流す。さっきも言ったが、サージェは悪い人間では無い。
そんな彼に...何かを天秤にかける時、真っ先に私の人柄が脳裏に浮かぶように仕組んだのだ。勿論コレはまだまだ完璧ではない。これからも刷り込んでいかなければ、効果は薄まるだろう。
「モーリスには施してやらんのか?」「たまには、ね」
モーリスはカーウィン同様忠義に生きるタイプだ。アレには笑顔よりも、何かした時に賛辞やソレに見合う褒賞を与えるほうが効果が高い。
「腐っても貴族、その辺りは抜け目がないのう」
「そうかしら?そうでない貴族の方が、多そうだけど?」
リアが私の思考を読んで、呆れてるのか褒めてるのか良く分からない事を言ってきた。
そんなリアに私は皮肉を込めて、同級生達を思い浮かべる。
「アヤツらは、本気で腐っておるからの」「そうね」
私が今日見た信号機頭とその飼い主...
(次は、アイツらが何かしてきそうね)
そんな私の予想は...思いもよらない出来事で、外れてしまうのだった。
…・・・ガラガラガラ・・・…
「左腕は、どんな感じなの?」「すこぶる調子が良いです!」「そう♪ソレは良かった」
私の所為で左腕が義手になったロイ。そんな事を考えながら、私は彼の義手に触れた。
「こうやって、触れられた感触は...あるのですか?」
「ソレは...肌に触れる感触は、流石にありませんが...何かに触れられている感覚はある...って意味が分かりませんよね?」
私の質問に、何とか答えようとしてくれるロイ。感触と感覚...その言い回しでなんとなくですが、私は理解出来ました。
「振動?のようなもので、分かる感じでしょうか?」「そ、そうですね」
私が聞き返すと、ロイは視線を逸らし、頬も赤くして返事をしてくる。
照れているのでしょうか?義手なのに?私がそんな事を考えていると
『いい加減離してあげたら?』『別に構いませんけど...』『手じゃなくて...胸元を良く見て』
胸元?
サミーに言われ、私は自分の胸元に視線を落とす。すると...
「ごめんなさい!?」「こ、コチラこそ!申し訳ありません」
前かがみになった所為で、襟に隙間が出来てしまい...
「見ました?」「見、見て...イヤ、一瞬だけ...でも!暗くて見えなかったのと、直ぐに視線を逸らしましたので!決して、覗き込んだりなど...しておりません!?」「へぇ〜?...」
思わず跳ねるように後ろに仰け反り、私はロイを睨めつけた。
するとロイは相変わらず顔を背けたまま、でもコチラを窺っていたのか私の表情は理解した様子で
「本当に、申し訳ありませんでした」
「今回だけですよ」「はい」『悪いのはアナタじゃないの』
ロイは身体を直角にして頭を下げる。そんなロイが少しお可愛らしかったので、私は赦す事にしました。
『えぇ〜...ロイが可哀想』『何故ですか?眼福なのでしょう?』『そんな真っ平らなの見ても...』「サミー?!」「も、申し訳ありません」「分かれば良いのよ」「???」
失礼な...少しはあります!と、心の中で私は激昂する。すると突然の事で何事か分からないロイが慌てふためき、サミーは平謝りしてきた。
「ごめんなさいロイ。サミーがちょっと悪ふざけしてきたのよ...そうよね?」
「はい。申し訳ありませんエマ様」「分かればよろしいのです」「はぁ...」
私は平静を装い、ロイに謝意を示す。すると何故かロイも、少し怯えている?ように見えた。
『さっきアナタの込めた魔力が強かったからよ。特に圧が』『うっ...』
どうも魔力の強い人間は感情が昂ぶると、身に纏う魔力も同時に膨れ上がるらしいのだが...
私の場合、魔力濃度が高圧になるらしい。その為、近くにいる人は息苦しさを感じるそうだ。そして当然魔力を感知出来る人間は、その出処も分かるのでその相手に対して萎縮したりもする。
「そろそろでしょうか?」「あ、はい。そうですね」
私は空気を入れ替える意味も込めて、窓のカーテンを見た。すると私の意を汲み、サミーがカーテン越しに窓を少しだけ開ける。
「思ったより時間が経っていたようですね」「そのようですね」
私の言葉にロイも追従し、二人して窓の外を眺めていると
「ソコの馬車、止まれ」「...なんでしょうか?」「少し検めたい事がある」
各通りに配置されている衛兵に、何故か止められた。するとその衛兵の後ろから、やたらと目立つ三色の頭が見え
「この紋章は、ドール家?」「アイツら...戻ってきたのか?」「構わないからサッサと開けさせな」
口々に偉そうな事を言い出しました。私が訝しんでいると
『さっきの魔力を感知されたのでは?』『そんな事で?』『有り得ますよ?』
サミーが可能性の一つを提示してくる。そんなサミーが、馬車の扉を開けて開口一番
「この馬車がドール家のものと知った上で検めると言うのは...どういう事か分かっておいででしょうか?」
「なんだ?メイド風情がそんな口を利くのか?」「いいから降りてきな」
なんの権限で馬車を止めたのか問う。すると...この前お姉様に悪態を吐いた浅慮な貴族よりも、人相だけでなく性格まで悪そうな貴族と思われる色頭が短慮な物言いで返してきた。
「この私に降りてきなさいとは...ずいぶんな仰りようですわね?」
私は先程よりは控えめに...でも確実に、その硬度と範囲を絞って言葉を紡ぐ。
(どうやらそれなりの貴族ではあるようですね)
コレだけ先鋭化すれば魔力の無い一般民でも、何かしら感じる事の出来る魔力を向けた。
そして当然魔力のある者ならコレの意味も理解した上で、対応してくるでしょう。
「これはこれは...私の配下が、失礼いたしました」「...アナタは?」
目の前で三人が取り乱す中...私の放った魔力の範囲外から、白髪で細身の男が出てきて公国の礼を取る。
「私はノース家当主、レイモンドが一子...カマーセと申します。以後お見知りおきを」
そしてその男は、私に引きつった笑みを向けるのだった。
セシル「もうね...主役はランシェだと思うの」
リア「突然何を言い出すんじゃ?」
セシル「だって...私の出番は1009文字なのにランシェは2002文字もあるじゃない!私のほぼ倍よ?!」
三歳「数えたのかよ!?」
セシル「私のパートが終わった時にチラッと見えたのよ...」
サクヤ「その後トータルから引いたのですね」
エマ「ボソッと(もうしばらく出番が有りそうですわ♪)」
ロイ「良かったですね♪エマ様」
アヴェイル「ロイが似てるのは見た目だけじゃねぇか?」
カーウィン「お前居たのか?」
ロイ「元から似ておりませんが」
アヴェイル「いい加減出番くれよ」
クレア「続きまぁ〜す♪」
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