1話 聖女の力の有り様とは?
セシル「新章が始まってもいつも通りなのね」
三歳「ココは変えないよ?」
リア「それにしても長いバカンスじゃったのう♪」
エマ「やっとお家に帰れます」
サミジナ「散々振り回しといてよく言えますね?」
クレア「揉めるのは後書きにして下さぁ〜い♪」
「大体の経緯はセバスから聞いてるわ」
「そうかよ...良く出来た執事だよな」
お姉様がベンにあらかたの事情は知っていそうな口調と視線で、イキナリ本題に入っても良いと言い出した。
するとベンはセバスを見ながら、とても執事とは思えないと言い出す。
まぁ、悪魔族ですからね...私がそんな事を思いながら三人を見ていると
「あくまで執事ですよ?私は...」
「セバス!そこは「止めましょうね?セシル様♪」なんで止めるのよ!?サミジナ?」
『当たり前じゃないの!?ソレについてはリア様にキツく言われてますからね!』
『サミー?念話はエマにしか聞こえないわよ?』
またお姉様とセバスの、よく分からないやり取りが始まりました。
当然聞こえなくても念話してる時間は緊迫した空気になり...
「なんか良く分からねぇが、その執事の素性に触れんのが不味いってんなら止めとくわ」
「別に話題にしても「セシル様?本題に入りましょうね?」...分かったわよ」
沈黙を何かと勘違いしたベンが変な気を回したおかげで、一応軌道修正は出来たみたいですね。
『私の努力を忘れないで下さい!』『そんな事より...始まるわよ』「シクシク」
「あ〜…主家に殉ぜねばならないその辛さは分かるから...気を落とすなよ?」
「...え!?...あ、ハイ...」『私の言葉にケチつけるからよ』『酷いですよ?!』
折角本題に入りかけたのに、サミーが声を出したせいでベンが更なる勘違いをする。
だがそんな事より
(ジィ―――……)
お姉様が何か言いたそうにコッチを見ている。多分本題に入るのを邪魔したからだろう。
「ごめんなさい」「いや、嬢ちゃんが謝る事ぁねぇだろ?」
「なんで私を見るのよ!?」「話を進めましょうよぉ...」「あぁ、そうだな」
結局...話をまとめるのに、夜までかかりました。
(まったく...やれやれだぜ)
俺っちは別に執事ごっこがしたいなんて、これっぽっちも思っちゃいないんだけど
(本当にこの雇い主は疲れるんだよ)
大精霊様が後ろに控えてる以上従わない訳にもいかねぇ...
それに、いくら俺っちの属性が【気楽】だといっても
(こいつらの気と楽って濃すぎて胸焼けするんだよなぁ)
まぁ...本音を言えば処理しきれないだけなんだけどね。
今はモールとベークにも分けつつ、方向性は違うが同じ属性を持つサミジナにも力を使う事でどうにか往なしている。
『サミー?念話はエマにしか聞こえないわよ?』
(いや、俺っちはずっと聴いてるんだけどね)
ゲビックの魔導錬金も借りてはいるけど、隷属の指輪の核は俺っちを媒体にしてるッスからね。
「セバス、聞いてるのか?」「あぁ、済まない」「そうか」
ちょっと気を逸らした所為でカーウィンに睨まれたが、セシルを見る事で勘違いさせた。
「コレが、その時デムって子供が持っていた触媒だ。」
「うひぃ!」「変な声出さないでよ」「だったら先輩が「ウィニーの仕事でしょ?!」...うぅ」
別にもう(ファレフォルとは)繋がってないから大丈夫なんすけどねぇ...
俺っちはこの外での対応も面倒くさくて仕方無いんだけど
(ジィ―――……)
雇い主が定期的にこうやって見てくるから、止めたくても止められねぇ...
結局、お嬢たちが脱線するせいで夜までかかっちまったよ。
「まとめるわよ」「あぁ...」「よろしくお願いします」
私としては、ランシェの成長を素直に悦んであげたいのだけど...
『思った以上に聖女として覚醒しておるの』
『そうなの?!』『厳密には消費魔力が少ないみたいじゃ』
リアが言うには潜在魔力に対して一度に出せる魔力が、ある程度決まっているらしい。
なので同じ威力で使う魔力が少ないという事は、消費魔力を他人に合わせれば...
当然威力が増やした分だけ上がるのは、自明の理だそうで...
「それにしても、ランシェ...アナタ攻撃魔法は私の半分も威力が出ないのに、回復魔法は私を凌駕するのね」
「凌駕だなんて!そんな事「あるわよ」...本当ですか?」
私が素直に妹を称賛すると、ランシェはまだ半信半疑のようだ。
「そういや、俺はセシル嬢が回復魔法使ってるとこ...見た事ねぇぜ?使えんのか?」
「使えるわよ」「なんだぁ?大人しいじゃねぇか!やっぱ本物は妹の方じゃねぇか?」
ガタッ、ダン!
「お、図星かぁ?」「......」「ベン!お姉様に失礼ですよ!」
『妹に庇われるのは癪かえ?』「そんなんじゃないわ」
私は別に嫉妬なんてしていない。それよりも、妹が心配なだけだ。
私は聖女の力を使ってカーウィンとアヴェイルを準騎士にした。だが、ひょっとしたら本当は聖女の秘術はランシェが継承した方が良かったのではと考えた。
(私はこの世界の住人ではない)
『私は妹から聖女の立場を『それは違うであろう』...でも!』
私がそんな事を考えていると、リアに違うと言われた。だがそう感じても仕方ない事実がそこにあると、どうしてもそう思えて仕方がない。すると
「まぁ、考えてみれば良い結果じゃねぇか」「何がよ?」
ベンがいつものような騒がしい物言いを止めて、珍しく諭すように私たち姉妹に語りだした。
『これで良かったのじゃろうて』「そうかしら?」
結局、最後はベンの言葉で締めくくられた。
(聖女の力ってぇのは一つじゃねぇだろ?)
そうなのだ。ベンの言う通り口伝ではあるが、聖女は多種多様な能力を行使したらしい。
『スマンな...我はその時を知っている筈であろうに...』
「それは仕方無いわよ」
リアが謝ってきたが当時の資料を見れば、寧ろ滅びなかった事に感謝の念すら覚える。
だが、それよりも...
「ランシェには、要らない重みを与えてしまったわね」
『そうかぇ?アレは自身で蒔いた種であろうよ?』
「私が最初から『たらればは詮無き事よ。ソレは後悔とは違うのじゃ。分かるであろう?』...そうね」
私は自身で負うべき使命を妹に持たせてしまった事に...
悔やむ事を止める事が、出来なかった。
「お姉様...」
最後はベンがまとめてくれましたが...
(冒険者ギルドはどこまで知っているのかしら?)
聖女の力は回復能力だけでは無いらしい。
ですが、今はソレよりも...
『考えても仕方無いんじゃない?』
『分かってるわよ』
私はサミーの養護を受け入れる事が、どうしても出来ない。
(これじゃヴァンの事、馬鹿に出来ないわ)
私はヴァン同様...悔やむ事を止める事が、出来ませんでした。
セシル「さっきまで石上が居なかった?」
三歳「ボケたのか?眼の前に居るぞ?」
リア「お主でなく、もう一人の事を言っとるんじゃろうて」
セバス「そんな事より、悪魔で執事ネタ...止めません?」
セシル&エマ「「止めないw」」
サミー「シクシク(止めましょうよぉ...)」
リア「何故此奴までセシルに賛同しておるのじゃ?!」
クレア「続きます♪」
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