27話 始まる伝説に添えられる偽文書(ファンタジー)
セシル「やっと出番」
三歳「良かったなw」
リア「良かったのかぇ?」
クレア「始めちゃいますよ〜♪」
パチンッ!?
ドゥ―――ン――……(ク―――ン…)
お姉様が指を鳴らすと、辺りに魔力の広がる気配と...その後に少し、耳鳴りもし始める...
『音の結界です』『音?結界?』『(結界の)外に音が聞こえない魔法?...と言うより、呪法と言った方が意味合い的には近いでしょうか?』『へぇ〜』
良く考えたら詠唱も無しに術式展開してしまうなんて、お姉様ったらどこまで凄いのかしら...
『今のはリア様ですよ』『...あら、そうなの?』
サミーから色々聞かせてもらい、私はお姉様の配慮や技量に感服し...更には大精霊様を探してキョロキョロしてしまった。
これからどうなるのか、さっきまで理解していた事を忘れて...
「ランシェ〜?アナタ、さっきから何が楽しいのか分からないけど、浮かれ過ぎじゃない?」
「はっ?!申し訳ありません!お兄さ、いえお姉様!」「...たっく、もう」
頭ごなしに怒られる...と思ったが、お姉様の表情を見るに、そうでもなさそうな...
その視線はまるで
(困った娘ねぇ...まったく、もう...)
くらいが丁度良さそうな...
そんな事を考えていたら
「とりあえず、座りましょうか?」「はい」「そうだな」
「アナタは立ってなさいよ!」「なんだと!?」
お姉様に座るよう促されたので、私は大人しく座らせてもらった。
だが、ベンはお姉様に激しく恫喝され困惑しているようで...
「アナタはネメリアかもう一人の従業員に、お茶でも持ってこさせなさいよ!」
「ウチの職員はお茶くみ当番でもメイドでもねぇよ!」
「使えないわねぇ」「ひでぇな...相変わらず」
お、お姉様?...
姉が今まで見せたことのない動向に、私は思わずたじろいでしまう。
しかも...
(相変わらず?!)
そう言えば最初に冒険者ギルドを訪れた時もネメリアが...
ガチャ...バタン!
「もう少し静かに閉めなさいよ!ショタ受付嬢!」
「はぁ〜?ソレがお茶菓子持ってきてあげた人に言う台詞...って言うか、ショタババァ?」
「私が防音の結界を「知ってるわ!」...横着な」
言っていた事が、何となく理解出来てしまいました。
「本当に、どっちが公爵令嬢なんだか「両方ですけど?!」大違いよ!エマ様の方がよっぽど大人びていらっしゃるわ!」「いやぁ...根っこは同じだぞ?」「はぁ?!」「ん?どういう事?」
そんな風に私は蚊帳の外で居られるかと思っていたら、ベンが要らぬ痣を見せてきた。
「汚い腹なんて見せなくても...」「そうですよギルマス」
「ちげぇ〜よ!この痣を見てみろってんだ!」
そうベンに言われて渋々...黒くなった刺突痕を二人して見つめる。
「コレは...」「ギルマス?!今回暗躍する者の中に「ちげぇよ」...えぇ!?嘘でしょ?!」
その痕跡を見た姉は一発で私だと見抜き、ネメリアはベンと姉の視線で誘われるようにして私を見る。
仕方なく私は...
「てへっ♪」「嘘でしょお〜?!淑女だと思ってたのにぃ〜」
「コイツがそんな玉かよ」「「アナタがそうさせたんでしょ!」」「ギルマス?」
誤魔化す事にした。幸い姉の援護射撃のおかげで、少しだけ名誉挽回できたように思える。
「もうバレたようですね」「言わないで」「ふふっ」「「カーウィン?!」」
思えただけで、挽回出来てなかった。いや、寧ろ今のカーウィンの一言が事態を更に悪化させたような...
因みに姉の従者...カーウィンとマルバスは、先に応接室に居た。
部屋に入った時、ロイがボソリと
「(この人が、カイン?)」
溢すのを聞いてしまった。ロイと出会った初日に誰かが言った一言
(髪色といいカーウィンに似てるしな)
コレを覚えていたのだろう。カーウィンもその囁きが聞こえたのか、ロイを視界に捉えたあと私を見て微笑んでいた。
「エマ様?あの方はカインではなくカーウィンとおっしゃるのでしょうか?」
「えぇそうよ、私と同じで冒険者登録名が偽名なのよ」「はい?」
何故か私の答えに疑問形で答えるロイ。ソレを見て、私が不思議に思っていると
「ロイは衛兵だからな。貴族の冒険者登録なんて知らないんだよ」
「あぁ!?そういう事なのですね」「どういう事なのでしょうか?」
ベンがわかり易く指摘した事で私は理解したが、出自が貴族でも施設育ちのロイにはまだ分からないようだ。
「私が説明しよう」「お願いカーウィン」「はっ!」
「えっと、よろしくお願いします」「(ジ―――…)」
そんなロイを見かねて、カーウィンが気を利かせる。私がカーウィンに謝意を示すと手短に応えた彼を見て、ロイが多少困惑を見せるも返事と共に付いて行く。何故か姉はそんな私たちのやり取りをジ―…っと見つめてきたが...
「誠実そうではあるわね」「お姉様?!」「取らないわよ♪」
「何のことですか!?」「うふふっ♪」
突拍子も無い事を言い出した。そんな事を言われるとは思ってもいなかったので、私は取り乱してしまう。すると
「そろそろ雑談は止めて本題に入ろうや」
「そうね。情報整理はカーウィンたちに任せるわ」
ベンがもっともらしい事を言い出し、姉もソレに同意した。私はカーウィンの側に集まった家の者とギルド職員を見て
「よろしくお願いします」
と深々と頭を下げるのだった。
ランシェを伴いギルドの応接室に向かう前...私はセバスの緊急報告に衝撃を受けた。
『街が火の海って、どういう事?!』『兎に角、来て下せぇ!姉御!!』
セバスは私の元に来る時間を惜しむ程、慌てていた。念話だけで報告を済ませ、本人は直ぐ様取って返した。
だが実際には屋敷の方で、私がインバスに向かえるよう準備をしてくれたらしい。(厳密にはリアに伝え速攻インバスに戻った)
「(ランシェの)身の安全を考慮するなら、当然の処置ね」
そう考えながらも私は、妹の身に何が起こっているのか考えると気が気でない。
「落ち着け。ランシェには他に、三柱も護衛が居るのじゃぞ?」「そうだけど!」
リアに落ち着くように言われたが、今回は私が傍に居ない。眼の前で助ける事が出来ない事に、どうしても焦燥感が拭えない。すると
「そんなお主を見るのは初めてじゃの?いや、二度目...?」
リアが私を見て、何か思い出したように独白を始める。
「こんな時に何を言っているの?」
「お主...魂がざわつくと、前世の記憶が呼び起こされるみたいじゃの?」
「えぇ?!どういう事?」「初めて父と対峙した時が顕著であったわい」
リアの言葉に、私は思い当たる節がある事に気付く。
「まぁ...それ以外でも、魂の記憶が溢れ出ておったな♪コチラは当たり前過ぎて忘れておったわ」
「ちょっと!ソレは今関係ないでしょ?!」「ふん...少しは冷静になったようじゃの」
冷静?今引っ掻き回されたとしか思えないんだけど...
リアのおかげで前世に引っ張られてる事に自覚は持てたので、そこはまぁ良しとするわ。
「カーウィン、街道を少し外れても構わないわ。なるべく急いで!」
「お任せを!姫殿下!」「張り切ってんなぁ」
アヴェイルの言葉など聞こえないかのように、発奮するカーウィン。
私はそんな彼らを見ながら、妹の無事を願うしかなかった。
ランシェ「余り怒られなかったのは良かったけど…」
カーウィン「ロイよ、コレからはお前がエマ様を守るのだ」
ロイ「言われなくてもそのつもりです」
セシル「面白くなってきたわね♪」
三歳「女性って、そういうの本当に好きだね」
クレア「次回より、新章始まります♪」
読んで頂きありがとうございます(╹▽╹)
☆☆☆☆☆評価…可能であれば…
リアクション……お気軽にして頂だけたら幸いです♪
感想、レビュー…ハードル高いと思いますが頂だけたら嬉しいです(≧▽≦)b"




