17話 サクヤの真意 前編
〚はじめまして...とでも言っておこうか?異界より落ちてきた人間よ〛
いきなりと言えばいきなりな物言いに、私と二人の準騎士が身構えクレアは扉を勢い良く閉める!
突然目の前に現れた大きな銀猫が話しだしたのだが
『痛いのじゃ...』『...?』
何事?と私が扉の方を見るのと
スパーン!〚痛いのじゃ...〛
目の前の銀猫が、頭を擦りながら痛がるのが重なった。そしていつ来たのか分からないが、横にはスリッパを手にしたサミジナとマルバスが居た。
コンコン...「お姉様?入ってもよろしいてすね?」ガチャ...
いや、ランシェよ?アナタ、最近ちょっと図々しくない?
目の前で起こる出来事の情報量に、気が動転していると
「キングさんよ?アンタなんでドール家に来たんだい?」
「そうよ!あなたなんて居ても邪魔なだけよ!?」
二人が銀猫に詰め寄っている。いったい何が起きているのやら...
「バエル様?アナタ様は悪魔族の王ではないのですか?」
〚そうだが?〛「...そうは見えませんけど!?」「俺っちは王って呼んだぞ?」
バエルとやらを連れてきたサクヤも、何故か私と変わらないくらい狼狽えていたからか少しだけ落ち着いてきた。
(そう言えばさっき、セバスは「キングさん」って言ってたな...)
そんな事を考えながら、改めてバエルと呼ばれた悪魔族を見る。
すると銀猫もコチラを視てきた...と思ったら直ぐに私の隣に視線を移す。
〚お久しいですな、L'Archange《ラルカンジュ...》「その名を口にするでないわ!」...くぁっ!?〛
口を開いたかと思ったらリアの威圧?だけで吹き飛ばされる銀猫。その時ふと気になった事があり、リアに聞こうとすると
「普通は我の真名に興味を示さんかぇ?何故バエルが音もなく壁に激突し、ソコに留まれるのかを不思議がるのか...相変わらず変な娘よの?」
「いや、だって気になるじゃない?!精神体なんでしょ?なんで激突出来るのよ?」
リアが私を変人扱いした事に突っ込みを入れるより、私は疑問を先に解消したい。リアの真名(危ないもの)なんて興味無いわ。
『L'Archange, la Puissance(ラルカンジュ、ラ・ピュイサンス)』
『はぁ〜?!』「口にするでないぞぇ♪」
興味無いって言ってんのにこの珍竹林が「誰がちんちくりんじゃ!?たいして変わらんではないかぇ?!」「残念でしたぁ!私はペッタンコじゃないですぅ〜♪」「ペッタンコではなかろうよ?錬成した時から少しは「少しでしょう?」くっ!?」「それに私のほうが身長も伸びてるわよ♪」
「お嬢様!声!声に出てますよ!」「なによ?リアが先に喋り出したんじゃ...」
そこまで言ってから、私は周りの冷たい視線に居た堪れなくなり(一部違う視線も感じたが...)思わず身を捩った。
「さて、冗談はさておきバエルとやら...何が目的じゃ?」
あっ!!リアのやつ...じゃれ合うフリした事にして有耶無耶にする気だわ!
なぜか鼻を擦りながら話しているリア『さっきクレアが勢い良く扉を閉めおったからじゃ!』...あぁ...ぶつけたんだ『痛いのじゃ』...良く見たら涙目になってるリア。
そんなやり取りをしていたら
〚我の目的...ですか?そうですね。先にそちらを叶えて頂きたいですな〛
バエルと呼ばれた銀猫は、サクヤを見ながら自身の願いを叶えて欲しいと言ってきた。
「悪魔族...しかもその王の願いを叶えろですって?そんな危険な事、する訳が無いわ!?」
私が身構えると同時に、警戒を解いていなかったアヴェイルが銀猫の右手に回り込む。
カーウィンは変わらず私の視線を遮らない程度に、銀猫との間に立ってくれていた。
「あの...お待ち下さい!バエル様の望みは...」
「サクヤは黙ってて!!」「セシル様!聞いて下さい!」
先程より警戒を強めた私にサクヤが何か言ってくるが、序列1位の悪魔の名を冠する悪魔王と相対して警戒するなという方が無理がある。
「あ〜セシルよ...ソレは勘違いじゃ?」「...は?」「勘違いじゃよ」
リアが何を言いたいのか分からない。私が不思議がっていると
「言ったじゃろう?シャドウイーターじゃと...」
尚も私が頭の中に疑問符を並べていると
『元々は精神生命体の怪物だったと言っておるんじゃ...名付けによって進化はしたがのぅ』
『...だから何?』と思っていると
「察しが悪いのう!ただのモンスターじゃと言っておるんじゃ!?お主が考えておるような魂の契約だの、願いを叶えた後魂を喰われるといった事は無いわい!」
「えぇ!?そうなのぉ?!」「お嬢?!ソレだと俺っちはお嬢の願いを「アナタは(私に)隷属したのよ?」...ガクッ!?」「(チラッ)...」「サミーもね♪」「...ガクッ」
リアの言った事にようやく私は納得した。確かにサクヤが初めてドール家に来た時に、リアが言っていた事を思いだした。
〚我はサクヤに隷属などしとらんぞ?〛「したいのですか?」〚サクヤ?!〛
何故か私と妹がやったやり取りの真似事をサクヤとやりだす銀猫。
「あ〜…バエルの旦那?願いってまさか?」〚そう!それだよ!我の分も用意できぬか?〛
何かを察したセバスが悪魔族の拘束具を見せていた。ソレを見た銀猫が眼を見開きながら欲している。
確かに受肉は出来る。出来るが、その条件を知らないのだろうか?サクヤの上司として、此処に来たんだよね?そんな事を思っていると
「お願いします...マルバス様。どうか我が主の願い聞き届け、その指輪を私に授けて頂けませんか?」
『あぁ〜…!?サクヤのやつ『言うでないぞ♪』当然♪』
サクヤの迫真の演技に応える為私たちは
「「セバス!今直ぐ(銀猫の)願いを叶えてあげて!?」」
「お!おぅ?!」
セバスに悪巧みの片棒を担がせる。感情を喰らう悪魔族の好物でしょ♪と思いつつワクワクしていると
「(胃もたれしそうなんですよ。お二人のはね)」
セバスがすれ違いざまに小声で、またもや嬉しくなさそうな事を言う。
それでも私たちはセバスが銀猫から依り代を受け取り、いつ来たのか知らないがゲビックに依代を組み込んだ首輪を手渡し錬金する所をほくそ笑みながら眺める。
やがて...
ゲビックが出来上がった首輪を銀猫に取り付け、魔力を流し込む。
〚むっ...!?〛
何かを感じ取ったのか、銀猫が少し緊張した面持ちを見せる...が
「サクヤよ」「はい」
ゲビックがサクヤに制御用の指輪を手渡すと、サクヤは早速右中指にソレを嵌めた。
「ふ、ふふっ...うふふふふふふふ・・・……」
怖い、恐い...コワイよ?!
指輪を嵌めたサクヤが突然低い声で笑いだし...
「毎回、毎回...いつも、いつも...よくもまぁ振り回してくれたものですねぇ?!」
積年の恨みでもぶつけるように...
嵌めた指輪を部屋の隅で、怯える銀猫へ見せつけるようにして...
サクヤは言い放った。
バエル「我の威厳は?」
サクヤ「そんなモノ、ありました?」
セシル「魔物の一種かぁ...宿敵感無くなったわ」
リア「そんなモノ...あったかぇ?」
三歳「相変わらず全員ひでぇな」
サクヤ「人の事言えないでしょう?」
一同「「「「(今回ばかりはサクヤに言われたくない!!!」」」」
クレア「(後編に)続きます♪」
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