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アドルフの耳はアリスのささやきや息遣いに敏感に反応し、時折ピクリと動く。その様子にアリスはくすぐったさと愛しさを感じ、自然と微笑みがこぼれる。
アドルフの尻尾は、アリスの腰にそっと巻きつき、まるで「ここにいてほしい」と伝えるよう。アリスはその柔らかな感触に包まれ、安心感と特別な絆を感じる。
アドルフはアリスの頬に鼻先を寄せ、優しくすり寄る。アリスはその仕草にドキリとしつつも、彼の本能的な愛情表現に心が温かくなる。
くすぐったに身を捩りくすくすと笑っているとアドルフに熱い視線を向けられた
「余裕そうだな、俺は自分の理性を抑えてお前をめちゃくちゃにしないように必死なのに」
「あっ、ご、ごめんなさい」
私が謝ると同時に首筋にカプリと噛み付かれた。痛くはないが犬歯があたり、ゾクゾクする。
「全部食い尽くしてやるからな。隅から隅まで」
言葉は乱暴だが服を脱がせていく手は私を傷つけないように優しく慎重に動く。
私を見つめる瞳も私に怯えがないか不安そうにしながらも称えた熱は消えることない。
「大丈夫ですよ、アドルフ様になら何をされても怖くない」
ぎゅっと首に背中に腕を回すとアドルフがぐっと詰まる
「お前・・・俺が必死なのに、もう知らないからな!!」
アドルフは起き上がり自分の衣服も脱ぎ捨てた。
割れた腹筋や太い二の腕はもちろん、アドルフの体には獣人特有のしなやかな毛並みが美しく生えていた。月明かりに照らされて、柔らかな毛がきらきらと輝やいていた。
アリスはその逞しい体に見惚れながら、アドルフの肩や腕にそっと手を伸ばす。指先に伝わる毛並みの感触は、温かくて心地よい。アドルフはアリスをそっと抱き寄せ、ふわりと尻尾でアリスの背中を包み込む。
アリスはその包容力と、獣人ならではの柔らかな温もりに安心し、自然と微笑みがこぼれた。アドルフの耳が嬉しそうにピクリと動き、二人の間に静かな幸福感が広がっていく。
「もう離してなんてやれない。お前は俺のだ」
「はい、私の全て貴方のものです」
「・・・アルと呼んでくれ」
「アル様」
「アルでいい。」
「アル、愛してます。大丈夫ですよ。貴方に与えられるなら痛みだって愛しいです。」
そう伝えた途端アドルフはもう迷いなくアリス触れた。
優しくほぐすようにアリスの体の隅まで味わい、アドルフによって体を溶けさせられた。
はじめてで痛みはあったがそれもまた幸せに思えた。
その後の記憶は曖昧だった。何度も何度もアルに求められ、気絶するように眠りについた。
寝ぼけながら寝返りを打つと、頬にふわふわとした柔らかな感触が触れる。思わず顔を埋めてすりすりしていると、頭上からため息混じりの低い声が降ってきた。
「朝からこいつは、俺を狂わせる気かよ」
そう言いながらも、アルの大きな腕と尻尾はアリスをしっかりと包み込み、決して離れようとしない。その温もりに包まれながら、アリスは再び深い眠りに落ちていった。
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再び意識が浮上し、目を開けると、目の前にはアリスを愛おしそうに見つめるアルの姿があった。まだ夢の中なのかと思いながら、アリスはそっと手を伸ばしてアルの頬に触れる。
「やっぱりかっこいいなぁ……」
ククッとアルが喉を鳴らして笑う。
「アリスは本当に俺の顔が好きなのな」
急に現実に引き戻され、アリスはガバッと起き上がる。「す、すみません!!夢だと思ったんです!!」
シーツがはらりと落ち、裸の自分に気づいて慌ててシーツにくるまる。そんなアリスを見て、アルはさらに優しく微笑み、額にキスを落とした。
「おはよう」
こんな甘いアルがいるなんて……やっぱり夢かも、とアリスは思う。
「……アドルフ様、おはようございます」
「アルだ。」
「……アル、おはようございます」
言い直すと、アルは満足そうに頷いた。
恥ずかしさで部屋を見渡すと、外はすっかり明るくなっている。血の気が引いていく。
「し、仕事!!」
慌てるアリスの頭を、アルは安心させるように優しく撫でる。
「大丈夫だ。蜜月休暇を申請してきたから。」
蜜月休暇?首を傾げるアリスに、アルは詳しく説明してくれた。
「この国の制度だよ。アリスがいた村には獣人がいなかったから知らなかったのか。番を得た獣人はマーキングが終わるまで番を外に出さない。これは本能だからどうしようもないんだ。だから国の制度として2ヶ月の蜜月休暇を設けている。」
すごい手厚い制度。そしてなんだか恥ずかしい・・・
くぅぅ、とアリスのお腹が鳴った。顔を真っ赤にして隠れようとするアリスを、アルは軽々と抱き上げて楽しそうに笑う。
「もう昼過ぎだ。腹減ったよな。」
顔が近く、アリスは目を逸らせず、さらに顔が熱くなるのを感じる。
「自分で歩けます!!」
「無理だと思うが」
「歩けます!!」
アルは渋々アリスを下ろすが、アリスは足に力が入らずペタンと床に座り込んでしまう。
「ほらな」
意地悪そうなアルの笑み。ズルい、そんな顔もかっこいい。シーツでぐるぐる巻きになったアリスを再び抱き上げ、ふわふわの尻尾で優しく包みながらソファの上にそっと乗せ、丁寧に着替えまで手伝ってくれた。
「恥ずかしすぎます」
穴があったら入りたい気持ちで顔を隠すアリスに、アルはそっと擦り寄り、耳をピクリと動かしながら優しく囁く。
「番いにつくすのはオスの本能だ。俺は嬉しい。」
そう言って、甘い表情でアリスに給餌までしてくれる。アリスはお腹いっぱい食べて、アルの膝の上でお茶を飲みながら、幸せを噛みしめていた。
するとアルが一枚の紙を差し出す。
「これは?」
「婚姻届」
えっ?
「結婚するんですか?」
純粋な疑問をぶつけると、アルは小さく唸ってアリスを真剣に見つめる。
「する、しないなんて言わせない。俺はもうお前なしじゃ生きられないんだ。逃げるなんて許さない」
その言葉に少し圧倒されつつも、アリスは慌てて訂正する。
「ち、ちがいます。逃げようなんて思ってません!!だって、アルは伯爵家の人間ですし、私は平民だから結婚できるのかなって……。できたら幸せですけど、そんなこと望んでもいいのかなって」
アルは安堵し、表情を緩める。
「当たり前だ。獣人にとって爵位なんてあまり意味をなさない。それに俺は三男だから自由にしていいと言われてるし、番を見つけたらたとえ婚約者がいたとしても番を優先される。まぁ、俺は婚約者もいないし、お前が頷いてくれればすぐにでも婚姻届を提出に行く」
何も問題ないというように、アルはアリスに優しくキスを落とす。
「それなら……とても嬉しいです。アルが私の旦那様になるんですね。ずっと一緒にいられる夢が本当に叶うなんて、幸せすぎておかしくなってしまいそう。」
そう言うと、アルはアリスの肩口に顔を埋め、耳をピクリと動かしながら照れ隠しをする。
「お前はまたそんな可愛いことを言って俺を誘って……俺の方がおかしくなりそうだ。昨日無理させたから今日は我慢しようと思ってたのに」
そう言ったかと思えば、アルはアリスを抱き上げて再びベッドへと戻った。
アリスがベッドから出られるようになるのは、まだしばらく先の話だった。
婚姻届を提出した後、アリスとアルは正式に夫婦となり、蜜月休暇の残りをゆったりと過ごすことになった。
朝はアルがアリスの髪を優しく梳かしながら「おはよう」と囁き、アリスはその声に安心して目を覚ます。アルの尻尾がアリスの腰に絡みつき、二人だけの静かな時間が流れる。
昼間は新しい家の中を一緒に整えたり、アルがアリスに獣人の伝統料理を教えたりする。アリスは慣れない手つきで料理を作り、アルが後ろから手を添えてサポートする姿はまるで新婚そのもの。時折、アルの耳が嬉しそうにピクリと動き、アリスも自然と笑顔になる。
夜は暖炉の前で寄り添いながら、将来の夢や家族について語り合う。アルは「いつか子どもができたら、森で一緒に遊ばせたい」と話し、アリスも「アルに似た子供だと嬉しいです」と微笑む。「俺はアリスに似た子供が欲しい」アルはそう言って愛おしそうにアリスを抱きしめた。
二人は日々の小さな幸せを積み重ねながら、互いの存在をより深く大切に思うようになっていった。
アリス編は完結となります。読んでくださりありがとうございます。
次はアドルフ編を追加していく予定です。読んでくださると嬉しいです。




