ミノタウロスは何処( 'ω')?2
《それで今回はどこのダンジョンにしたんだ?》
《そういや、スレでなるべく人が少ない場所にしようとか書き込んでたな》
「あー、うん。
今、ダンジョンの人気ランキングみたいなのもあるじゃん?
あれ参考にして、一番不人気なとこに来た」
《どこだ??》
《不人気って言っても、ダンジョンだってあちこち出現してるみたいだろ》
《まだ国内のダンジョンを把握しきれてないって聞いてるぞ》
「だから、判明してる中で不人気なとこに来た」
《どこどこ??》
《どこだろ?》
《wktk》
《どこー??》
ドローンがダンジョンを映そうとした時だ。
破裂音が響いた。
《ん?》
《なに、花火??》
《花火か??》
《花火っぽい音、聞こえなかったか?》
《なんだなんだ??》
《ざゎ・・ざゎ・・・》
視聴者達は画面の向こうでザワつく。
それがコメントにも現れる。
一方、エリーとオリヴィアが周囲を警戒し、主である陽祐を守る体勢へ入る。
その時だ。
今度は大きな爆発音が響いた。
音のした方へ、陽祐、エリー、オリヴィアが振り向く。
ドローンも、その方角へカメラを向けた。
瞬間、丸いボールのようなものが飛んできた。
ちょうど陽祐の方へ落ちてくる。
事実、ボールに見えた。
(なんでここでボール??)
そんな疑問が浮かぶ。
飛んできたそれを陽祐が受け止めるより早く、エリーがキャッチした。
同時に、オリヴィアが陽祐の服の裾を引っ張って無理やり座らせたかと思うと、身体全体を使って彼の顔を覆った。
まるで、目隠しをするかのようだ。
「ちょ、なになに??
こんな時までひっつくなんて」
陽祐がオリヴィアへ声をあげる。
しかし、オリヴィアはのんびりと返した。
「主は、見ないほうがいいですよ」
なんて言いながら、オリヴィアは陽祐の頭を撫で撫でする。
「は?!
え、なんで??」
「ここはダンジョンの外で~、まぁ、ショッキングな絵面になっちゃうからです」
「意味がわからないんだけど」
一方、自動的にモザイクがかかっていたが、視聴者達には飛んできたのがなんなのかわかった。
ドローンがばっちり撮影していたからだ。
そのため、
《ぎゃぁぁぁ!!??》
《生首?!これ生首?!》
《なんでなんで?!》
《さ、さすがに、マネキンかなんかじゃ》
《……ちょっと骨っぽいの、モザイク越しでもわかるんだけど》
《(´;ω;`)》
《R18指定やん》
《グロ》
《配信事故にもほどがある》
《スレ主ぃぃぃぃぃぃいい、お前見なくて正解ぃぃいいい!!》
《オリヴィアちゃん、ファインプレーすぎる》
阿鼻叫喚となっていた。
遅れて、血の独特の臭いが陽祐の鼻をついた。
なにか良くないことが起きている。
それはわかった。
「オリヴィア、主を守れ」
鋭く、エリーが言う。
「りょ〜か〜い」
オリヴィアが返し、恐らくエリーが駆け出していった足音が陽祐の耳に届いた。
少し遠くから、怒声のような声とまた破裂音と爆発音が聞こえてくる。
しかし、すぐに静かになった。
そして、エリーが戻ってきた。
エリーは手土産とばかりに、バラバラとなった人体の一部を持ってきていた。
それもやはり、モザイク越しとはいえ視聴者にはわかってしまう。
《エリーちゃん!?》
《なにもってんの、エリーちゃん!!??》
《いやぁぁぁあ!!??》
《ガチで何が起きてるの?!》
混乱する視聴者たちをよそに、エリーが陽祐へ言葉を投げた。
「主、一旦配信を中止しましょう」
陽祐としてもなにか良くないこと、異常事態が起きていることはわかったから、素直にエリーの言葉に従う。
「え、あ、うん。
とりあえず、一旦配信終わり!
視聴者のみんな、ごめん!」
そうしてこの生配信は、一旦終わることとなったのだった。




