ミノタウロスは何処( 'ω')?1.
「視聴者の皆様、はじめまして。
主の盾、オリヴィアです。
どうぞよろしくお願い致します」
陽佑による生配信が開始される。
直後、映し出されたのは新たに加わった仲間、お助けキャラのオリヴィアだった。
紹介も兼ねているのだ。
母性溢れる笑顔に、視聴者たちは夢中になる。
《オリヴィアちゃんダァァア!!!!》
《可愛い》
《いいなー、スレ主》
《オリヴィアちゃんキタ━(゜∀゜)━!》
《オリヴィアちゃぁぁぁあん!!俺だぁ!!結婚してくれー!!!!》
《阻止》
《阻止》
《阻止》
《阻止》
《←タイ━━━━|Φ|(|゜|∀|゜|)|Φ|━━━━ホ!!》
《何言ってんだ、エリーちゃんもオリヴィアちゃんもオレの嫁だJK》
《嫁って言い張るんなら、お前がダンジョン行って手に入れてこいよ》
「……ご好意はとても嬉しいです。
ですが、ごめんなさい。
私は身も心も、すでに主にささげ、痛っ!!」
饒舌に語るオリヴィアの頭へ拳骨が叩き下ろされた。
エリーによる拳骨だった。
「誤解を招くようなことを言うな」
《エリーちゃんだぁぁあ!!!!》
《そんな、オリヴィアちゃん、もうスレ主の毒牙にかかったなんて(´;ω;`)》
《意外と手を出すの早かったなぁ》
エリーが息を吐き出しながら、誤解を解こうとする。
「安心してください。
我々と主の関係は、あくまで主従関係以上のものではありません」
オリヴィアがてへぺろの顔をしている。
《オリヴィアちゃん、ノリがいいな》
《ひとつ屋根の下でなにも起きないわけがなく》
陽佑がさすがに口を挟んだ。
「バイトと冒険者活動と、受験勉強でいっぱいいっぱいな浪人生だぞこっちは。
そんな暇あってたまるか」
《あ、スレ主だ》
《゜з゜)ノ チィーッス》
《スレ主ちーっス》
「ですよねぇ。
ボディタッチしても塩対応ばかりで、オリヴィアちゃんは悲しいです」
「包丁もってる横でベタベタくっつかれたら流石に危ないだろ」
《ベタベタくっついてくる、だと?!( º言º)》
《裏山》
《スレ主、滅べよ(´・皿・`)ギリィ!》
《俺、ダンジョン行ってオリヴィアちゃんお迎えしてくるわ》
《俺も》
《こんな俺にも嫁が出来るときいてきました》
《包丁もってるよこでくっついてくる……うちの飼い猫かな??》
《うちの5歳児、まさにそのムーブしてくるからガチで毎日怒ってる件》
「俺以上に母さんにくっついてるけどな」
エリーもそこで口を挟む。
「私は、就寝中に抱き枕にされてます」
エリーとオリヴィアは同じ部屋で、昔、陽佑が使っていた二段ベッドで寝てもらっている。
ちなみに、エリーが上段、オリヴィアは下段を使用している。
が、どうやらオリヴィアはエリーのところに潜り込んで彼女を抱き枕代わりにしているらしい。
《ひっつき虫のごとくwww》
《うちの子も昔そうだったなぁ》
「さて、それじゃ今回も配信やってくか」
《待ってた》
《よっし、配信開始だ!》
《あ、待って待って!その前にオリヴィアちゃんのステータスみせてー》
《たしかに、見たい!》
コメントを受けて、陽佑はオリヴィアに許可をとって彼女のステータスを公開した。
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○名前:オリヴィア
○状態:ふつう
○職業:神官 山田陽佑の従者
○Lv:50
○技能:[回復10/10][回復治癒15/15][自動治癒回復3/3][絶対防御3/3][解呪∞]
○特殊:[死者蘇生1/1]
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《うわぁ》
《チートや》
《死者蘇生って、まじか》
《シスターの格好してるのに、職業は神官なのか》
《そういえば、エリーちゃんのステータスってあれから変化あった??》
「エリーのステータス??
レベルとか上がってたっけ??」
そういえば確認してなかったな、と陽佑はエリーを見ながら聞いた。
エリーは快くステータスを見せてくれたが、とくに変化は無かった。
《水筒ニキは?》
《水筒ニキのステータスは??》
「…………」
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【名称】水筒
○Lv:125
○装備時攻撃力:+100
○単体時攻撃力:+1500
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このステータスを見たオリヴィアの反応はというと、
「わ、私よりレベルたかい??」
めちゃくちゃショックを受けたのだった。
天真爛漫で聖母のごとく慈愛溢れる表情が、さすがに消えてしまった。




