第七十四話 提案
「リフレさん、その魔力回路循環や血液の接種っすが、私たちも可能っすか?」
ブツブツと話すのをやめたと思ったら、クロエが急にリフレへと問いかけた。
「魔力回路循環の施術に関しては、メンテナンスも必要との事でしたのでお母さんに教えてもらいましたので、私が施術することは可能ですよ。血液譲渡に関してはヴァンパイア族の血液との事でしたので、もしかしたらエルシーさんの血でも良いかもしれませんが、それに関しては実際にやってみないとわからないです」
「どうしたというのじゃクロエ?おぬしはそんなに力を求めるタイプではなかろう?」
「確かに私は、そこまで力には興味無いっすよ、アレクさん。でも魔族が現れたってなると話は別っす。現状ではエルシーさんで三級魔族、ジーナさんで四級魔族。それ以外だとリフレさんとリンネ君もきっと対抗は出来るはずっす。でもそれだけっす。それ以外の戦力は戦力外って事っすよ。もし複数の三級魔族が現れたら?二級以上の魔族が現れたら?そうなったら、その時点で人類は詰んでるっす。そうならない為にも人類の力を強化する必要があるっす」
「ふむ。確かにクロエの言う通りじゃ。いつ魔族の侵略があるかなどわからん。そのために力をつけておく必要はありそうじゃの。リフレさんにエルシーさんや、ちと協力をお願い出来るかの?」
「私は構いませんよ。ただ一人施術するにも、診断も含めると2時間ぐらいは必要になりますので、すぐに大勢と言うわけにはいきませんので、そこはご了承お願いします」
「私はあれをやらないとダメなのか?クロエ団長やジーナ魔法師帝ならともかく、ランス達にもやるのか…」
「エルシーさん、別に口移しの必要はありませんよ。エルシーさんの血を飲んでもらえれば良いだけなので、コップにでも入れて飲んでもらえばいいんですよ。後で聞きましたけど、エヴァおばさんの口移しは何かを準備するのが面倒だから、お母さんが服を脱がせたのはお母さんの悪戯だったらしいので、口移しも服を脱ぐ必要も無いみたいですよ」
「つまり、私たちは必要のない事をさせられていたって事か?」
「そうですね。エヴァおばさんのめんどくさがりと、お母さんの悪戯です」
知りたくも無かった事実を知ったリンネとエルシーは若干落ち込むこととなる。
しかし、これで人類のパワーアップが出来る可能性は見えてきたので、一先ずはクロエに血液譲渡と魔力回路循環の施術を行う事となった。
血液譲渡に関しては、その場でエルシーが舌を切り口移しでクロエへと譲渡していた。
そして、城の一室を借りリフレがクロエに施術を行い、その結果クロエの魔力付与値も大幅に上がる事となった。
「凄いっすね。力が漲るっすよ。光が70万、基本五属性が20万、闇と無が10万っす」
「よかったですねクロエさん。それでですがアレク国王陛下、一つ提案がありますが宜しいでしょうか?」
「提案とな?言ってみなさいリフレさん」
「ありがとうございます。現状血液譲渡であれば短時間で大人数も可能となります。なので、先ずは宮廷魔法師団とバーバリアン王国の王国魔法師団に血液譲渡を行いたいです。その後、先ずは魔法師帝のお二人と各団の団長に魔力回路循環の施術を行い、その後は副団長以下にも施術を行います。魔族の脅威がどれほどのものかはわかりませんが、備えておくに越したことは無いかと思いますので、血液譲渡と魔力回路循環の施術の許可をお願いします」
「ふむ。バーバリアン王国の国王には儂から伝えておくとして、血液譲渡と魔力回路循環の施術は許可する」
「ありがとうございます。ではエルシーさんには血をボトルか何かに詰めてもらって、それを魔法師に配布しましょう。それだけでも大幅な戦力アップになります」
「まてエルシー。さすがの私でもそんなに血を流すと死なないか?」
「死んだら私が死者蘇生で蘇生しますよ」
リフレはいつも通りの優しい笑顔で言うが、内容は決して優しくない。
生き返らせるから安心して死ねと言っているのだ。
「いやリフレ、その笑顔が怖いぞ…それに、生き返るとしても、さすがに死ぬのには抵抗が…」
「冗談ですよエルシーさん。造血で血液を作り出せますよね?それで血液を作り出せば死ぬことは無いですよ」
やはり、優しい笑顔で話しかけてくるリフレ。
リフレの笑顔に関しては、表も裏も差が無く、時々非常に恐怖を覚えてしまう。
そして、リフレの言ったとおりに、造血で血液を増やしながら、エルシーは永遠と血液をボトル詰めしていくのだった。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
もし楽しんで頂けたなら幸いです。
ブックマークや評価をしてもらえるとモチベーションがあがりますので、もし良ければおねがいします。
なるべく毎日更新はしていきますので、良ければ今後も読んで頂けると嬉しいです。




