ペンギンさんのぬいぐるみ⑤
よかった……まだ読んでないのが残ってて。
わたしは、無事借りられた名探偵のお菓子いっぱいで解決シリーズの11巻をさっそく読み始めた。
やまねちゃんは1巻を借りられて、満足そうにしている。わたしは1巻を読んだのは結構前だから、もう一回読むのもいいかもしれない。
自分の席で、名探偵のお菓子いっぱいで解決シリーズを読んでいたら、チャイムが鳴って、司書の先生が「はい、おしまいです」と言った。時間が経つのがすごく早い。
教室に戻ると、私の机に座って男子がしゃべっていた。「どいて」って言いたいけどなかなか私はそういうのが言えない。
しゃべってる男子には、まさとくんもいた。
「はいどいてどいて~! そこえりかちゃんの席~!」
「うお、そういやそうだな。ごめん」
「そこら辺のてきとーな机に座るのやめなさいよ」
わたしが自分の机の横に立っていると、すごく元気な女の子である、かこねちゃんが注意してくれた。
「かこねちゃん、ありがとう」
「ううん。何も周りが見えてない人たちが悪いんだよ。ていうか、まさとなんて、虫とか大っ嫌いだから、居座っててうざかったら、虫でもくっつけちゃえばいいんだよ」
「それは……びっくりして机から落ちちゃったら大変」
「優しすぎだなあ、えりかちゃんは」
かこねちゃんは笑いながら、しきりに筆箱をいじっている。よくみると、筆箱にストラップの上部分だけあった。
「ストラップ、取れちゃったの?」
わたしはたずねてみた。
「うん。昨日お姉ちゃんとけんかしてたら、取れちゃったんだ。お姉ちゃんが筆箱投げて」
「そうなんだ……」
「でももう仲直りしたよ。お姉ちゃん、ちゃんと直してくれるって。ストラップ」
「よかったね」
「うん。でも最近お姉ちゃん全体的にうざい」
「そうなの?」
「うん」
かこねちゃんは、上部分だけのストラップが大きく揺れるくらいうなずいて続けた。
「胸が大きくなったじまんとかするんだよ。たぶん、胸のなかにうざさがつまってるんだよ」
「それだったら面白いね」
わたしとかこねちゃんは笑った。そして、次の授業まであと少しなことに気が付いた。次の授業は、道徳だ。




