ペンギンさんのぬいぐるみ④
「まだそのまんまだねー」
「うん」
「ここの渡りろうか、理科室に行く人以外あんまり通らないからな〜」
ペンギンさんのぬいぐるみは、理科室から教室に戻るときにも、まだ同じところにあった。
けど、りすちゃんの言う通りで、これは当たり前だと思う。
理科室か、あんまり使わない陶芸室に行くとき以外は、あんまりこの渡り廊下は使わない。
つまり、朝からここを通ったのは、多分わたしたちのクラスだけ。あ、あと美山先生も通ったかもしれないけど。
わたしとりすちゃんとやまねちゃんは、ペンギンさんのぬいぐるみをそのままにして、通り過ぎた。
でもわたしは頭の中で、どうやったら持ち主を探せるか、考えていた。
学校には、落し物コーナーがある。ほとんど使われてないようなものだけど、あのまましばらくペンギンさんのぬいぐるみがそのままだったら、そこに届けよう。
「次は図書の時間だね〜。えりかちゃんって最近なんの本読んでるの?」
「えーとね。名探偵のお菓子いっぱいで解決シリーズ」
「ああ、それか〜面白いよねあれ」
「面白いのー? 私読んだことないよー」
「面白いよ。シリーズなんだけど、どの巻から読んでも大丈夫だし」
「そうなんだー。じゃあ私も今日借りてみようかなー」
そう話している間に図書室で先週借りた本の準備もできたので、わたしは、りすちゃんとやまねちゃんと図書室に向かった。
とちゅうで、職員室の前を通る。職員室の前の掲示板を、わたしは確認した。
全学年の授業の時間割と、やる場所のお知らせが書いてある。
理科室は、二時間目に三年二組、三時間目に五年一組、四時間目に五年二組がつかうらしい。
ちなみに、わたしは三年一組。小さな小学校なので、各学年二組ずつだけ。
昨日は……わからない。昨日の場所のお知らせはもうなくなっていた。
だけど時間割を見れば、昨日理科のあった学年はわかる。理科室を使ってるかはわからないけど。
二年生が昨日は理科の授業があったみたいだ。
「なんか大事なこと書いてあったー?」
やまねちゃんがわたしのとなりで掲示板を読む。
「ううん。そこまでじゃないと思う。行こう」
「うん。早く行ったほうが返す手続き早くやってくれるしね〜」
そうだ。早く返す手続きをやってもらえれば、次の本も早く借りられる。
名探偵のお菓子いっぱいで解決シリーズは人気だから、早くしないと取られちゃうかも。
わたしとりすちゃんとやまねちゃんは、図書室へと急ぎめで向かった。




