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ソードサモナー  作者: 猫の手
11/12

戦う理由

夜風が頬を撫で、少女の短髪を軽く巻き上げる

『私生きてても楽しくないし、身分の所為でやりたいことも出来ない、もちろん友達も出来ない…こんな人生まっぴらゴメンよ…』

少女はそう言った

『友達居ないのかい?』

『うん…』

『じゃあ、僕が友達になってあげるよ』

『本当!?』

少女は目を輝かせながら聞き返す

『嘘は吐かないさ』

『じゃあ私死なない!』

『うんうん』

『もちろんあなたもね!死ぬかもしれないから橋から飛び降りるのもダメだよ!』

『え?』

『友達になってくれるんでしょ?それに嘘は吐かないってさっき言ったじゃない』

『あはは…参ったな…』

『ふふっ…!口は災いの元よ』

『そういえば君の名前は?』

『そういうのは自分から名乗るのが筋じゃないの?』

『あ、ゴメンゴメン…僕の名前は



アルド……アルド・ゲートさ』



ーーーーーーーーーーーー

《テレスクレア 城壁》



キィンッ!キィンッ!!

ティグスは追い詰められていた

シェルンの振るう剣を紙一重で杖で受け止めるので精一杯になってきているのが何よりの証拠だった

「シェルン!目を覚ますのです…!」

「……」

ティグスが問いかけるもシェルンは無反応だった

杖に取り付けている魔障石の残り魔力も少なくなってきている。俗に言うジリ貧だ


ガァンッ!!

シェルンの強烈な一撃を受け止め切れずにティグスは後方に吹き飛ぶ

「くっ…!?」


落ちるギリギリの所でティグスは踏みとどまる。万事休すの状態であったがティグスはシェルンが追撃を仕掛けて来ないのに気づく


「あぁ…あああ…」

シェルンは膝をつきながら苦しんでいた

「シェルン!」

ティグスは近づこうとしたが足を止める



元々白かったシェルンの髪が次第に黒く染まっていく


「やめて……やめて…!!」

シェルンは二振りの剣を落とし、頭を抱え始める

「シェルン…?」

「うぅ…あああああぁ!!」

シェルンが叫ぶと同時にシェルンを中心に地面が黒く染まる


黒く染まった所から奇怪な化物が何体も出てくる

「ジャバ…ウォックッ……!!!」


床の謎の黒く染まっていくものは次第に範囲を広げていきジャバウォックと呼ばれた化物が地面から現れ数を増やしていく


「いかん!?やめるんだシェルン!!」

「あぁぁ……!があああああああああ!!」

声をかけるもののシェルンの暴走は悪化していく


「くっ…!」

ティグスはこれ以上の長居は危険と感じ、気を失っているタキリとセルフィを抱えテレスクレアの街の方向に飛び降りた



ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!


飛び降りたと同時に城壁が粉砕


大量のジャバウォックが街の中に入り

上空を埋め尽くしている魔物達も同様に

街に襲撃を仕掛けていく


軍とギルドの人間が魔物の攻撃を防いでいたが今のでその均衡は崩れた


「テレスクレアが……」

壊されていく…



ーーーーーーーーーーーー

《テレスクレア 城問外》


「なっ!?何があったの!?」

アスハはいきなり城壁が粉砕した事に驚く


「司令官ッ!!テレスクレアが…!防衛は絶望的です!!」


一番避けたかった本格的な市街地戦、けれども今やらないと全てを失う…!



「全軍テレスクレアで敵を迎え撃て!!」

テレスクレア軍が後退しようとした時、目の前の一人の少女に軍の全ての人が注目する


「あなたは…」

確かクラスマッチの時の…名はシェルンだったっけ…?

だけど髪は白髪だったはず…人違い?

それにしても…あの子に似てるような…





「昔々あるところに神様が居ました」

唐突にシェルンそっくりな女の子が喋り始めた

「神様は人々に力を与えました」

少女は足を伸ばし座りながら一冊の本を読み上げていく

「神様はみんなに愛されてました」

長い髪から覗く目はどこか悲しそうだった

「人々は神様の力を讃えたと同時に」

少女の目はゆっくり閉じていく

「恐れました、怖かったのです、神様の圧倒的な力に人々は恐怖していたのです」

全兵士がその少女の話を耳にする

「人々は与えられた力で神様を殺そうとしました」

少女は顔を伏せる

「神様は怒りました。そして悲しみました」

ゆっくりと目を開ける

「神様は敵対する全ての人間を返り討ちにし、力を奪いました……そして長い長い眠りについたのです……………お終い」


少女は本をパタンと閉じる




少女は街の方に歩き始める






周りの兵士やアスハは止めなかった、というより止める事が出来なかった



バタッ…


バタバタッ………


周りの兵士全員が倒れた


いつの間にか斬られていたのだ


アスハも例外では無かった、右肩から左横腹にかけて斬られた痕がついていた



唐突に結果を押し付けられたような、アスハはそんな気さえもした



消えていく意識の中、少女がひたすら歩いていくのをただひたすらアスハは見ていた

その後ろ姿はどこか懐かしいような気がした



ーーーーーーーーーーーー

《テレスクレア中央病院》


「そんな……」

シケットは空を埋め尽くしている魔物を見て絶望をしていた


「このままじゃ…!?」

私の村の時と同じだ


みんな…みんな死んでしまう


「させないッ…!ぐっ!?」

シケットは立ち上がろうとするが、足に力が入らなくなり力無く転ける


「駄目ッ…!駄目なのにッ…!」

こうしている間にも魔物がテレスクレアに入っていく



「なんで……なんで私はこんなにも無力なの?」

この力をもっと使いこなせれば…

もっと強くなっていれば…


「あぁ…私はまた後悔するんだろうな……」

シケットの視界は徐々に暗くなっていく


















「おはよー師匠の所の猫ちゃん」



「!?」

ふと顔を上げると、そこには知っている顔があった


「状況を教えて欲しい………ってのは愚問かな……まぁ、待ってなよ、直ぐに終わらせるから」


「あ、あぁ…良かっ…た……」


シケットは安心したように眠りにつく











「まったく…最近は特に騒がしいわね」

舞浜ななゑは呆れつつも剣陣を召喚し戦場に身を投じた



目指すのは城門前


「ギルドの連中は何やってんだか…」

そうぼやいていると正面から奇怪な化物が二体現れななゑを襲おうとする


「ちょっと通りますよっと」

剣陣《虚空》を一振り


ズシャアッ!!

直後化物はバラバラに切断された



続いて襲ってきたのは鳥型の魔物


「鬱陶しいなぁ…」


剣陣をいつもよりも大振りに降るう



「目障りなのよ」



ズシャアァァァァァ!!



襲いかかってきた鳥型の魔物は一刀両断される…がそのままでは終わらなかった



ズシャズシャズシャアァァァァァァァァァァ!!



ななゑの頭上、上空に飛んでいた魔物が全て切り落とされる




「せっかくの晴天が台無しじゃない」

ななゑはそう言って雨宿り出来そうな家の屋根の下に入る


ザァァァァァ…


時間差で落ちてきたのは血の雨


直ぐ血の雨は止みななゑは目的地を目指す



少し走った所である人物が地面を這っているのが見えた


その男はフードを被っていた

「レジスタンスかな?」


男は両脚を失っていた。私の斬撃が届いたのだろう


「マルクス…アイツ失敗シタノカ…」

「何に失敗したのか知らないけど、大体あんたらのせいでこうなったってのは分かったわ」

「フッ……殺シタイナラ殺セ」

「放置で」


「ア?」

「今急いでるから」



そう言ってななゑはレジスタンスの人間を放置して走り始めた



今はレジスタンスどころではないのだ

ななゑの位置から見えているはずの城壁が無い、理由はこれで十分だった



「ななゑ殿…!?もう怪我は大丈夫なのですか!?」

不意打ちに話しかけてきたのはタキリとセルフィを担いでいるティグスだった

「ティグスあんた…!?」

ボロボロのティグスを見てななゑは




「意外と力持ちなのね…」

通常運転だった

「今はそれどころでは無いのですが…!?」

「分かってるわよ」

そう言ってななゑが走り出そうとするとティグスに止められる


「シェルンを…頼みます…!」

「ん?なんでシェルン?」

「それは……」


会話は割り込んできた斬撃により強制的に止められる


「おっとと…」

ななゑとティグスはバックステップで避けた


斬りかかって来たのは髪が黒く染まったシェルンだった

「あれ?シェルン髪染めた?」

「………………」

「え?無視?」

「ななゑ殿!シェルンは今正気を失ってるのです…!」

「え?なんで?」


「『我が右手に宿れアゾット』

『我が左手に宿れアロンダイト』」

シェルンは詠唱を唱え両手から剣を構築し、ななゑに斬りかかろうとする


「……へぇ?」

ななゑは不敵な笑みを浮かべ剣陣《虚空》をシェルンの持つ二振りの剣を斬る軌道で振るう


パキィンパキィン!!

「剣陣が二つ以上もあって驚いたけど大したこと無いわね」


「『貫け…グングニル』」

シェルンは背中に仕舞っていた本を取り出しそう読み上げた直後


何も無い空間から槍が現れななゑを襲う


「ん…?」

ななゑはふと疑問に思った


キィィンッ!!


ななゑの剣陣により槍は二つに割れる


「なんでそんなに必死なのかしら?」


ななゑはそう言った



ーーーーーーーーーーーー

《ギークダイム キャンプ地》


「どうなってんだこりゃ…」

レジスタンスのジャックとメストは困惑していた、なぜならギークダイムの兵士が一人残らず斬り殺されていたいたからだ


「マジかよ…」

「マジだ」


ジャックの問いを返したのは剣を片手で持っている男だった

「待ってれば来ると思ってたぜ…さぁ、あいつの居場所を吐いてもらおうか」

ホーロットは剣を二人に突きつける


「お前が噂の英雄ってやつか?」

「答える義理は無い」

「だったら俺らも教える義理なんてねぇよ♪」


メストとジャックは剣陣を召喚して臨戦態勢をとる


「先制攻撃だぜ!」

ジャックは背中に炎の翼を纏いホーロットに斬り込みに行く

「単調だな……ん?」

ホーロットは反撃をしようとするが違和感に気づき攻撃を中断、そのまま回避行動に移りその場を跳躍

直後足場が爆破され爆破音が周囲を埋める


どうやら突っ込んで来た敵は幻覚らしい

「意外と知的だな」

おそらく後ろに居る少女が幻術をかけるタイプの剣陣なのだろう

もう一人の男をサポートする形で立ち回っている

「ちゃんと学校行ってたらかなり上位に食い込めてただろうに」

ホーロットは剣を何も無い空間に振り下ろす


「おっと!?」

身を翻し回避した姿を見せたのはジャックだった

「幻覚のかけ方が甘いな」

「くっ…!?トリックスター!!」

メストは自分の幻覚で分身を多数出現させホーロットに襲いかかる


現れた幻覚の分身は5人


ホーロットは最初に斬りかかって来た二人を素通りし、二人の剣は空振る

3人目が来た所でホーロットはメストの剣を叩き落とし首を掴み持ち上げる

直後、残りの二人の幻覚が消える

「あっ…ぐぅ!?」


「テメェ!メストを離せ!!」

「なら交換条件だ、奴の居る場所を答えろ」

「奴って…アルドさんのことか…?」

「そうだアルド・ゲート…奴の居場所を吐け」

「居場所…?はっ…!ふざけんなよ…!あの人の居場所を奪ったのはお前等だろうがッ!!」

「なに…?」

「元々テメェらの所為なんだよ!何もかもな!!」

「話が見えんな」

「なんであの日アルドが女王を殺さないといけなかったのか…お前らにはわかんぇよ!」

「当然だ…大罪人の気なんて知りたくも無い」

「だから女王はアルドさんに助けを求めたんだよ!」

「何を…言っている…?」

「おかしいと思わなかったのかよ!?アルドさんの行動に!?」

「………奴の行動など知ったことか…!」

「アルドさんは女王の境遇を助けようと…!」

「黙れッ!!!貴様の詭弁は聞き飽きた!貴様の言う通りアルドが女王を助けようとしたのだとすれば女王は生きているはずだ!だが俺はこの目で見た!女王が剣で貫かれた所を!」

「それは…!!!」






「ちょっと待ってね」


現れたフードを深く被ったそれはホーロットとジャックの間に割り込んだ


あまりの殺気にホーロットはメストを離しその場を跳躍し距離を取る



「何年振りだっけ?最後に会ったのは女王様の前だったかな?」

それは深く被ったフードを勢いよく脱ぐ

その顔は指名手配された有名な大犯罪者


「僕のこと忘れちゃった?あの時もしたけどもう一度自己紹介しようか、僕の名前はアルド…アルド・ゲートさ」

アルドはそう言い微笑む

「アルドさん…!今まで何処に居たんですか!?俺達ずっと探してたんですよ!?」

「久しぶりジャック、でも今はこの人とお取り込み中だからまた別のところで会おう、僕の連れ…っていうかコトハが居るんだけど、とりあえずメストと一緒に合流してくれない?」

「あ、あぁ!わかった!行くぞメスト!」

「う、うん…また会えるよね?アルドさん…?」

「うん、今度は逃げないから」


それを聞いたジャックとメストはその場を走り出す


「あれ?追わないんだ?」

「やっと……やっと見つけた…もう追う必要は無い…」

ホーロットは静かに剣を構える

「これは罪滅ぼしだ……お前を殺すのが今の俺の存在理由…この日をどれだけ望んだか…」

「人の感情ってのは単純だね…常々そう思うよ」

「黙れ」

「あっそ」














ーーーーーーーーーーーー

《テレスクレア中央広場》


「あなた…本当にシェルン?」

ななゑは広場の椅子に座りながらシェルンに問う

「ぐっ…………!」

シェルンはうつ伏せのまま起き上がろうとするが力が入らないのか起き上がれない様子だった


「流石…」

ティグスはそう言うしかなかった


ななゑとシェルンの攻防はななゑの一方的な攻撃で幕を引いた


「どっかで見たことあるのよねー…師匠のあの事件の後色々私調べてさ、その時に出てきた写真とあなたそっくりなのよ、あっ、丁度持ってたわ」

そう言いななゑはコートの中から写真を取り出した。その写真には…


「これは…女王様…!?」

「女王様は美しい黒髪の持ち主って記録に残ってるわ……あなたの髪綺麗ね?」

ティグスは信じられ無いのか、まじまじとシェルンの顔を見る


「そんな…なんで…」

「必死で気づかなかっただけよ」

ななゑはそうティグスに言ってシェルンに近づく


「あなた死んだはずよね?何で生きてるの?」

「…………………」

「今まで白髪だったから気づかなかったよ、でもあなたがもし女王なら全ての疑問の紐が解ける」

「………………」

「気になってたのよ、ティグスの剣は他人に教えられるものじゃない、ましてや師匠の教えだったとしてもそんなに簡単に人は強くならない、だけどあなたは強かった、生徒会長を倒し、学校で有名な剣陣使いの双子にも結果的に勝利に導いた、ましてや二刀流……短期間で人が扱える量を遥かにオーバーしている、だけどこう考えれば自然よね?

《最初から剣の扱いを知っていた》って考えれば」

「……………………」

「女王は剣の稽古をしていた記録が残ってるわ、さぞ強かったらしいわね…しかも二刀流…初めて剣を握る人が二刀流の方がしっくりくるなんてこと自体が有り得ないのよ、でもねシェルン…あなたが女王なら全然有り得る話なの」

「……………………」

「でもわからないのは何故あなたが生きているのかということ」

「……………………」

「ねぇシェルン……答え合わせをしましょ?」





「以前までの私は13年間の記憶が有りません…いや…ありませんでした……」


重い口を開きシェルンは語りだす


「でも思い出してしまったんです……私がなんでこうやって生活出来るようになったのかを…

知らない方が幸せでした…………





私は国王が憎い…

そして私は謝らないといけません…アルドさんに…せっかく自由にしてくれたのに……


今から話すのは私の…いや女王としての私が一人の旅人に救われた13年間の記憶です…」





ーーーーーーーーーーーー

《シェルンの過去》


少女は橋で準備体操している男を見つける

『何をしてるんです…?』

『え…?飛び降りる準備』

『なんでっ!?』

『大丈夫、自分死神に好かれてるみたいで今までに何回もこんな事あったけどなんとかなったから』

『いやだからなんで飛び降りようとしてるんですか!?』

『旅人ってのはいろんなことに挑戦したい生き物なんですよ…』

『いや危ないよ!?死んじゃうって!』

『なんで止めてくれるんですか?』

『い、生きてれば良いこと有ると思うから……………………ゴメン嘘…』

『ん?嘘とは?』

『私死にたいの…』

少女はそう男に言い、語り始めた


夜風が頬を撫で、少女の短髪を軽く巻き上げる

『私生きてても楽しくないし、身分の所為でやりたいことも出来ない、もちろん友達も出来ない…こんな人生まっぴらゴメンよ…』

少女はそう言った

『友達居ないのかい?』

『うん…』

『じゃあ、僕が友達になってあげるよ』

『本当!?』

少女は目を輝かせながら聞き返す

『嘘は吐かないさ』

『じゃあ私死なない!』

『うんうん』

『もちろんあなたもね!死ぬかもしれないから橋から飛び降りるのもダメだよ!』

『え?』

『友達になってくれるんでしょ?それに嘘は吐かないってさっき言ったじゃない』

『あはは…参ったな…』

『ふふっ…!口は災いの元よ』

『そういえば君の名前は?』

『そういうのは自分から名乗るのが筋じゃないの?』

『あ、ゴメンゴメン…僕の名前は



アルド……アルド・ゲートさ』

『私の名前は…えーと……』

『王女様だよね?』

『し、知ってたの!?』

『当然じゃないか、王女様なんだから』

『じゃあ何で聞いたのよ!王位継承されるまで私名前無いのよ!?』

『そうだね、だから僕は君を姫って呼ぶよ』

『うー…なんか釈然としないけど…よろしく』

『こっちこそよろしく』

『早速何か話して!』

『唐突だなぁ…そうだねぇ、じゃあ僕が旅をした事でも話そうかな、それが終わったら剣の神様の話でもしようか』

『わーい!』

こうして私は毎晩城を抜け出してアルドが居る橋の所に行った、彼の旅の話は新鮮でとても楽しかった、そうした日々を過ごして行く内に王位継承の時期が近づいて来た


『嫌だな…』

『どうしたの?』

『王位継承…明日なの…』





『良かったじゃない、名前が貰えるんだよ?』

『王位継承が済んだら今までみたいに城を抜け出せないわ…あなたとも会えなくなる…』

『また死にたくなった…?』

『うん……』

『姫』

『何…?』

『自由になりたい?』

『当たり前じゃない…女王なんて座要らないよ…』

『わかった』

『え…?』

『王位継承の日、君を殺してあげる』

『そう…ありがと……だけどあなたに会えなくなるのは寂しいわね…』

『誰も別れるなんて言ってないよ?友達だからね』

『私を追いかけて死ぬとかだったら許さないわよ?』

『君を転生させる』

『は…?』

『君と最初に会った時のこと覚えてるかい?僕が死神に好かれてるって話』

『あれは比喩表現でしょ…?』

『違うよ、比喩表現なんかじゃない』

『からかうのは止めてよ』

アルドはしょうがないなぁと言いつつ何かを唱える

『死を司る者よ…魂を我が手に…剣陣ヘル

空間から現れた剣をアルドは掴む

『ま、魔法…?』

『近いけどちょっと違うね、とりあえず信じてくれた?』

『う、うん…』

『これで君を殺して生き返させる』

『そんなことが出来るの…?』

『出来るよ、だけど皆の前で君を殺さないと意味がない、一度皆に君が死んだということを知らせるために』

『でもそれだとアルドが…!』

『僕はさすらいの旅人だよ?指名手配ぐらいヘッチャラさ、剣にも自信が有るし』

『私の護衛は英雄ホーロットだよ!?それにお父さんの護衛は剣帝ティグスと聖騎士アスハなのよ!?やっぱり止めてお願い!あなたが死んじゃう!』

『君を皆の前で殺すまで死ぬつもりは無いよ』

『そんな…!』

『昔の僕だったら君を見捨ててた、だけど今は君と僕は友達だ…言ったじゃないか…約束は破らないって』

『本当に…信じて良いのね…?』

『男に二言は無いさ!』

『……ありがとう…………』

最後になるであろう夜風は一時も吹かなかった


ーーーーーーーーーーーー

《テレスクレア中央広場》


「そしてアルドさんは剣陣の力を使って私を転生させました…眼が覚めた時はおじいちゃん…いやティグスさんの家に居て、その時から髪は白くなってて…多分アルドさんがしてくれたんだと思います…女王ってバレないように…」

「13年間の記憶が無いのは?」

「転生のデメリットかもしくはアルドさんがそうしてくれたか…」

「じゃあ気になった事を聞いて良いかしら?」

「なんですか…?」




「女王としての13年間の記憶を失っていた…それは分かる……だけどねシェルン、あなたはどうしてこのタイミングで思い出す事が出来たのかしら?」

「ッ!?」


嫌な予感がした


「アルド・ゲートがあなたを利用する為にこのタイミングで思い出させたんじゃないのかしら?」


そんなわけない

「…………」


否定したいのに言葉が出ない


「現にレジスタンスが今此処を攻めて来ている……レジスタンスとアルドが繋がっているのは知っている…という事はあなたはただの駒…」

「黙って…ください…」

「その記憶だってアルドが書き換えたものかもしれない、転生出来るのなら有り得る話よ」

「黙ってくださいッ…!!」


シェルンは叫ぶ

ななゑは構わず続ける


「まぁ事情はこの事態を収拾してからにするわ、それまで地下シェルターに逃げてくださいね 女王様」


「私の名前はシェルンです…!」

「女王の名前は継承式で貰えるもの、その名は捨てた方が良いよ」

「嫌…です!」

「どっちにしろ、気絶してもらった方が速いわね」


ななゑはそう言いシェルンの首筋を狙って手刀を繰り出す






手刀は迷いなく首筋に迫るが寸前で止まる



「やめて貰えるかしら?」

私は目の前で起きた出来事に対して凝視せざるを得なかった


ななゑの手首を掴んだのは左手に本を抱えたシェルンだった


「やっと会えたわね…もうひとりの私」

「だ、誰なのあなた…!?」

「簡単そうでその問いは難しいわね」

シェルンの問いに対してシェルン似たそれは、ななゑの手首を掴んだまま答える

「あえて言うなら女王様かな」

「ふざけんな」

ななゑはそう言い剣陣《虚空》を振るった

「野蛮ね」

もうひとりの私は本を盾にし剣陣《虚空》を受け止めた

「なっ!?」(《虚空》で切れない…!?)

ななゑは手を振り払い後ろに後退する


「大丈夫?もうひとりの私?いやこの場合シェルンと言った方が良いわね」

「あ、あなたは…」

「それは聞くだけ野暮ってもんよ、とりあえずその黒髪なんとかしなさい、見分けがつかなくて困るわ」

そう言うともうひとりの私は私の髪を撫でると自分の黒髪が元の白髪に戻っていく


「あぁ、後あなたの力を貰うわね、シェルンとしてのあなたには本当は必要無いものだから」


完全な白髪に戻るともうひとりの私はななゑさんとおじいちゃんを視界に捉える


「そこの二人には私の自由の為に死んで貰うわ」

「断るに決まってんでしょうが、というかあなたは何者?どう見ても黒幕にしか見えないのだけど?」

「黒幕?笑わせるわね、私は時期女王になる筈だった名前の無い一個人よ」

「会話が通じそうな気がしないでも無い、話し合いで解決出来ればそれに越した事も無い…あなたはそう思うかしら?」

「話し合いで解決?あんた達と出来るわけ無いじゃない…」

「残念ね…女王様と思わしき人物に剣は向けたく無いのだけど…とりあえずティグスはこの場を離れなさい、そこに倒れているシェルンと一緒にね」

「それは困るわ、私もシェルンと話す事があるんだから」

「上手くやりなさいティグス」

「中々な無茶振り…とりあえずやってみましょう…」

ティグスはタキリとセルフィを安全な所に避難させ魔力がほぼガス欠寸前の杖を構える

「背中を向けて全力で逃げれば一人は逃げれるかもしれないわよ?」

シェルンに瓜二つのそれはそう言う

「なんで負ける前提で話してんのよ…よっぽどの自信があるようだけど、相手が悪いんじゃないの?女王様?」

「女王って長いから姫にしてもらえる?昔はそう呼ばれてたし」

「そんなもんどっちでも良いわ」

ななゑは剣陣《虚空》を姫の足を斬る軌道で振るう

「せっかちねぇ」

キィンッ!と小気味良い音が姫の足元で聞こえた。姫の足元には黒い怪物が纏わり付いており、姫の足を防御している

「っ!?なんで斬れないのよ!?私の剣陣は物体ならば全てを「斬れるって?」…!?」


ななゑの言葉に被せるように姫は言う


「甘いのよ考え方が…だからホーロットにも負けんのよ…あんたが第一級特異点の剣陣使いだったとしても、私はあんたには絶対に負けない自信がある。なんでそんなに自信があるのかって?それはあんた達が剣陣の本質を知らないからよ」

「剣陣の本質…?」


「知らなくてもいい事よ、契りを交わせ剣陣《契り剣》…!」

姫の左手に持っていた本が消え代わりに右手に現れたのはシェルンが使う筈の剣陣

「な、なんで私の剣陣を…!?」

「それは私があなただからよ…我が契約に従い具現せよ、ソロモン王!」

姫は契り剣を地面に突き刺しそう命令をすると、背後に巨大な玉座に座った一人の男が現れる、その男には自然と王の風格を感じた

そんなことよりも…

「ソロモン王…!?」

『ん…?なんだ貴様かシェルン…だが俺を呼んだのは別の奴か』

私の夢の中で何度も助けてくれた人、その人が目の前に居る

『貴様に話したい事があるが…今はそれどころではないようだ』

「よくご存知で」

ななゑはソロモン王に向けて俊速の斬撃を飛ばしてくる

『この程度か…俺が直接手を下すまでもない』

ガァィィンッ!!

鉄と鉄がぶつかり合うような音が聞こえる

『我がソロモン72柱一角ゼパル、仇なす敵を根絶やせ』

ソロモン王の前に現れたのは赤い鎧をつけた騎士だった


「なんだってのよ…その連続召喚は…」

召喚士が剣陣を召喚し、剣陣がソロモンを召喚し、ソロモンが悪魔を召喚する

「これが本来の《契り剣》の使い方よ、契約を結び続け化け物を召喚し続ける…まだ真骨頂ではないけどね」

「私の剣陣《虚空》は常々チートだと思ってたけど…あんたも大概にチートね…だけどあんた自身は強くないはずよ」

ななゑの標的がソロモンから姫に移り変わる

剣陣《虚空》を振るい姫の右腕を狙いに行く


キィン…

小さく弾かれた音がした

「まだ言ってなかったけど、私は契約上ソロモンを倒さなければダメージは通らないわよ」

「じゃあソロモンから潰せば…!」

『悪いが我もこの悪魔との契約で先に悪魔を倒さなければ我にダメージは入らない』

「は、はぁ…?だったら先にその悪魔を……ってまさか…」

「もう察しがついてるんじゃないかしら?その悪魔も契約を結んでいる小悪魔が居るわ、その小悪魔は今テレスクレアに居る100匹以上の雑魚悪魔…ついでに言うとその雑魚悪魔達同士でも契約を結んでいるから実質上100匹以上居る雑魚悪魔の中の契約を結んでいない1匹を見つけて倒さないと次に進めない……ってこれもまだまだ序の口よ?さぁ、どうするのかしら?」


「何の冗談よ…」

「ちなみに雑魚と言ってもジャバウォックの集団だから中途半端な兵士を集めた所で無駄に死ぬだけよ?」

「ティグス…!軍に連絡を取って雑魚悪魔を片っ端から…!」

「軍じゃどうにもならないって言ってるじゃない…それに軍なら私が直々に全員斬ったから誰も来ないわよ」

「…………………」

「王手…いや詰みかしら?」

「あんたは今から後悔するよ」

ななゑは鞘のみの剣陣《虚空》を水平に持ち目を閉じる

「虚空よ…理に反し千の刃を内包させ剣の荒野とせよ!!『ソードレクイエム』!!」

ななゑを中心に足元の円がどんどん大きくなり広がっていきテレスクレアを囲む程の大きさになる


「斬り伏せるッ!!」

ななゑはそう叫ぶと地面から剣先が飛び出しゼパルに向かう、ゼパルは難なく向かってきた剣先を砕く

「その子にダメージは入らないってさっき言ったわよ?」

「どうかしら?」

砕かれた剣先は枝分かれするように生え変わり二つの剣先が再びゼパルを襲う、一つは砕く事に成功するものの、もう一つの剣先がゼパルの首に突き刺さる

「………なるほど」

姫は周囲を見渡すとジャバウォックが突き刺さっている剣先があちらこちらに有るのが見え、それはまるで剣山のように見えた

「今の一瞬でジャバウォックを全滅させゼパルを倒したと…二重召喚デュアルサモン無しでこの魔法…あなたが新たな境地を知っていたのなら私を倒せたかもしれないのに…本当に残念」

「追い詰められてんのはあんたよ!」

ななゑは続けて剣陣《虚空》を振るいソロモンの首を狙う

「ほんとに残念…二重召喚デュアルサモン


契り剣が消え代わりに現れたのは一冊の本


「《第一章、ソロモン72柱》…現れよ、バエル、アガレス、アモン、マルコシアス」

ソロモンの前に立ち塞がるのは甲冑を纏った4匹の悪魔


「受け止めなさいマルコシアス」

マルコシアスと呼ばれる悪魔は前進しななゑの攻撃をギリギリに受け止める

「ちっ…!?ならもう一度…!「奪いなさいバエル」ッ!!?」

バエルと呼ばれた悪魔は右手を前に出す


ただそれだけでななゑは動きを止めた

ななゑの視界は暗転しており何が起きたのか本人には理解できなかった

「な、何をしたの…!?」

「暗いでしょ?当たり前よ今あなたの視力を奪ってるんだから、でも一時的なものだから気にしなくても良いわよ」

「くっ…!!?」

「怖い?降参しても良いのよ?まぁ殺さないとは言ってないけど」

「誰がこれぐらいで…!!」

「あっそ…落としなさいアガレス」

アガレスと呼ばれる悪魔は拳を地面に叩きつけ地にひびを入れ地割れを起こす


「あっ…」

「一緒に落ちちゃえこの国と共にね」

ななゑは足元を奪われなす術もなく落ちる

「ななゑ殿…!!」

ティグスは地割れの穴に飛び込みななゑを受け止めると壁を蹴り地上に上がる


「流石剣帝ティグス…歳の衰えを感じさせませんね…アモン、マルコシアス…燃やしなさい」


アモンは左手をマルコシアスは右手を開きその双方手から恐ろしい出力の炎がティグスを襲う


「間に合え…!」

ティグスは魔障石の魔力全てを使い光の壁を作る

「無駄よ」

炎がティグスとななゑを包み込み不完全な壁を焼き払った

「ガハッ…!」

最後の気力を振り絞りティグスは助かったかどうかわからないななゑを地割れの穴に落ちないように突き飛ばす

突き飛ばした反動でティグスはななゑとは反対側の地面に落下した


「これぐらいでいっか…」

そう言うと姫は呼んだ4匹の悪魔を消しシェルンの方を見る


「殺したらあなたが怒るでしょ?」

「なんでこんな…!」

「私の記憶をもう忘れたの?あいつらは私の恨む国の騎士なのよ?」

「あなただって…!私の記憶があるはずです!おじいちゃんは記憶を無くした私を助けてくれた恩人なんですよ!?」

「だから手加減したんじゃない」

「手加減…?」

「殺さなかっただけありがたいと思って欲しいわ、今はあなたに免じて殺さないであげるけど…実際の私の憎しみは相当なものよ?」

「あなたの憎しみは分かります…だけど…!」

「あなたの主張は分からないわけじゃないわ、だからこそ言わせてもらう、私と共に来なさいシェルン」

「………え………?」

「素性がバレた今あなたはあの憎き王に目を付けられるわ、そしたらあなたの主張に関係無くあなたは不幸になる…同じ身の私からすればそれは気の毒過ぎる…今なら逃げれる」

「あ…いや……私…は……」

「もうあなたの居場所はここには無いわ」


頭が真っ白になった


ここにはもう私の居場所が無い…?


嘘だ


「私は…私はシェルンです…!女王じゃない…!私には関係無いッ…!」

「世間がそれを許すと思う?ましては王がそれを許すと?あの身勝手な王の事はあなたが一番良く知ってるはずよ」

「嫌…だ…!私は…私は…!」

『シェルン』

言葉を発したのはソロモンだった

『以前会った時の話を覚えているか?』

「っ………」

『我がお前に手を貸していたのはお前が我と同じ王の器を持つ者だからだ』

「聞きたくない…!」

『聞けッ!』

「ッ!?」

ソロモンは言い聞かせるようにシェルンに言う

『もう我がお前に手は貸さない…今のお前にはその器は無い…分かりにくいだろうから分かりやすく言ってやる…貴様には王としての力はもう無い』

「え……?」

『そう俺は判断する…このまま此処に残れば、お前は王の器無く王となり民を苦しめるであろう…それが嫌ならこの姫についていけ』

「……………」

「それにねシェルン、私他にも気になる事があるの」

「なんですか……?」

「根本的な話よ、なんで私達は二人になったのかって事よ」

「どういうこと…?」

「私はあなたの中で眠っていたもう1人の人格、正確にはあなたの無くした記憶を持った者よ、アルドのおかげで私という女王は死に新たな人生としてシェルンが出来た…なら何故死んだ筈の私がここに居るのか…正直私にはわからない、これはアルドの仕業でも無いだろうし…私達がこうなってしまったのも何か原因がある筈、一度アルドと会って話す必要があるわ」

「そこに私は必要なのですか…?」

「まぁ、最終的にはあなたの意見を尊重するつもりよ、決心がついたらフォレストンに来なさい」


そう言い姫と名乗った私は私に背を向け歩き始める

「そう言えば最後に聞きたい事があったの忘れてたわ」

「…?」

「どうやってあなたフォレストンからここまで来たの?」

「先生には嘘を付いたけど…剣陣の力で…」

「そう、ありがと」

その後姫はどこかに歩いて行った



「私はどうすれば良いんだろう…」

居場所を捨てるか自由を捨てるか

「ぐっ…」

呻き声が聞こえた

その声の出処はティグスのものだった

「大丈夫おじいちゃん!?」

火傷による損傷が激しいのは見てすぐわかった

「シェルン……今から言う話を良く聞くんだよ…?」

それでも構わずティグスは語る

「う、うん……」

「この国から逃げなさい…ここに居たら不幸になる…」

「な、なんで…?私はシェルンなんだよ…?女王とか関係無いんだよ…?」

「少なくとも私はそう思っておるさ…だけどこの国はそれを許さないだろう…だから…シェルン…


□□□」


「おじいちゃん…?」

最後の言葉は発声されず、口が少し動くだけだった

そして、ティグスは動かなくなる


「そん…な……」




ーーーーーーーーーーーー

《テレスクレア崩れた城壁外》


『なぜフォレストンなのだ?』

ソロモン王は姫に問う

「そこに居るはずなのよ、この世界を歪めた黒幕が…」

『そうか…シェルンは来るだろうか?』

「来ないわよ」

『なぜ断言出来る?』

「私は大事な人を殺したもの」

『加減しなかったのか』

「えぇ…」

姫はどことなく悲しい顔をしていた

「やっぱり許せないから」

『今度はシェルンに憎まれることになるぞ?』

「大丈夫よ…あの子の手は血で汚れない」

『それはシェルンが優しいからか?』

「それもあるけど…理由は他にもあるわ」

『ほう?』

「憎む対象が私である限りあの子は私に勝てない、つまりあの子の手は汚れない」

『アルドがやったようにお前も濡れ衣を被り生きるつもりか?』

「何のことかさっぱりです」

姫は歩き始める

目指す先はフォレストン




ーーーーーーーーーーーー

《ギークダイム キャンプ地》



何で…何でだよ……


ホーロットは朦朧とする意識の中で自問自答をしていた

手に握られているのは折れた剣

勝敗は火を見るよりも明らかだった


「まだ届かねぇのかよ……!」

「いいや、届いたさ」

アルドは自分の武器を持ち直す


その武器は鎌の形状をしていた


二重召喚デュアルサモンソウルサイズ……正直ここまで本気を出さなきゃいけないとは思わなかったよ、強くなったね」

「お世辞は要らねぇ…殺せ」

「いやー止めとくよ、進んで人を殺すのはあまり好きじゃないし」

「ふざけてんのか…!?」

「いやマジで、じゃあね〜…と、その前に、聞きたいことがある」

「断る」

「まだ何も言ってないじゃん」

「お前の願いなんざ知らねぇよ」

「まぁ聞くだけ聞いてよ





シケットって子知ってる?」

ホーロットは折れた剣を投擲しアルドの首を狙うが剣陣に弾かれてしまう


「知り合いっぽいね、じゃあまた君との溝が深くなるなぁー…」

「どういう意味だ…!?」

「諸事情で拉致するだけだよ」

「ふざけんなッ!!」

「まぁそう怒らないでよ、じゃあね」


アルドはその場を去る

その背中をホーロットは睨みつけることしか出来なかった


「クソッ…!クソッたれがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」






俺は弱い










ーーーーーーーーーーーー

《学生寮》


「これで良いよね…」


私はあの後荷物をまとめる為に学生寮に来ていた


持っていく荷物は多くは無いが必要最低限の荷物を持っていく


この荷物は旅をするための準備だ



「短かったけど楽しかったなぁ…」


おそらくもう戻る事は無い


初めての学校


初めて出来た友達


沢山の知り合い







「全部…ここで貰った…」



シェルンは荷物を持ちドアノブに手を掛ける





「ありがとう…そしてさよなら……


私の居場所…」



ゆっくり扉を開き

シェルン・ハートは新たな旅に身を投じる




NEXT

#10《奪う者と取り返す者》


作者「何ヶ月振りの投稿か忘れましたw

とりあえず、佳境が過ぎ去る感じですね

キリが良い今回の話、次回からは第2章って区切っても良いかもしれませんね、めんどくさいから多分しませんけど!w

以前居た後書きのメンバーが本編で忙しくて出られないのは残念ですねー…誰か暇な人居ないかなー?」

カエン「俺は?」

カレン「私は〜?」

作者「君ら多分忘れられてるよ?だって登場したの《クラスマッチ》の時ジャン?今から4話も前ダヨ?」

カエン「じゃあこの後書きコーナーの主役を頂くことにするぜ!」

カレン「カエンは前向きね〜」

作者「じゃあもう本編に出さなくて良いな?」

カエン「やめろ!一瞬でここが牢獄に見えたわ!!」

作者「喜んでたじゃん」

カエン「出番をよこせって言ってんだよ!!」

作者「はいはい考えとく考えとくそれじゃあ時間無いからそろそろ切り上げるよー」

カエン「おいちょっとまt」


カレン「それじゃあまた今度〜」

カエン「お前が締めるのか!?」

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