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もうひとつの個性世界  作者: 氷花
第1章 最終決戦
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第54話

遅くなりました

これはどういう事態なのだろうか。


“彼”以外は二人を交互にみる。


その顔。体系。声


「何で・・・?」

誰かがそうつぶやいた。


「理解した?これが真実よ」


その声の主は桜姫だった。


「真実?」

その男はそういった。


「そう。そして、これが最後の試練」


「それはどういう意味ですか?」


以外にも薔薇がそれを聞いた。


「そういえばあなたたちにも話していなかったわね。ちょうどいいわ。ここでこの物語の真実の3分の2を教えるわ」


「それはなぜ3分の2なのですか?」


「言い方が悪かったわね。正しく言えば、3分の2“程度”のことしかしらないのよ」


「・・・」


そういわれてしまったので、返す言葉もない。


「まぁ、私の知っている範囲で答えるわ。とりあえず薔薇や日向といた人たちは少し知ってるはずだけど、私たちが封印をしていたものの存在は知っているわよね?」


それに当てはまる人たちは無言でうなずく。


「その封印は、実際は意味が無かった。というべきかしらね。私たちが実際行っていたことは封印ではなく、枷をつける。というものだった。

だから、今まで信じ込んでいた封印をしていたものは確かに存在はしていた。けれども私たちが枷をしてもしなくとも世界に影響を与え続けるものであった、ということよ。

ちなみに今まで私たちはこの世界にもともといたような存在になっているけれど、実際は私たちは後付されたプログラムに過ぎない。つまり、そこにいるルナ、ライトも同じ。

まぁ、言っちゃえば興味本位。実際は使う予定も無かったけど、面白そうだから使ってみた、というのが正しいでしょうね。こんな設定はいらなかったはずだもの」


その言葉に薔薇、日向、紅葉は驚く。

その反応は正しいものであろう。今まで自分たちは何かを封印していたと思っていたものが、実際は違かったということなのだから。


ただ、そのことに少なからず疑問を生じる。


「そのことをなぜ桜姫だけが知っているのでしょうか。それに封印という肩書きになっていたものが存在するということは、そいつは今どこにいるのでしょうか」


その通りである。それぞれが同じものを封印している場合、そのようなことは全員に伝えられるはずである。そして、それほどの力を持つものが解き放たれている以上、何かしらの影響が出ているはずだ。

少なからず的を得た発言である。


「それは、教えられた。ではなく、自分で調べたの」


それも衝撃の発言であった。


「調べた・・・?」


「そ。皆も知ってるでしょ?私の特別な力を」


その言葉に納得がしたのか、それぞれの表情が驚きから微笑みへと変わった。


「相変わらず、あなたは規格外ですね桜姫」


「ふふ。そうね・・・でも、あなたたちにもまだ目覚めていない能力はあるからもしかしたらあなたたちにも新しい力がでるかもしれないわね。じゃあ、本題に入りましょうか」


その言葉にそれぞれの身が引き締まる。


「さっき言った枷をつけていたといったものは、様々な影響を与え続けた。たとえば今回のような、同一人物の出現。私たちのような後付の存在。ゲームバランスを崩したかのような特殊能力といった所かしら。

まぁ、簡単に言えばそこにいるもう一人の夜がその人物なんだけれども。結果的にはこのゲームのプログラミング自体に枷をつけていたということね」


その言葉にその場全員が驚愕を顔に浮かべた。


“夜”と呼ばれる2人の人物は互いに見つめあう。


容姿などは一致。本物の自分を証明しなければ駆除、つまり殺されてしまう。

二人の顔に焦りが見える。


そして、プログラム自体に枷をつける意味。

これにはどの人の顔にも疑惑が残っていた。


「さて、これでざっと3分の2というところかしら?あと微妙に知っていることがあるのだけど、これは最後にとっておくわ。では本題に入りましょうか」


「本題というのは本物探し?」


「まぁ簡単に言えばそういうこと。でも間違えた場合は夜が死ぬことになるわ」


質問をした蒼焔は青ざめる。


「試練の内容としては全員参加。欺き、欺瞞って所かしらね。本物はどうやって自分を本物とアピールするのか。そして偽者が全員を騙し、何かを成し遂げるか」


それは夜にとっては最悪な状態だった。


それはどちらにしても死の瀬戸際まで来ているのだ。

たとえ偽者でもそれは同じ。自分の死は怖いのである。



人はなぜ、死ぬのが怖いか。

それは、人は今までいろんなことを知りすぎたからである。

ゆえに人はこれをすると、このような結果になる。と、信じている。

つまり、先が必ず見えていたのだ。


だが、世界で初めての試みを行った人はその結果が見えないためおそらく恐怖を少なからず感じただろう。

実験が成功したために今の社会があるといってもいい。

その成功を地道に積み重ねていったのが今である。


人はこの先に何があるのかが分からないのが怖い。


死、未来、暗闇などに対して少なからず恐怖を感じたことであるだろう。

何度も言うが、先が見えないのが怖いのである。


理解できないからこそ怖いのである。



「では、最後の裁判 をはじめましょうか」


こうして物語の始まりが終わった。

いよいよ1章完結までもう少しです。


予定では2~3話ほどで終了予定ですかね?

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