~第2章 第1幕 架け橋~ 18~20
注意:殺人が起きます。
登場人物が多すぎてグチャグチャしてます。
中学生の書いた作品です。
無駄に長いです。
似ている作品があったらごめんなさい。
(本読まないのでかぶっているものがあるかもしれません。)
一言:本部では重要用語が多々でてきます。また、なぞが少々解決します。本編の軌道に乗るのは次作からです。
18 『レイピアの謎』 レンア 青ノ国への帰路
クレアが破壊した部屋をみんなで片づけたため帰るのが遅くなってしまった。
「赤ノ国って虚飾の無い国ですよね~♪」
ナミは何故か上機嫌だ。
「ミサ。何でナミはご機嫌なんだい?」
俺の問いかけにミサは嘲笑した。
「知らないんですかレンア様!すごい有名ですよ、ナミは元から思いを寄せていた緑ノ達也と付き合っているとか・・・。」
ミサは珍しくニコニコと笑っていた。
そういえば今日の青ノみんなは不気味なくらい明るい。嫉妬深く、喧嘩っ早くプライドも高い青ノ国には見えない光景だ。
赤ノ国の根明がうつったのだろうか?だとしたら、迷惑とも、ありがたいともいえないなんとも複雑な気分になってしまう。
ミサがうれしそうなのは分かる気がする。なにせ、クレアからレイピアを取り上げたようだ。説教ついでに『昔のようになったら迷惑だ』と言われクレアも渋々レイピアを譲ったようだ。紫ノレイピアは謎が多い開明するためにも、危険を起こさないためにもミサが持つのがいいのだ。レイピアをクレアが振りまわすのも怖い。
「あっ、そういえばレンア様。レイピアなのですが、レイピアには桔梗の精が眠るといいますが、クレアが剣を使用した際には桔梗の面影もありませんでした。」
ミサと俺の疑問は一致していた。
「桔梗の花言葉は“優しい愛情、誠実、従順、変わらぬ愛、変わらぬ心、清楚、気品、正義”と言われている。あのレイピアには何が当てはまると思うかい?」
俺はもう答えを知っている。しかし、ミサと異なる答えならば考え直す必要はある。
「えぇ。クレアが人を殺められると言うことは“変わらぬ心”ではないかと・・・。」
俺は動揺してしまった。まさか答えが異なるとは…。俺が思っていたのは“正義”だった。彼女の正義の心が芽生えたのかと・・・。
「レンア様は“正義”と思ったのでしょう。しかし、人を殺めるのは“真の正義”なのでしょうか?クレアが人を殺せなかった理由は彼女でさえも忘れてしまった過去にあるのです。彼女のまとう硝煙は私と同じもの。昔の彼女は“正義”にも“悪”にもなれない人間だったのです。今の私は珍しく気分がいいので、この際打ち明けましょう。」
ミサが微笑んだ。
「私とクレアと健太と真央そしてレイは紫ノ国出身者です。過去にあった五色戦争で私たちの故郷は負けた。そこに私たちを育ててくれたのはレイの母なのです。レイの母は5色戦争で戦死しました。そして紫ノ国が滅びたのです。その時に私達の記憶と4色の国の人の記憶を操作して私たちは昔からこの国にいたという事にしたのです。レイの母を殺したのはレイピア。クレアが持っていたレイピアなのです。」
俺はさらに驚いてしまう。冷静ではいられない。
「クレアは元青ノ国の王に“紫ノ王女。すなわちレイの母を殺せ、さもないとお前の友人は皆殺し”と言われたようでした。彼女の瞳は恐れと不安に満ちていました。その全てを悟ったかのように王女様はレイピアで殺すようにとクレアに命じたのです。そして、方法は分かりませんがクレアにレイピアで刺させ、自ら去ったのです。クレアをどのようにして納得させたのでしょうね。」
ミサの声は涙で震えていた。何も問いかけてはいけない。そんな気がした。
「その後、クレアは自らの意思で4色ノ王をレイピアで殺した。それが血染めのレイピアなのです。」
なんか変な感じがする。王女は死んだはずなのになぜ彼女たちや俺たちの記憶が操作されたのだろうか。おそらくミサも同じことを考え、同じ疑問を抱いているのだろう。
ミサの目は赤く、まぶたは濡れている。
いろいろと考えるうちに王宮に着いた。本当に赤ノ国は遠い。会議のためだけに行くのは大変だ。
「なぁ、ナミ。4色の国の中心に会議所を作ろうと思うのだが。」
王宮に着いた俺は玉座に腰をかけた。ナミは俺が普段座っている隣のイスに腰をかけて紅茶を啜っている。
「あぁ。赤ノ美咲の話では少し赤ノ国寄りですが今会議所を作っているみたいです。」
ナミは“知らなかったの?”とバカにするように言った。
「ちょうどいいですね。ミサから連絡で今会議所が完成したようですよ。」
ミサは泣いた面影を残さず笑みを浮かべている。
「な、なにかあったのか?」
俺は恐る恐る笑顔の理由を尋ねる。
「すごい建物です。青ノ宮殿よりもすごいですよ。」
ミサは楽しげだ。俺は“青ノ国は世界1”であったほしいから少し嫌だ。嫉妬心が自然に生まれてしまう。
「見に行かれますか?」
ミサは丁寧に聞いてくる。ナミは行きたそうに目が輝いている。女は長旅で疲れないのか?最近は女主役の世界になってきている。
「いや、私は遠慮しておこう。」
ナミはシュンとした。
「2人で行ってくるといい。」
俺はいろいろと手配しなければいけない事がある。彼女たちには見せられない王族関係の資料もある。俺はようやく赤ノ国の王を決めた。あの人が王になるかは分からない。しかしあの人がやらなければいけない運命なんだ。強制的になってでも王にしなければならない。そのためにも1人の時間は大切なのだ。
「では、行ってきますねぇ!」
ナミは遠足に行く子供のようにはしゃいでいる。どうやらミサの魔法で行くようだ。俺は笑顔で見送った。
その笑顔の裏腹、俺は最低なことをしなければならない。これが俺の運命ならば逆らえないのかもしれない。
さて、どうやって彼らの足止めをしようか。
・・・・・。何時間経ったのだろうか。もう窓の外は真っ暗だ。ミサとナミももう帰って来ているようだがミサの気遣いのおかげで部屋にいるのは俺だけだ。
しかし、そろそろ空腹も限界だ。俺は1人、食堂に向かった。
19 『新たな希望』 クレア 赤ノ国
「ねぇぇぇぇぇぇ!どういうことなのよぉぉぉ!!!!!」
私の叫び声が私の部屋に響く。右肩を押さえている私を目の前で耳を塞ぎながら見るのはファクトだった。
「なんで普通に出られないわけ!?なにも毎回毎回攻撃しなくても!」
私が叫ぶ理由は彼の登場の仕方だ。前回同様、銃弾を私に向けてきたのだ。私は前回のように避けることが出来ず肩を負傷してしまった。
「第四英雄も衰えたなぁ。」
ファクトはヘラヘラ笑っている。
「まぁ、そう怒るなよ~クレア!僕が治してやるからよ!」
ファクトはそう言って私の右肩にそっと手を置いた。同時に私の傷が癒えた。
「へぇ。王はやっぱりすごいのね。」
私は彼に聞こえないように呟いたはずだった。しかしその言葉は聞こえたようだ。
「お前もなれば?」
ファクトは軽い気持ちで言ってきた。
「はぁ?ムリよ。私には出来ない。そんな運命よ。」
私は微笑した。しかし彼は私とは反対に重い表情だった。
「クレアなら大丈夫だと思うのになぁ。運命なんか存在しないよ。・・・なんてね」
彼は作ったような笑顔をしている。
「そういえば何をしにきたの?」
私は彼の表情を見るのが耐え切れず話をそらした。
「あぁ!そうだったな。なぁ、クレア今変だと思わないか?」
私は首を横に傾げた。
「なんで大声をあげても誰も来ないんだ?」
ファクトは嫌味っぽく言ってきた。
でも確かにそうだった。普段なら美咲か夕菜が怒りに来るか、美羽や翔大が心配してくるかどちらかなのだが今日は誰も着ていない。
「あっ!!みんなどこに行ったの!?」
私は慌てて会議室に向かった。
会議室には誰もいなかった。みんなの部屋も見たが誰もいない。おそらくファクトは理由を知っているだろう。私は自室へと走る。
「健太!」
私はドアを開けると同時に何故か“健太”と叫んでしまった。彼は今ファクトの姿のはず・・・?良く見ると私のイスに腰掛けているのはリボルバーをいじっている健太だった。
「へぇ、クレアって人が変身を解くのがわかるんだ。」
健太はぶつぶつと何か行っている。
「あなたも銃剣士でしょう。でっ!?なんで誰もいないの!!!」
私は健太の耳元で叫んだ。
「うるせぇなぁ。」
健太は耳を塞いでいる。
「お前、美咲から聞いてないのか?今日は赤ノ国が作った“会議所”の完成式典があるんだよ。」
「え~。また、どこかに長旅するの?」
ついついため息が出てしまう。
「それがな、青ノミサがワープポイントを作ってくれたから全然歩かずに行けるんだ。各王宮からすぐにな!まぁ、赤ノ国の場合は王宮ではないが、地下室にできたんだ」
健太がイスを降りて歩き出したので私も後を追った。
「ねぇ?どこ行くの?ていうかここは地下あったけ?」
この建物は1階が会議室、食堂、大広間。2階は各自の部屋、3階は練習場(&ジム)のはずだ。地下室などは無い。
「この前、ミサが作ったらしいぞ。」
「ふ~ん。」
私は半信半疑だったが地下に続く階段を降りきるとすごい光景を目にした。
「わぁ~。」
私はつい感激の声をあげてしまった。頭上には巨大なシャンデリア、鏡で埋め尽くされた壁、真っ赤なカーペットで埋め尽くされた床が目の前に広がっている。
「すごいだろ~。レンアも驚いたぜ!この舞踏会用の大広間はそのうち青ノ国の王宮も真似するんだろうな。うちの国は虚飾や嫉妬に惑わされないがな。」
健太はヘラヘラ笑っていった。
「なによ。虚飾って。」
私は俯きポツリと呟いた。健太は私の言葉に気づいて。
「ゴメンゴメン、これはミサが作ったから赤ノ趣味ではないな。青も緑もどうして自分を着飾るのだろうか・・・。まぁ、強欲と言われる黄ノ国も変わらないか。」
そう、4色の国はみな個性が溢れている。個性はどの国も6つある。
赤ノ国は根明、憤怒、親切、行動力、怠惰、武力。青ノ国はプライド、嫉妬、短気、上品、知識、虚飾。黄ノ国は暴食、友情、勇気、偽善、強欲、親切。緑ノ国は権力、傲慢、表裏、後悔、忍耐、忠実。
覚えている人は少ないが何故か私は覚えている。無駄な雑学を覚えるのならばしっかりとしか学業を憶えたいと何度願ったか・・・・。
「健太も国の個性を覚えてるんだ。」
私はまた歩き出した健太を小走りで追いかけた。
「あぁ。何故かは分からないが覚えているんだ。不思議だよなぁ。この世界はさ。」
健太は笑って私のほうを振り向いた。
舞踏会用の大広間を抜けると長い廊下があった。ここも、赤いカーペットが一面にしかれている。
「ねぇ。『ゲームはプレイヤー40人と大勢のcomです。仲間は同じクラスの人々。』って聞いたことある?」
私は、あの時不意に聞こえた言葉を健太に聞いた。
「ゲーム・・・?まずそれが分からない。ここはゲームなどではないはずだ。百歩譲ってゲームだとしたら俺たちのゲーム以前の記憶があるだろう。」
健太は足を止めずに進んでいく。
「でもさぁ。俺も少し疑問に思う言葉があるんだ。『リグレットゲーム』どんな意味なんだ。もしかしたらクレアの行っていることと繋がるかもしれない。」
この国がゲームだとするのならば、レイを含めれば、王、銃剣士、看護師、魔術師は4色合計40人。なにもおかしいことは無い。
その他、国民、敵などがcomだと言うのならば彼らには偽りの感情なのだろう。ゲームをどうやってクリアするかは分からないが早くゲームをクリアさせなければいけない。そのゲームの名がリグレットゲームだと言うのならばその意味を深く調べる必要がある。」
健太と同じ疑問を抱いていることに少しほっとした。最近、悩み事を一人で抱えることが多いため話を聞いてくれるだけでもうれしくなる。
「でもさ、クレア。たとえ人間で無いとしても人を殺すのが正義とは限らない。君が今まで人を殺めることができなかったのはそれが理由だろう。お前らしくしろ。それでいい。」
健太と話していると本当にほっとする。レンアや翔大には埋められない過去がどうでもいいと感じてしまう。
これは・・・・恋心なのか・・・?
いろいろと話しているうちにワープポイントについた。ワープポイントは何も無い真っ白な部屋の床に大きな紋章のようなものがあるだけ。
健太は部屋の中心部へと行く。私もそれを追う。
「いいか、呪文を言うから覚えろよ。今回は2人で行くが次回以降は1人の可能性もある。あと、手を離すなよ。」
健太は無愛想に言ってきた。私も気づくと顔が赤い。
「ハートビートウォーカー・・・・・。」
20 『会議所の謎』 クレア 会議所
健太が呟くと目の前の白い壁が紫色に染まったように一瞬見えた。次の瞬間白い光が目の前に走る。私が瞬きをした。体が徐々に動いているのも感じる。目を開けたときは白い部屋にいた。さっきと何も変わっていない気がする。
「よし、ついたぞ!な、結構はやいだろ。」
健太は妙にワクワクしている。と思ったら、彼はファクトになっていた。
「この先の道のりは分かっているわよね。」
私は軽く不安に思った。
「ここはすごく豪華で広いんだよ。外見もお城だ!」
健太はそう言って歩き出した。質問の答えにはなっていない。
でも、本当にすごい屋敷だ。和室もあれば豪華絢爛な洋間もある。赤ノ国の地下よりもずっと大きな舞踏会場。100人くらい入りそうな大会議室。100mくらいありそうな長い廊下。とても重そうなシャンデリア。屋敷内がとても広く移動も苦労する。
「私ならばすぐに迷子になってしまうよ。さすが、王。」
私が感心している反面振り返ったファクトは慌てていた。
「クレア。地図・・・読めるか?」
私はため息を漏らす。
「読める訳ないでしょう!」
私たちは仕方なく広い屋敷をさまよう羽目になった。さっきまで感心していた屋敷も、今ではただの迷惑になってしまう。
そんなとき廊下の向こうのほうから足音が聞こえた。
「お~い!クレア~!!」
「ファクトさ~ま~?」
声の主は隆人と雫だ。遅れた私たちを探してくれているようだ。
そのとき、急に殺気を感じた。私とファクトは銃をもう構えていた。私もとっさに鋏をだす。
「おい、誰だ?」
ファクトの冷静な声が響く。隆人と雫の声や足跡はもうしない。
― バンッ -
ファクトの銃が何かに命中した。
「なんだ、つまんねぇの。」
私はつい残念がってしまった。
「お前なぁ。敵と戦いたかったのかよ。」
「そ、そんな意味では。っていうかもう出てきていいよ~。皆さん!」
私の言葉に反応して数人が影から出てきた。
「予想通りね。美咲。今後どうする?」
雫が美咲に何かを問いかけている。
「う~ん。赤にも王がいればねぇ。他国に預けておくのも心配だし。でも、頻繁に使われてこっちにも危害が加わるのも不安ねぇ。どうする~?」
美咲も首をかしげている。
「美咲が決めろよ。俺はどっちでもいいぞ。」
隆人も迷っているようだ。
「このままでもいいじゃないか。」
ミサはからかう様に言っている。
「達也の腕も衰えてはいないのう。さすがじゃ。」
ネイミは笑いながら達也に話している。
「クレアの力が衰えないのと同じですよ。」
「えっと。良く話がつかめないんだけど。どういうこと?」
私はファクトに剣先を向けた。
「おいおい、よせよ。試したんだよ。お前が鋏を使うか試したんだよ。」
「それはずいぶん前から分かっている。いつから計画を立てていたわけ?」
私は剣をおろさず話を続けた。
「この前の集会だよ。でも、クレアは敵が誰なのか気づいて脅しで鋏をだしたんだろう。“つまらない”と言うのは俺たちの攻撃の少なさ。まぁ、こんなところかな。」
レンアの言葉には私は驚いてしまった。
「あなたは心理学でも勉強したのかしら?」
私は驚きを悟られないようにレンアを小ばかにしたように言った。彼はムッとしたような困ったような顔をして話を続けた。
「まぁ、今後は鋏並びに宝の使用は制限する必要があるな。夕菜、規制について決めてくれ」
「了解。」
夕菜はどこかに立ち去った。
「また、宝を所持するものは宝をちゃんと使えるようにならなければいけない。」
レンアの不気味な笑み。私はその意味を悟った。無意識に顔が引きつる。
「ここでやるのは迷子になるわ。勘弁して。」
数人の人は首をかしげている。私の尖った口調に美咲はあきれている。
「屋上にもポイントがあるからそこから階段を使って降りればすぐだ。それと、しっかり屋敷内の順路は把握しておけ。ちなみに、床にあの印があるところがポイントになる。そこで呪文とともに念じれば望みの場所にいけるだろう。しっかり覚えておけ。あと、集中しないと体がバラバラになる。運が悪いとライフが全て失ってしまう。」
ワープポイントは便利のようで危険のようだ。
「ねぇ。ミサ・・・。」
私はミサに無言でねだった。
「もう。わかったわよ、でも手伝いなさいよ。あれを作るのも大変なのよ。レンア様。いいですよね?練習場の近くにポイントを作っても。」
「かまわない。」
ミサに感謝した。しかし、ミサとレンアの間の会話がなんだかいつもより冷めているように思えた。
「では。本日の集会を始める。みなは大会議室への移動を、」
ミサの適切な指示が廊下に響き渡った。
「クレア。廊下の先の右側にワープポイントがあるの。大会議室を願ってね。呪文はわかっているよね。」
いつからいたのかは分からないが美羽が私の肩に手を置いていった。気づくとみんなは廊下を歩み始めている。
「あぁ。すぐに行くよ。ちょっとその前にいくところがあるんだ。」
美羽は少し不安げな表情を見せたがすぐに微笑んだ。
「わかった。遅れないようにね。あと、肩。何があったか分からないけど気をつけなよ。」
彼女は言い終えるとみんなを追いかけるように廊下を小走りした。
彼女の姿も見えなくなると声が聞こえた。
「どこに行くの?」
声の主はレンアだった。
「レンア。あなたにはワープポイントは必要ないみたいね。」
レンアは少し笑っているように見えた。
「ちょっと、赤ノ国に戻るだけ。急なことで鋏しか持ってきていないのよ。銃などもあったほうがいいでしょう。」
「ここにもいくつかあるぞ。」
レンアが私を止める理由は知らないが、そうなると反対したくなるのが人情だ。
「いやよ、自分専用のデザートイーグルがいいの。」
私はそっぽを向いてポイントへ向かった。その途端、彼が私の右肩に手を触れた。
その瞬間、目の前の景色が変わった。
「うそ!す、すごい。」
目の前に広がっているのは私の部屋だった。王の力だろうか?しかし、ファクトはポイントを使用していた。
「急げよ。みんなが待っているからさ。俺も早く行きたいし。」
レンアはいつもとは全然違った。なんだ?この差は。普段は“私”と改まっているのに私の前では“俺”などと言っている。王族はみんなそうなのだろうか。
私は疑問を口に出さずに引き出しを開けて数箇所にホルスターを装着し、デザートイーグルとリボルバーそしてエンフィールドなどの銃をいれた。
「OK」
私が言うと彼はまた私の肩に手を置いた。目の前の景色が変わる。
私の目の前には大会議室と書かれた扉があった。隣にレンアの姿は無い。
私は扉を開けてそっと中に入った。空気が重い。
「クレアもちょうど来たか。では、会議を始めるとしようか。」
私は自分の名前の書かれた席についた。さっきの嘲笑と正反対の彼の微笑みと言葉遣いは恐ろしく感じた。
「まずはじめの注意をしておこう。」
ミサが立ち上がり話を始める。
「ワープポイントは4色のどこにでも存在する。場所を印した地図は存在しないし、製作もゆるされない。各自でしっかり覚えておいて。あと、願ったポイントが存在しない場合はライフの減少、悪いときには即死してしまう恐れもある。注意して慎重に集中して使用をしてくれ。一般人の使用は禁ずる。」
ミサは座った。
「ほかには?」
レンアの声以外は部屋に響かない。あくびが出そうだ。こらえるのはキツイ。
「では、宴を始めようか。」
レンアの微笑みとともに部屋が変わった。いや、私たちが移動したようだ。ここはさっき見た舞踏会場だった。
「また瞬間移動なの。」
いつの間にか隣にいたレンアに言った。
「まぁ、このほうが早いだろう。」
レンアは微笑んでいる。
気づくとみんないつもの戦闘服ではなく正装だった。久しぶりに見る正装だ。
赤は和風。青は西洋風なドレスや燕尾服。黄は中世のドイツのワンピースやスーツような感じで、緑は中国系だった。
「正装も久しぶりね。」
よく見ると私も赤い振袖姿だ。
「あぁ、年齢によって服は変えてある。普段は同年齢の用に仲がいいが15~19歳まで混合だ。確かクレアは最年少の15だったけ?」
レンアはどうやって服を決めているのかは疑問に思ったが、そんな疑問よりも私が1つ年を間違われた方に腹が立った。
「私、16になったからね。」
私が嫌みったらしくいうと、「あれ?」と軽く返された。
「俺と、同い年だったっけ?」
彼はそういって立ち去った。同い年といいのは始めて聞いた。いままで私が最年少として扱われてきたのでうれしかった。
あたりを見渡すと、会食を楽しんでいるようだ。たしかに、健太には完成式典があると聞いた。ただの会議でお開きにならなかったのはうれしい。
「あら、クレア子供っぽさが現れているわね。」
クスクスを笑っているのは美咲と夕菜だった。美咲は18歳、夕菜は19歳。確かに私よりは年上。来ている振袖も美咲は黒だし、夕菜は深緑。なんともいえない憂鬱感だ。
「相変わらず子供ね。」
なんとミサまで寄ってきた。ミサは17歳。しかし早生まれだから色は変わらない。
「なによ~。ミサだって赤でしょ~。」
しかし、同じ赤でもミサの赤いドレスはとても似合っていた。大人っぽい。
「ふんっ!」
私はこの場の空気に耐え切れず走ろうとした。
「こらこら、逃げない!」
私の手首をとったのはファクトだった。なぜ宴の席でイライラしなければいけないのだろうか。
私が手を振り払おうとすると。ファクトは耳元で囁いた。
「本当にダメだと思ったら使え。」
彼は私の左手にレイピアを握らせた。ミサが持っていたのではないのか?
「レイピアはローテーションで持っていたんだ。今日は俺が当番だった。いいか、もう数分したら何かが来るぞ。おそらく、伝説の紫の騎士だろう。あと、お前の銃には軽く細工をさせてもらったぞ。」
私は腰に手を当てると銃が4丁持っていた。いつもどおりの装備だ。
気配に気づいているのは王族、銃剣士、魔術師。メイと達也はその他の役職の人を避難させている様子だ。ネイミにいたってはシールドを張っている。
私はいつものように剣に手をかける。紅の剣やレイピアではなから、そこそこ暴れても大丈夫だろう。思わず力んでしまう。
部屋に残っているのは少なかった。
気づくと各自武器を構えて戦闘を待っている。魔術師のシールドがいくつも消えている。強いのか?
そういえば、ファクトがいっていた銃にほどこした事とはなんだろうか。私はあの時ファクトに貸した拳銃とデザートイーグルを確かめた。
「!!!」
驚いてしまった。弾丸の数が無限になっている。これなら、弾の心配をせずに戦闘をすることができる。
気づくと、ミサとレンアがアイコンタクトを取っているようだ。
「シールドが切れるぞ!」
ミサの声と同時にレンアもシールドを切った。
みなが息を呑む。
― バリーン!! ―
ガラスや鏡が割れる音と、壁が破壊される音。同時に多くの兵士が入ってくる。外見は前回と何も変わらぬように見えるが気迫がまるで別人のように違う。
同時にさっきまで正装だったのに戦闘服に変化している。耳には通信機がついている。
「扱えるな。」
レンアの声が聞こえた。
「誰だと思っているの?」
私は言い返す。
「前回のようには終わらない。ライフを減らすなよ。絶対に。」
レンアはなぜか不安げだ。私は無言で剣を振りまわした。
ご覧頂ありがとうございました。
続きは3月4日9時を予定しています。
そろそろ、話に矛盾点または人名ミスが出てくると思います。
指摘・評価をしていただくと幸いです。




