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Regret Game ~忘却の彼方~  作者: 蒼凛
第2章 第1幕 架け橋
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9/31

~第2章 第1幕 架け橋~ 21~23

注意:殺人が起きます。

   登場人物が多すぎてグチャグチャしてます。

   中学生の書いた作品です。

   無駄に長いです。

   似ている作品があったらごめんなさい。

   (本読まないのでかぶっているものがあるかもしれません。)


一言:今回は急激に話が変化いたします。ようやく本編突入という感じになりました。新キャラも登場します。

21 『伝説の紫色の騎士の事実』クレア 舞踏会場


 突然始まった戦闘は息を付く暇もなく15分ほど時が経た。人数と強さに圧倒されてしまう。仲間数人を確かめたが緑の通信機が1つ、青の通信機が2つ、黄色が1つだった。この様子では持っているのは通信機を所持しているのは第四英雄と王族。

考えている間にも襲ってくる敵を私は右手に持つデザートイーグルで屍を打ち抜き、左手の剣では首を切り落とす。

何人兵士を殺したかはわからない。

襲われている仲間を救ったり、自分を守ったり。いろいろと大変だ。

「前回以上の強さだ。クレアなにかを感じたら、迷わず誰かに連絡を入れろよ。」

背中合わせに話してきたのはレンアだ。

「ねぇ。宝を使っていい?そのほうが早いんだけど。」

銃声や爆音が響く中、私はレンアの張ったシールドのなかで会話をする。さすが頂点に立つものだけありシールドもなかなか壊されない。

 「いざというときだけだぞ。」

レンアはいい終えるとシールドを切り、魔術を使い始めている。

 私は左手を剣から拳銃に変えた。

 あるとき、異変に気づいた。死んだはずの兵士の亡骸が床にないのだ。いくら広いからといっても1回は踏んでもおかしくはない。

「ネイミ、この兵士。再生するわよ」

私は話しやすいネイミに連絡を入れる。

「やっぱりクレアも思ったか。わらわも考えていたところだ。」

「ネイミ、非難している看護師や作戦部が心配だ。兵士が向こうに漏れていてもおかしくはないだろう。」

銃を乱射させ息遣い荒い私の言葉をネイミはしっかりと聞き取っていた。

「クレア向かえ。私も後を追う。彼女たちがいるのは屋上のはずだ。」

「了解。」

 私は視界に見える敵を倒して舞踏会場を出た。ここの建物の構造はわからないはずなのに私は、がむしゃらに走った。廊下の先にワープポイントが見える。私はそこをめがけ走り出そうとした。

 - ドカーン! -

壁を破壊する音がする。土煙がおさまるとそこにいたのは兵士だった。

 私はその兵士に銃弾を打ち込んだ。出てきた人数が少なかったため全員倒せたが再生する恐れがある。私はポイントに急いだ。

 「ハートビートウォーカー」

私は言葉と同時に屋上へのワープを望んだ。

 屋上の景色。ここは何階建てなのだろうか。とても高い。

― バン!バン! ―

素人が銃を扱っている音が聞こえる。いやな予感が的中したようだ。

 全員銃を持っているのは幸いだったようだ。しかし、弱い拳銃に限られた弾ではどうすることもできない。しかも、弾はなかなか敵の急所に命中しない。

 「キャー!」

誰かの叫び声がする。私は急いでその方向を見る。

 目の前にいたのは周りの兵士よりも何倍も大きい騎士だった。騎士の目の前にいる少女は怪我をしているようだ。

「クレア!!」

誰かのうれしそうな声が響く。

「あれが、伝説の紫の騎士」

私は自分でも意味のわからない言葉に惑わされた。

 私は走り出し騎士を撃った。屍に当たってもビクともしない。

 みんなが騎士に気を取られているうちに兵士たちが襲い掛かった。

「危ない!!」

私はすべての兵士の屍に急いで弾丸を撃ち込む。みんなが焦っているから気づかなかったがここにいる兵士はさほど多くはない。簡単に全員倒すことができる。みんな私のほうを注目していた。

 しかし、問題は巨大な騎士だ。

「ネイミ。急いで屋上へ!兵士とは違う何かが現れた。弾丸を跳ね返すんだ。数人とともにこっちの応援を求む。」

ネイミに連絡をいれ、返事も待たずに私は銃を構える。

 「メイ!達也、早くここから出ろ!ワープしてどこか別の国へ行け!」

私の言葉は空しくも二人には届かない。

「ちっ!」

 これ以上叫んでも意味がないと思った私は騎士に立ち向かった。腹部、胸、首、心臓。あらゆる場所を狙っても騎士は怯みもしない。

 ならば、皮膚でないところならばどうなのだろうか。ふと疑問に思った私は騎士の目に弾丸を撃ち込んだ。

「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 鈍い声を上げて騎士は怒りだす。どうやら目には効くようだ。

 私は倒し方がわかったのでもう一方の目にも弾丸を撃ち込んだ。

「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

また、うめき声が響く。

 私はうめき声を上げるために開いている口を目掛けて何発か撃った。

「クレア!無事か?」

ネイミが来たようだ。

「なんとかってところかしらね。」

私は率直に伝える。

「まぁいい。そいつじゃな。厄介な巨敵とは」

「えぇ。」

 「魔術を使う。ちょっと避けていてくれぬか。」

 私はネイミのいるほうへ走った。ネイミは何かをブツブツと唱えている様子だ。

緑白い光線が敵を木っ端微塵に切り裂いた。

 「ふぅ。」

ネイミは少しふらついている。そうとうな力を使ったのだろう。

「ネイミ、下も大丈夫じゃなさそうね。少し休んだらきて。」

私はすぐにポイントへ向かった。ネイミの看病はメイに任せれば心配は要らない。ネイミから外へ逃げろといわれて看護師や作戦部もどこかの王宮に移動するだろう。

 舞踏会場に来るまで数人の兵士を切った。この様子では、兵士の骸は再生するのではなくて消滅するということがわかった。


 22 『真実の力』 美咲 舞踏会場


 『この戦いに終止符を打つことはできるのか?』

そう思うくらい敵が多い。こちらの体力もそろそろ限界に近い。なぜかクレアやネイミは部屋にいない。どこへいったのだろうか。

 ネイミやクレアが帰ってくるのを待つしかないのだろうか。わき出るように襲ってくる敵を倒すには宝しかない。

 レンアやファクトは危険な宝を使おうとはしない。まぁ、それが正しい選択なのだがこの際は使ってほしい。数人がシールドを張れば宝の破壊から避ける事もできるであろう。彼らにはそんな考えがないのか?通信機があれば相談できるのだが私は持っていない。

 強く、数が多い…。数?気づけばこの兵士たちは大量に殺しているはずだ。なのになぜまだこんなにいる?足元に亡骸も存在しない。どこかに兵士の量なぞを解明できるところがあるはずだ。そこを早く見つけないと建物全体に兵士がわたってしまう。完成したばかりなのにそれは嫌だ。

 「畜生!扇を使うぞ!レンア、ミサ、シールドを!他の者はレンアかミサのシールドの元へ!

・・・・・。いや、レンアの元に逃げろ!青白いシールドの中に入るんだ!!!」

ぼんやりと聞こえる声だったがなんとか最後まで聞き取ることができた。私は見渡して青いシールドを探した。数十メートル先に光が見える。私はそこに向かって走った。

 向かう途中には兵士が大量にいたため手間取ってしまったが何とかセーフゾーンに入ることができた。

 兵士がいないこの場所には多くの人がいる。その中から翔大、康介、隆人を探した。

「美咲!」

私は声の方向へ振り向いた。間の前には3人がいた。

「よかった!・・・無事ではなさそうね。」

“無事でよかった”と言いたかったのだが翔大は右足を、康介は腹部を怪我していた。戦闘には慣れているはずの2人なのに珍しい光景だった。隆人は顔にかすり傷がある。剣で斬られたのか出血は激しかった。

 「美咲もギリギリみたいだな。」

隆人の言葉で初めて気づいたが私も傷がところどころにある。

「そうね。これ以上はきつい。」

自分に対して嘲笑してしまう。

「赤、全員集まったか?」

レンアの声だ。

「クレア以外全員いる。」

レンアは国ごとにみんながいるか確認をしているようだ。

「そろそろファクトが宝を使う。絶対にシールドの中にいろよ!何があってもな。」

 レンアの声に関係ない私までつい緊張してしまう。扇の力を見るのは初めてだ。

 突然目の前に大きな光の玉が現れる。光の玉を操っているのはファクトのようだ。ぼんやりとその姿が見える。兵士は次々と倒れていった。私は、このタイミングにクレアが来ないことを心配した。光の玉は次第に小さくなっていき消えた。成功したようだ。

 私は部屋の中を見渡した。きっとまだ兵士は来るだろう。

― ガシャン ―

兵士がステージ側から溢れ出てきている。私たちはそこに向かって兵士を倒した。出てきた数は少なかったため良かったがステージ脇にあいている巨大な穴の中に入って調べる必要がある。

 溢れている兵士は銃剣士が倒している。

「中に入る。ついて来る者は?」

ミサの言葉に思わずみんなが後ずさりしてしまう。あんな穴に入りたい訳が無い。ミサは少し困ったような表情だ。嫌がっているのを連れて行くのも足手まといになってしまう。

「私いくわ。」

私は覚悟を決めていくことにした。そのときだった。

― ガシャン!ガシャン! ―

どこからか足音のようなものが聞こえる。音は左側の壁に開いた巨大な穴の向こうからだ。

― バンッ!バンッ! ―

足音と同時に銃声も聞こえる。ここで戦っている銃剣士の銃声ではない。クレア愛用のデザートイーグルだ。

「クレア?何やっているのかしら。」

私はつい口に出してしまった。

「え?クレア?!」

レンアとファクトの表情が濁る。隣にいたミサもだ。

 「クレア!おい、大丈夫か?なんか大変みたいだけど・・・。」

ファクトがクレアに通信を取っているのか?しかし、クレアは通信機を持っていないはず。私はあたりを見渡して他に通信機を持っている人を探した。結果、王族と第四英雄。

「ちょっと~!!!どうにかして!弾を跳ね返すの!!!とにかく強いのよ。ひたすらに!1

体はネイミが倒したのにあと2匹出てきたの~!!!」

 通信機を持っていない私にも聞こえるほど大きな声だった。

「はぁ、こっちに連れてこい。俺が始末してやるよ。」

私はつい笑ってしまった。クレアはいったい何者なのだろうか。いつもは自分のことを“僕”と呼んでいるファクトがクレアの前では健太のときのように“俺”と言っている。

― タッタッタッタ ―

― ガシャン!ガシャン! ―

 クレアはファクトの気遣いに感謝をしたのか、大量の兵士と、巨大な騎士を2体連れてきた。

「連れてきたよ~。よろしく~♪」

陽気なクレアだが、私たちはため息しか出ない。

 「もう、宝使って倒せ。それがしたいんだろ。」

レンアの呆れかえった小声はどうやらクレアにも届いたようだ。クレアの目が輝く。口もニヤついている。

 途端にクレアは立ち止まり後ろを向いた。右手には鋏、左手にはレイピア。クレアは両方使用するようだ。無茶をしないと言いけれどクレアは無茶と言う言葉しか知らないと言っても過言ではない。

 良く見ると鋏には紅色の何かがまとっている。レイピアにも紫色の何かがまとっている。

「もみじ紅葉の精と桔梗の精か。」

ミサは私に語りかけるように続けた。

「紅の剣には紅葉の精が、紫色のレイピアには桔梗の精が宿っているの。宝を本当に操る事が出来る人のみ宝の本当の力が働くのよ。さっきの扇も太陽の光を放っていたでしょう。」

クレアのほうをもう一度見ると、さっきまでモヤモヤしていたものが紅葉と桔梗の花びらに見えた。

 「わ・・・・んし・・・ぞ・まい・・・さ・を・・・。」

何かクレアが言っている。小声のため、しっかりと聞き取ることは出来ない。

 クレアが口を閉じると共に一気に宝の力が強まったのを感じた。

 レイピアを右から左へ、そして上に上げて上から下へ振り下ろした。同時に一体の巨大な騎士が縦半分に切断されて倒れこむ。

 次に鋏に何かを念じている。銃剣士の彼女に一体何が出来るのだろうか。ミサも目を凝らして見ている。

― ボトボト ―

急にもう一体の兵士が小さな正方形枡に刻まれている。気色の悪いものだけがクレアの前にある。クレアは右手を振りかざすと紅葉の精が一瞬にして兵士を包み込んで兵士と共に消えた。

 振り返ったクレアはやりきったと言わんばかりの表情だ。たいそう満足している。そしてもう一度右手をかざしたと精が巨大な穴に入り少しばかり穴の中を照らすとすぐに消えた。

 「おい、クレア!誰が宝を2つ使った芸を見せろといった。」

「あら?でも1つしか使うなって言ったかしら~?」

ファクトとクレアがなにやら口げんかを始めた。二人とも銃を撃ち合ってケンカしているが無視していていいだろう。

 「クレアのおかげでこの中の敵も倒したようだな。さぁ、美咲と私とレンア様と誰が行く?」

「じゃあ、俺も行くよ。レディばっかりに任せていられないだろ。」

緑ノ魔術師アキラが手を挙げた。軽い口調でウインクをしているが茶色の瞳には決意が見える。

「わ、わらわも行く。」

声の方向にはネイミが立っていた。良く分からないがたいそう疲れているようだ。

「大丈夫なのか?」

ミサは不安そうに聞いているが『ついてくるな』とは言っていない。この先には何があるのかミサは悟っているのかもしれない。

「アキラは・・・。まぁいいわ。きっとあなたならば大丈夫。クレア!健太!行くわよ。」

 ファクトは健太に戻っている。けんかに燃えすぎて戻ってしまったのか、この先のことを考えて無駄なエネルギーを使わないようにしているのか・・・。

 「ネイミ様。あなたもルナに戻ったらどう?この先は辛いわよ。」

「そうね。」

ネイミは言葉を言い終える前に姿を戻した。クレアも何やら準備をしている。

 「さぁ、行くわよ。この先なにがあるか分からないから気を抜かないでよね。」

ミサの言葉は妙に良く響いた。そして私たち7人は穴の中に入った。


 23 『別れ』 ミサ 舞踏会場


 「ねぇ。何で私が先頭にならなきゃいけないの~?」

クレアが半泣きの声で言っている。私は無視して歩む。

「暗いんだけど…。美咲、明かりつけてよ~。」

「だめ。何かがいたら気づかれるでしょう。」

確かに暗闇で何も見えない。

「あっ!」

クレアが急に大声を出した。クレアの指差す方向を見るとわずかに光があった。クレアはそこに向かってもう走り出している。落とし穴に落ちなければいいが。

 「すごい!花畑だよ~。でも、なんの花だろう。」

目の前には見たことも無い花が一面に這っている。アキラは植物に詳しいはずだ。尋ねようとしたが彼も首をかしげている。

 「この先に小道がある。進む?」

美咲の不安そうな表情はこっちまで不安にさせられる。

「もちろん。」

私達はバラの木が生い茂る小道を進んだ。妙に綺麗に咲く青いバラは心を落ち着かせた。

「青いバラが咲くなんて・・・。」

アキラはこの世界に様々な疑問を抱いているようだ。

 歩いていると急にクレアが立ち止まった。

「ねぇ、この先さぁ、崖だよ。どうする?引き返す?」

見渡すと180度崖だ。つい後ずさりしてしまう。

 「花畑まで戻るか。」

レンアの指示にみんなが後ろを向いて歩き出した。バラの木の小道を戻るとさっきと同じ花畑がある。

「俺たちの入ってきた穴が無いぞ。」

アキラは呆然と立ち尽くしている。ムリもない。本当にさっきまで存在したはずの穴がふさがっているんだ。

「花の色が少し違うぞ。」

健太が不思議そうに首をかしげる。

 「穴でも掘ってみる?」

ネイミは言葉と同時に杖を振りまわし穴のあったところに穴を開けようとした。しかし、魔法は跳ね返された。

「どういうことだ?」

みんな悩んでいる。花を見ていたアキラが何かに気づいたようだ。

「何かあったか?」

私が聞くと彼は、

「この花。さっきとは違う。同じ種類だけど。さっき見た花が種となってこの花が咲いている。」

鳥肌が立った。

「1年もの月日が流れていると言うこと?」

私より先に口にしたのは美咲だった。

― ガサッ ―

物陰から何か物音がした。クレアはホルスターから拳銃を出して構えている。

 「おや、こんなところに人間がいるなんて・・・。」

現れたのは金の羽がついているフェアリーのような人がいた。

「あの、ここはどこですか?さっき、青いバラの小道を進んだらここでは1年もの月日が経っていて。」

ネイミが手際よくフェアリーに説明している。

「あぁ、ゲームの世界から来た人かしらね、ここの花畑はゲームの世界と同じだけどバラの小道以降は時の流れがゆっくりなのよ。1分間が1年なの。崖まで行ったならば3分はかかったでしょう。3年もの月日が流れているわよ。ちなみにここは理想郷ユートピアと言ってね。フェアリーの理想郷なのよ。」

 フェアリーの言葉は恐ろしいものだった。3年もの月日が流れているとは驚きだ。そして、私達の世界をゲームと読んでいるのも初めてだった。フェアリーの理想郷『ユートピア』ネーミングはそのままの気がする。

 「私たちはここら辺にあった穴から入ってきたのですが元の世界にはどうやって戻ればいいですか?」

美咲はとても不安そうだった。

「あぁ、1年前に埋めた穴ね。ちょっとついてきて。・・・あぁ、小道のように時はゆっくりじゃないわ。同じように時が流れる場所に新しいゲーム世界へのワープポイントがあるの。お父様が知っているから教えてあげるわ。」

みんなの表情が明るくなる。

「ありがとうございます。」

丁寧にお礼を言っているのはネイミと美咲だ。

 私たちは随分長い距離を歩いた。途中、フェアリーに出会ったが私達のことを何も思っていなかった。そして、私たちを案内してくれているこのフェアリーはこの国の王女のようでステラ様と敬われていた。この人の父ならば王様だろう。

 「ここが私の城よ。あっ!言い忘れたけど私はこの世界の王女ステラ。」

ステラの城は城というよりも古い洋館のようだった。

 長い廊下を抜けると会議所の舞踏会場のような部屋にでた。ステラは王に何か交渉している。私たちは無事に帰れるのか心配になってくる。

 数分たった。ステラは部屋から去りこの部屋には王と私たちしかいない。私たちは王の前に跪いていた。

「お初にお目にかかります。ソーレ王様。」

以外なことにクレアは礼儀正しかった。確かにレンアと初めて会ったときもちゃんと話していた。王の名前はいったいどこで知ったのだろうか。

「うむ、長旅ご苦労。大変だったなぁ、今ゲームの世界に帰る手配をしておる。」

みんながホッと肩をおろしている。ただ、レンアにいたっては何か策略でもあるかのようにニヤついている。

 「しかしなぁ。うちも戦力不足なんだよ。この美しいユートピアを打ち壊そうとする魔王がいてな。困っておるのだ。」

私は目を鋭く尖らせて言った。

「率直に申し上げください。もう少し私たちに残れと申すのですか?」

王は表情を変えずに続けた。

「戦力になるものを一人置いていけ。その者の戦力に応じて帰路の安全レベルを変える。」

 誰もが戸惑った。私が残ればみんなが安全な道で帰れる。でも私は愛しいあの世界には一生戻れないのかもしれない。

 「ならば私が。」

立ち上がったのはクレアだった。

「うむ、お主なら申し分もないのう。もっとも安全な道で仲間が帰ることができる。」

クレアは“当然!”というかのような表情だ。決意と自身に満ち溢れる瞳には迷いなどはなかった。そして、口元はほころんでいる。

「ならば決まりだな。」

「オイ!ちょっと待てよ!!何、勝手に…。」

「これが最善なのよ!!!わかるでしょう。」

取引を止めようとする健太にクレアは耳を傾けない。美咲の唇は血で滲んでいる。自分の無力さが心に染みるのだろうか。それは私も同じだった。

 「後悔はしないな。」

唯一冷静だったのはネイミだった。

「もちろんっ!」

クレアは飛び切り明るい笑顔で言った。内心を悟られぬ用にか・・・?

 レンアはクレアの肩にそっと触れて耳元でなにかを囁いている。

「決心がついたようだな。では、クレア殿こちらへ。」

クレアは王の指差した方向に歩み寄ろうとした。

「クレア。」

健太の瞳には涙が浮かんでいる。クレアはホルスターからエンフィールド、デザートイーグル、拳銃、を出して健太に渡した。

「エンフィールドを康介に拳銃を翔大に渡して。」

悲しく響くクレアの声とともにクレアは扉の向こうに姿を消した。

 「では、ライフを3つ頂こう。」

「どういうことだよ!!」

健太はもう正気ではない。

「もっとも安全な道を通るにはライフが合計3つ必要なんじゃ。さぁ、誰が出す?」

王はさっきから変な要求しかしてこない。しかし、私たちは従うことしかできない。誰が1番多くライフを所持しているのだろうか。

 「俺が。」

アキラが手を上げた。

「いいのか?アキラ。」

私が問いかけると

「俺には何の戦力もない。ここでライフを減らすのも別の場所でも同じことだ。ならば、力になったほうがカッコイイだろ?」

アキラはふっと笑った。

「ということで。」

アキラは勝手に王に報告した。誰もが反対できない。いや、アキラが反対できないような雰囲気をまとっているのだ。

 「ならば、そなたのライフ頂くぞ。あぁ、その前に言っておこうか。この世界ではライフがなくなっても生きられる。しかし、ゲームの世界に帰れば姿は煙のように消えてしまうぞ。」

私はこの言葉の意味がまったくわからなかった。クレアのことをさしているのだろうか。

 王は息を大きく吸った。

「よし、これでライフもそろった。道が開くぞ。長くは持たない。早く行くのだ。」

私たちは目の前に見える明るい世界へ急いだ。


 

私たちがたどり着いたのは赤ノ国の万年樹の下だった。万年樹はピンク色に染まっていた。今は春なのか?

 そしてここにいた人数は5人。


ご覧頂ありがとうございました。

続きは3月7日9時を予定しています。

そろそろ、話に矛盾点または人名ミスが出てくると思います。

レビュー・評価をしていただくと幸いです。


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