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97話
女は広場の中央に立っていた。
何十本もの剣。
石畳に突き刺さっている。
鎖でまとめられていた。
風が吹く。
カチャ……
鎖が鳴る。
女はゆっくり歩く。
コツ……コツ……
中央の剣の前で止まる。
刃を見る。
夕日が反射している。
女は少し目を細める。
その時。
「綺麗だね」
声がした。
女は振り向く。
男が立っていた。
女
「うん」
男は剣を見る。
「多いな」
女
「多いね」
少し沈黙。
風が吹く。
鎖が揺れる。
カチャ……
男は空を見る。
雲がゆっくり流れている。
男
「ここ」
女
「うん」
男
「嫌いじゃない」
女は少し笑う。
「私も」
風が吹く。
夕日が少し沈む。
女は小さく言う。
「静かだね」
男
「静かだな」
その瞬間。
男が消えた。
女はしばらく剣を見ている。
夕日が刃に映る。
女は空を見る。
それから
小さく呟く。
「また来れるかな」
風が吹く。
鎖が鳴る。
カチャ……
次の瞬間。
女の姿も消えた。
広場には誰もいない。
夕焼けと風だけが残っていた。




