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85話
男は広場に立っていた。
中央の剣の束。
何十本も石畳に突き刺さっている。
鎖でまとめられていた。
風が吹く。
カチャ……
鎖が鳴る。
男はしばらく剣を見ている。
その時。
「重そうだな」
声がした。
男は振り向く。
男が立っていた。
男
「そうだな」
2人目の男は中央の剣を見る。
少し近づく。
刃を見る。
2人目の男
「似てる」
男
「何が」
2人目の男は腰の剣を少し抜く。
金属の音。
シャッ。
刃を見せる。
2人目の男
「これ」
男は見る。
確かに似ている。
古い剣。
男
「同じ型か」
2人目の男
「親父の」
風が吹く。
鎖が鳴る。
カチャ……
男
「剣士か」
2人目の男
「昔な」
2人目の男は中央の剣を見る。
「親父」
「こういう場所の話してた」
男
「ここか?」
2人目の男
「たぶん」
少し沈黙。
風が吹く。
2人目の男は剣を見る。
「似てる剣」
「一本くらいあるかなと思った」
男
「見つかったか」
2人目の男は少し笑う。
「わからない」
風が吹く。
鎖が揺れる。
カチャ……
その瞬間。
2人目の男が消えた。
男は中央の剣を見る。
一本の刃。
夕日が反射している。
次の瞬間。
男の姿も消えた。
広場には誰もいない。
夕焼けと風だけが残っていた。




