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77話
女は石畳をゆっくり歩いていた。
中央の剣から少し離れた場所。
コツ……コツ……
足音だけが広場に響く。
風が吹く。
遠くで鎖が鳴る。
カチャ……
女は中央の剣を見る。
何十本も刺さっている。
少し立ち止まる。
その時。
「広いね」
声がした。
女は振り向く。
2人目の女が立っていた。
女
「広い」
2人目の女は広場を見回す。
「走れそう」
女は少し笑う。
「走る?」
2人目の女
「迷う」
女
「迷う?」
2人目の女
「広いと」
「どこまで行くか」
女は少し考える。
「確かに」
風が吹く。
中央の鎖が揺れる。
カチャ……
2人目の女は剣を見る。
「目立つ」
女
「遠くからでも見える」
2人目の女
「目印みたい」
女は少し頷く。
その時。
2人目の女が言う。
「マヤ」
女
「ん?」
2人目の女
「歩くの速いよね」
女は少し固まる。
「……誰?」
2人目の女は少し笑う。
「さあ」
風が吹く。
草が揺れる。
女は空を見る。
雲が流れている。
その瞬間。
2人目の女が消えた。
女は中央の剣を見る。
少し歩く。
コツ……コツ……
次の瞬間。
女の姿も消えた。
広場には誰もいない。
風だけが吹いていた。




