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臨界(仮)  作者: vastum


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74/100

74話

1人目の男は中央の剣の前に立っていた。


何十本もの剣。


石畳に突き刺さっている。


鎖でまとめられていた。


風が吹く。


カチャ……


鎖が鳴る。


1人目の男は一本の刃を見ている。


夕日が反射している。


その時。


「近くで見ると大きいね」


声がした。


1人目の男は振り向く。


2人目の男が立っていた。


1人目の男

「遠くからでも目立つ」


2人目の男は剣を見る。


「これ」


「全部本物かな」


1人目の男

「どうだろう」


2人目の男は一本の柄に手を伸ばす。


少し触れる。


「冷たい」


1人目の男

「さっき触った」


2人目の男

「抜ける?」


1人目の男

「無理そう」


2人目の男は少し笑う。


「全部抜けたら面白い」


風が吹く。


鎖が揺れる。


カチャ……


その時。


「それ、見てた」


声がした。


二人は振り向く。


3人目の男が立っていた。


少し離れた場所。


3人目の男は剣を見る。


「多いな」


2人目の男

「多い」


1人目の男

「数えた人いるかもな」


3人目の男は少し笑う。


「暇だな」


風が吹く。


夕日が低くなる。


鎖が鳴る。


カチャ……


3人目の男が言う。


「ここ」


2人目の男

「うん」


3人目の男

「静かすぎる」


1人目の男

「確かに」


その瞬間。


3人目の男が消えた。


2人目の男が少し空を見る。


「早いな」


風が吹く。


鎖が鳴る。


カチャ……


次の瞬間。


2人目の男が消えた。


1人目の男は剣を見る。


夕日が刃に映る。


そして


次の瞬間。


1人目の男の姿も消えた。


広場には誰もいない。


夕焼けと風だけが残っていた。

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