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臨界(仮)  作者: vastum


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73/100

73話

1人目の女は広場の端に立っていた。


石畳の終わり。


その先は草。


風が吹く。


草が揺れる。


中央の剣は遠くに見える。


鎖の音が小さく届く。


カチャ……


1人目の女は草を踏む。


サッ。


柔らかい音。


その時。


「外、気になる?」


声がした。


1人目の女は振り向く。


2人目の女が立っていた。


1人目の女

「少し」


2人目の女

「出られるかな」


1人目の女

「どうだろう」


二人は草を見る。


少し風が吹く。


草が揺れる。


2人目の女が言う。


「広場」


1人目の女

「うん」


2人目の女

「ここまで?」


1人目の女

「たぶん」


2人目の女は振り向く。


中央の剣を見る。


遠い。


何十本もの剣。


鎖でまとめられている。


風が吹く。


カチャ……


2人目の女

「目印みたい」


1人目の女

「確かに」


少し沈黙。


2人目の女が言う。


「ここ」


1人目の女

「うん」


2人目の女

「嫌いじゃない」


1人目の女は少し笑う。


「同じ」


風が吹く。


草が揺れる。


その瞬間。


2人目の女が消えた。


1人目の女は草を見る。


また踏む。


サッ。


空を見る。


雲が流れている。


次の瞬間。


1人目の女の姿も消えた。


広場には誰もいない。


草と風だけが揺れていた。

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