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臨界(仮)  作者: vastum


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71/100

71話

男は剣を見ていた。


中央の剣の束。


何十本も石畳に刺さっている。


鎖でまとめられていた。


風が吹く。


カチャ……


鎖が鳴る。


男は一本の刃を見上げる。


その時。


「重そうだな」


声がした。


男は振り向く。


男がもう一人立っていた。


最初の男

「重そうだな」


二人は少し笑う。


その時、また声がした。


「三人目」


二人が振り向く。


少し離れたところに男が立っていた。


三人は少し沈黙する。


風が吹く。


鎖が揺れる。


カチャ……


三人目の男が剣を見る。


「全部刺さってる」


二人目の男

「見ればわかる」


三人目

「抜けるかな」


最初の男

「無理」


二人目

「試した?」


最初の男

「試してない」


三人目

「じゃあわからない」


二人目は少し笑う。


「確かに」


風が吹く。


草が揺れる。


三人目が空を見る。


「夕方だな」


最初の男

「そうだな」


二人目

「いい時間」


三人は少し剣を見る。


誰も触らない。


風が吹く。


鎖が鳴る。


カチャ……


三人目が言う。


「ここ」


二人目

「うん」


三人目

「静かすぎる」


最初の男

「確かに」


その瞬間。


三人目の男が消えた。


残った二人が少し見る。


二人目

「早いな」


最初の男

「うん」


風が吹く。


鎖が鳴る。


カチャ……


次の瞬間。


二人目の男が消えた。


最初の男は剣を見る。


少し空を見る。


そして


次の瞬間。


男の姿も消えた。


広場には誰もいない。


風だけが吹いていた。

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