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臨界(仮)  作者: vastum


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22/67

22話

石が転がった。


コツン、と乾いた音。


少年は足元を見た。


石畳だった。


「……あれ?」


さっきまで森だったはずだ。


木の根につまずいて転んで、

顔を上げたらここだった。


少年は立ち上がる。


広い場所だった。


石の広場。


遠くに崩れた柱が見える。


「なんだここ」


その時。


「いてっ」


別の声がした。


少年は振り向く。


少し離れたところで、

男が尻もちをついていた。


旅人の格好だった。


男は頭を押さえている。


「……なんだここ」


少年が言う。


「俺もわかんない」


男は少年を見る。


「お前も?」


少年は頷く。


その時。


また声がした。


「……は?」


二人は同時に振り向く。


そこに女が立っていた。


黒いコート。

腰には拳銃。


女は周囲を見回す。


「は?」


三人はしばらく黙った。


男が言う。


「知らない場所?」


「知らない」


少年

「俺も」


三人は広場を見回した。


その時、少年が気づく。


「あれ」


広場の中央。


何かがある。


三人は歩いて近づく。


それは剣だった。


地面に突き刺さっている。


一本じゃない。


大量だった。


何十本もの剣。


それが鎖でまとめられている。


風が吹く。


カチャ……


鎖が鳴った。


少年

「すげぇ」


「戦場?」


「違う」


「なんで?」


女は地面を見る。


「足跡がない」


男は少し考える。


「確かに」


少年は剣を見上げる。


「誰が刺したんだろ」


女は答えない。


風が吹く。


草が揺れる。


男が空を見る。


「いい天気だな」


「状況が理解できない」


少年

「でも静かだよ」


少し沈黙。


男が聞く。


「名前は?」


少年

「トム」


「俺はケイ」


「——」


その瞬間。


男が消えた。


少年

「え?」


「……」


次の瞬間。


少年も消えた。


広場には女だけが残る。


女は中央の剣を見る。


風が吹く。


鎖が鳴る。


カチャ……


女は小さく呟いた。


「最悪の夢だ」


次の瞬間。


女も消えた。


広場には、また静けさが戻った。


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