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訪問者

 ガレキーニが長期療養との報せが街にも伝わり、国王の了承を得た息子のハイザが代行するらしい。


「これで余計な干渉は暫くは入らないわね」


「うん、思った通りになって良かった。奴らが体制を立て直す迄にこっちも地盤を固めよう」



リベレルの葉は、やはりポーションや煎じ薬にした方が良いと言うことになって、エドオリオでは薬の専門店にする事になった。


王都の店はエアリアさんが引き受けてくれた。元々は商人の家系だったらしい。ガレキーニの犯罪組織や暗殺組織は大方潰したので護衛の冒険者を雇えば問題無いだろう。


店にする物件が見つかったので、改装の間に定期的に行っていたアナサマでの治療をしに行くことにした。


何か有った時の為に行くのは俺とサユリカだけだ。魔法陣で移動して、長のテレスさんの所に挨拶に行く。



「ウィルさん、いらっしゃい」

「どうですか、帝国は?」


「それが面白い事になっています」

「面白い事ですか?」


テレスさんに連れられて防壁の上に上がると遠くに城の様な物が見える。


「あれは?」

「どうやら要塞を造っているようです」


「前線基地のような物か……今の内に壊した方が良いのでは?」


「そうですよね」

「テレスさん、意外と暢気ですね」


「いえ、今まで世間から棄てられて来たような物ですから、なんか対等に相手をしてくれてる気がして」


「そうですけど、ここの人達の能力を利用しようとしてるだけですよ」


「そうですね。私のつまらない感傷で、皆を危険に晒せませんね。協力してもらえますか?」


「もちろん」



師匠からもらった本の中には防御・攻撃魔法、魔道具の作り方に加え各種魔法陣の造り方が載っている。


俺は位置指定をして、帝国が建設中の要塞の上空に10個の魔法陣を造っていく。


「こんなに簡単に魔法陣が出来るのを観ていると、誰にでも造れると思ってしまいますね」


「そうですか?」

「自覚が無いのですね」


10個の魔法陣を5個ずつに分け、間隔をあけて各々重ね2つの5重の層の魔法陣が出来た。


「出来ましたね」

「じゃ、やりますか」


「エクスプロージョン!」

「ダーク・エクスパンションバレット!


テレスさんと俺が唱えた魔法はそれぞれの魔法陣に吸い込まれて行った。そして魔法陣の層を通る度に色が濃くなって行くのが判る。


最後の魔法陣の層を抜けた時の色は漆黒だった。それは音もなく、鈍く光を反射した2つの強大な魔法エネルギーとなって、静かに帝国の要塞に当たった。


[ズウゥゥゥゥ━━━━━━ン]


帝国要塞は瞬時に砕け散り、ひび割れた大地と共に爆風によって巻き上がる。





       ☆☆☆☆☆




「壊滅したとはどういう事だ?」


「け、建設中の要塞全てが無くなり、跡には大きな穴が……誰もいないそうです」


「や、やはりアナサマに手は出さない方が……噂通り祟りかもしれません」


「そ、そうは行くか。我らには関係の無い筈」


「畏れながら皇帝陛下、我らの力だけでガラザス王国など蹴散らしてご覧にいれます」


「う、うむ。その後でアナサマの事は考えてもよいな」


「その通りで御座います」

「よし、ガラザス攻略を検討し準備せよ」

「はっ!」




ーーーーーーーーーーーーーーーー




「リベレルのポーションと煎じ薬の売れ行きは、絶好調ね」


「うん、テレスさんに良い報告が出来そうだ」



「ウィル、大変だ」

「どうした?タクト慌てて」


「今店に、ここの領主が来て店主に会わせろと言って来たんだ。フレアが対応しているけどウィルが来ないと収まりがつかないみたいだ」


「はぁ?」


どうなってる?店の前には豪華な馬車が停まっていて騎士達が仁王立ちしていた。営業妨害もいいところだ。ふざけるな。


「フレア」

「あっ、ウィル。奥の部屋にいるわ」


「やっと来たか、待ちかねたぞ」


「うっ、ハイザ」


「何だと!この私を呼び捨てにするとは不敬な、許さん……そこになおれ、……貴様はウィルではないか、何故ここにいる」


「ここは俺……私の店で御座います」


「何だと!……むむ、お前がここの店主だと。一体どうなっている。糞、国王がお前にお話が有るそうだ、王都に参れ」


「はっ?……いえ私は王都には行けません、所払いなのですが?」


「ううっ、そうであったな……私がなんとかする、……追って連絡する故、待っているがよい」


ーー


「どう言う事かしら?」

「お金目当て?」

「病気の人がいるとか?」

「ウィルに爵位をくれるとか?」


「皆、何を言っているのさ。宮中の連中はろくな奴はいないでしょ?」


「あっ、そうだ。ベンジャミンは何て言ってるの?」


「ベンジャミンも判らないそうだ」

「残念」


「十分に注意が必要ね」

「その通り」




一週間後、ハイザの使いがやって来て、10日後に来いと言ってきた。


「1人で大丈夫?」

「どうかな?」

「アーサーを連れて行けば?」


「その方が良いかな?」

「絶対に良いわよ」

「解った、そうする」



早めに王都の屋敷に皆で転移して街の様子をみる事にした。特に問題もなく、こっちの店も順調だ、バゴラも大人しくしているらしい。


そして約束の日が来たので、堂々と正門から王都に入った。


あんまり良い予感はしない。何を言われることやら。


いつも読んでくださりありがとう御座います。


面白いと感じられましたら、下段に有ります評価の☆星やブックマークを付けて貰えると嬉しいです。



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