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アイアンハート  作者: 安心
必然たる偶発
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タールの戦い2

ハート達は帝国との戦争に向かう前に城塞都市エルドラの門前に集まっていた。門前には全兵達か集合しておりかつて無いほどの人口密度だ。やはり戦争前ということで周りを見渡しても気込みしたような雰囲気であり楽観的に見える者はほぼいない。中には自身の武器を磨いていたり連携がどうのこうのと話し合ったりしている者達もいる。ハートには関係ないが。


『すげえ数の人だな』


渋谷のハロウィン以上だこれは。当たり前だが今回の集まりはハロウィンではない。仮装して武器を持っているわけではない。武器は本物であり簡単に命を奪える。そのやり取りをこれから行いに行くのだ。


「ああこれだけの数で殺り合うってことだ」


敵の数も同程度と考えると更にすごいな。味方なのか敵なのか分からないうちに殺られることもありそうだ。改めてハートは自身は駒の一つに過ぎないことを思った。動く方も大変だろうが指揮を取るのも大変だろう。マイヤーはぐるりと辺りを見ている。


「兄ちゃん見たことある奴もいるみたい」


マイヤーは辺りを見渡すとザックに視線を送る。ザックもそれをわかっていたのか右斜め後ろの方にいる―――二人組の男を少しだけ見る。二人組は剣をそれぞれ下げている。彼らは戦争前の他の者達の雰囲気とは違って明るく喋っているように見える。


「アイツらはユニとリーヴァだ。俺等と何度も顔を合わせてる。いわば同業者だ」


『へえ。知り合いか』


「いや、そんな仲ではない」


顔を合わせてるとは言ったが今回は味方であるということ。傭兵という職の性質上、敵として顔を合わせる場合もある。ザック達は彼らの強さをある程度は知っているため少しだけ光が見えたような気がした。もちろんこれだけで戦争の勝ち負けが決まるわけでは決してない。


「おっと。そろそろだ」


ザックがキョロキョロと不思議そうに周りを見ているハートに声をかける。ハート達の前方に重厚感ある鎧を纏った者達が次々に向かい合わせになるように並び始めた。ハートもそちらに顔を向ける。一人の男が大きな声で語り始めた。一人の男――遠くからでもハッキリとわかる青い髪。そうレオン・エヴァレットだ。


「オルデスの民達よ―――死なせてやりに行くのだ!」


「オオー!」


『オオー!』


ザック達、いや全兵達がレオンに合わせて大きな声を出す。ハートも遅れてだが合わせ声を張り上げる。さっきまでの雰囲気と違い、周りの熱気が目に見えてるように感じる。自分も含めてだが皆、感情は高まり高揚している。


『一気に雰囲気変わったな』


何度も周りを見渡しても顔が明るくなっている者達の方が多い。ハート自身もなんだかんだで気持ちが高揚している。テンションアゲアゲだ。


「ああ。ここまで皆が昂ぶるのはあまりない。それだけレオンって言う奴がすげえってことだな」


確かにあのイケてるフェイスで饒舌に喋ることができればさぞモテること間違いないだろ。そんなことを考えハートはザックの言葉に頷く。翌々見るとヒューマン種だけではなくデミヒューマン種も少しだけ見かける。そのうちの一人が弓矢持った猫の獣人――ベンガル・リー・シャルルである。胸当てなどの装備も着用している。彼女はハートの横を通り過ぎようと。それに気づきハートは声を掛ける。


あれ?猫娘いるじゃん。


『よう。がんばれよ!』


直接会話をきちんとしたことはない。この世界きてからマッテオやザック達を除けば確かに()()()()()()()()()()()だ。ハートからすればなんとなく親近感が―――まあ勝手な話だ。


シャルルは声をかけられたがハートの方を少しだけ見るとそのまま何事もなかったように通り過ぎていった。それはそうなるに決まっている。


『なんだよ。挨拶も無しかよ。親の顔が見てみたいもんだ』


もうすでに死んでいる。


「知り合いか?」


『ああ。だがあの日だったっぽくて機嫌が悪いらしい』


「ははっそれは災難だな。さて気を引き締めて並ぶか」


これはあくまでも戦争に向かう。

そうであることを忘れてはならない。



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