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アイアンハート  作者: 安心
必然たる偶発
40/49

ザック兄弟5



ジュラール大森林のとある岩山。

長い年月をかけ自然に出来上がったその岩山の穴の一つ。

――洞窟内に3人の男が座り込んでいた。


ハートの手には紫色の輝きを放つ球体が握られ、それを真上に投げ天井にあたるぎりぎりを狙っていた。暇つぶしだ。

ザック兄弟は疲れから会話はない。だがその球体やハートに対する好奇心がザックの口を動かした。


「なあお前って・・・」


基本的にこの世界の住人は深く個人の情報を詮索しない。マナーの問題もあるがそれを追求したとしても結果としてお互い良いことがない場合がほとんどであるからだ。また過去の出来事を詮索することが逆鱗に触れたような怒りや恨みを買い、結果的にそれが争いを生んでしまうこともあるのだ。故にザックは好奇心を押し殺しハートに問いかけたがやめることにした。マイヤーは疲れからか地面に横になり寝始める。再び沈黙が訪れる。



ハートは見られたモノは仕方がないと開き直りスーツ姿に戻っていた。今日のスタイルはコレって決めたからな。


しかし、つまんねーな。

旅の話してくれるんじゃねーのかよ。

そういえば自己紹介も詳しくしてなかったな。

特別に隠しているわけではないんだが。

仕方ない俺が先陣をきってやろう。



『俺は見た目はこんなんだが、人間‥ヒューマン種ではないんだよ。例えば――』


ザック達に見せつけるように腕を鎚のような形に変えて地面にある小石を叩き砕いた。砕け飛び散った小石を眺める。何か違和感を薄々感じていたがザックは先程の出来事らを思い浮かべた。ザック達もここまでたどり着く間に様々なモノ・種族を見てきた。まだ見ぬモノがいてもおかしくはない。だが本来は自分の能力や強さというモノは手の内は晒さず隠しておくというのが基本的である。そのことを何でもないと言わんばかりに話始めることにどこか人間味がある、それも友好的に。いろいろなことを考えていたことに少しばかり後ろめたさを感じザックは自分達のことを語りだした。



「俺らは旅をしていると言ったが―――」


大義名分、名声、信仰などが主軸となり金銭が第一目的では無い者は傭兵とは呼ばない。王国騎士団のような国に属する軍などは金銭の報酬は払われるが、自国のために尽くす利害関係を築いているためそれも傭兵とは呼ばない。金銭を第一に戦う者のことを傭兵と呼ぶ。各国それぞれ使い捨ての駒として金銭という対価さえ払えば自国軍にできる。戦争や紛争、争いごとには数が全てだ。そういった数を簡単に揃えられることは勝敗を大きく左右する。傭兵は「金銭や戦況、状況次第で簡単に裏切る」「ならず者」「はぐれ」などのイメージが持たれることがほとんどであるが実際は各国それぞれが受け入れとして組織の接触や仲間や友人、信頼できる者からの紹介が大半である。強さや技術は元より雇用面に置いても信用が求められるため、邪な思いを持つ者や横暴な振る舞いを見せる者は排斥されるというのが実である。まれに直接接触して売り込みをかける者もいる。


ザック兄弟は帝国と王国の戦争に傭兵として売り込みにきたと言うわけだ。彼らは何度も戦に参加しているベテランということになる。


ハートは兵士に紛れ込もうとしていたが正規の参加方法を聞き考えを改める。


『それって俺も参加できるのか?』


ザックは強く否定する。


「無理だ」


ザックは首にかかっていた銀色のタグプレートをハートに見せる。


「これには戦争に参加したという証が魔法で刻まれている」


それが実績というやつか。

当たり前だが実績なんてない。

どうにかならないかね。


『そこをなんとかなりませんかねー。俺も参加したいんだよねー』


ザックは頭に手を当て悩み始める。

確かに戦力的には先程の()()を見たおかげで信頼はできる。しかし・・・


「あることはあるが…」



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