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アイアンハート  作者: 安心
必然たる偶発
34/49

ザック兄弟2

「兄ちゃん兄ちゃん、はやく飯にしよ飯に」


マイヤーは飯しか頭にないのか、フォレストウルフの皮を剥いている手が止まっている。ザックはため息をつく。


「マイヤーいいから手を動かせ!」


この兄弟のバランスは弟にツッコむ兄と飯が正義の大ボケ弟のようだ。そういえば解体仕切ったモノはどうするんだろか?

ハート達は解体処理に夢中になる。




――ズゥン――ズゥン

――ズゥン――ズゥン

突然大きな足音が聞こえてきた。

木と木の間から体を見せる。

ハート達の姿が見え吠える。


「ヴォオオォオオォ」


3人共、音の発生源の方へ振り返る。


青色の大きい体。

大きな角が3本。

2つの目。それと額には少し大きな目が一つ。

額にある目の色は紫色をしている。

手には大きな紫色をした棍棒。

棍棒には棘がたくさんついている。

その棘から液体がポタポタと垂れている。

液体が地面に触れると煙霧のようなモノが――


『なんだあれ?でけえなぁ』

「アレはマズイぞ!サードアイだ」

「兄ちゃん兄ちゃんどうする?やばいよアレ」


ザック兄弟は慌て始める。


「でもなぜサードアイがこんなところに」

『サードアイってなんだ?』

「簡単に言うとサイクロプスの亜種みたいなもんだ」


サイクロプスってなんだよ。しらねえ…


「サードアイは個体として一定以上の強さに達成したとき額にある眼の色が変わるんだ」


強くなりました!カラコン付きますみたいなものか。


「そしてその眼には能力が宿ると言われている」


カラコンに能力ついたらそりゃね便利だよな。


「恐らく手に持っている武器を生み出す能力だろう」


なんだよ武器を出すだけかよ。目からビームとか相手を動けなくさせるとかあるじゃん?ショボいカラコンだなぁ。


「そして生み出した武器は何かを能力を持っているだろう」


武器からなんか毒みたいな液体滴り落ちてるしそうだよなぁ。

てか段々煙くなってきたんですけど…

煙霧のようなものが揺るぎあがっている。


『なあなあ。アイツはどこか素材として使えるとことかあるのか?』

「あの()()()になると大抵どこでも使えるはずだ・・・ていうかまさか?お前戦う気か?」

『だってーああいうのって高く売れそうじゃん?』


ザックはハートの胸ぐらを掴む。


「バカか!お前死ぬぞ!」


俺が死ぬのは魔法だけなんですよ。見たところアイツ魔法タイプじゃないしあの女の子のが怖いんですよ。


「兄ちゃん兄ちゃんはやく逃げようよ」

「ならプラン1だ。よしマイヤーお前が囮となれ。そのスキに逃げる」

「ひどいよ兄ちゃんー」

「‥仕方ないプラン2だ。適当に戦ってスキを見せたら全力で逃げるぞ」


弟の扱い酷いな…まあ戦略的撤退は賛成ですわ。しかし血の気の多い世界だなぁ。各々もうちょっと手を取り合うとかなんとかないのかよ。仕方ないな。ここはこの世界に元ジャップ出身の俺が見本を見せてやろう。オモテナシとやらを。


『よし。ここは俺が最初に行こう。悪いけど、いろいろな分析とか判断は任せた!』


ハートはザックの肩に軽く手を置き、そしてサードアイに向かって走り始めた。


「おいっお前っ!」


ザックの声を無視してハートはサードアイに迫る。


「ヴォオオオオゥヴォ!!」


地面や木々などが雄叫びにより震える。

サードアイも動き始める。


ズゥンズゥン――ズゥンズゥン――


『ヤバイくらいに煙いな。ほぼ辺りが真っ白で見えねーよ』


サードアイに一気に近づく。そして地を強く踏み飛び上がる。ハートは腕を盾にして―――


――相手より早く動いてただ殴るだけ。

ハートの盾はきっちりとサードアイの顔を捉えていた。


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