魔導殺し3
それから3年間が経った。
組織の幹部から突然の報せが。
「ボスがやられた?」
どうやら他の組織に殺されたらしい。ギヴンはすぐに報復することを考えた。ボスと会話をすることはほとんどなかったが武器を支給された恩義は感じていた。このことも少なからずあったであろうが強者と出会えるはずだろうという好奇心がより強く彼を動かした。ボスが死ぬ前は魔法の契約により出された命令しか動けなかったが、死んだことにより契約が消え自由を手に入れた。ギヴン自身はこのことを知らず、組織の他の者もボスが死んだことによる影響で、組織自体が混乱していてギヴンの行動に気にする余裕はなかった。
組織から姿を消したギヴン。帰ってくることはなかった。
「ここだな」
手に入れた情報。
ボスを殺した組織の隠れ家――
――真っ赤な腕を力強く振り抜きドアをぶち破る。
大きな音を立てて中に入っていく。何事かと組織の者は集まってくる。スッと息を吸い込む。大剣を片手で構える。それと同時に駆け出す。大きな剣を振り回し殺し合いは始まった。ギヴンにより、そこにいた者はすぐに皆殺しにされた。ギヴンは奥に進もうとする。ふと後ろに気配を感じた。
振り返ると仮面をつけた者―――
「あら」
どうやら仮面越しに聞こえる声は女のようだ。
ギヴンは会話をする気もなく近付こうと駆け出す。
大剣で一撃だと振り回したが当たることなく逆に吹き飛ばされた。すぐさま立ち上がるギヴン。
「なにが起きた‥?」
ギヴンはわけも分からず吹き飛ばされた。段々と感じる腹部の痛み。腹部を見ると何かで穿かれた跡が。それも複数ある。仮面の女はギヴンが立ち上がることを少しだけ驚いていた。
「…随分と硬いのね」
仮面の女はもう一度ギヴンに向ける。
〘ガストムタック/穿通する風流〙
何がが向かってくる。ギヴンは咄嗟に避けた。
大きな音を立てて壁に穴が――
もちろんこれは魔法である。しかし、ギヴンはまともに魔法を見るのがこれが初めてであった。今まで殺し合ってきた奴らは武器を使ってきた暗殺者である。ギヴンは魔法という未知の存在に恐怖を感じた。
「おもしれえ‥」
魔法に恐怖を感じていたと同時に喜びも感じていた。まだ見ぬ強者に巡り会えたからだ。大剣を再び構え走り出す。
仮面の女はまたもや魔法を放つ。それを大剣を横にして腹で受け止める。仰け反りかけたが堪え間合いを詰める。大剣を振りかざす。仮面の女は咄嗟に風を足元に放ち後ろに下がった、大剣は仮面に微かに当たりヒビが入る。
「以外にやるのねアナタ」
ギヴンは再び間合いを詰め大剣を振る。
仮面の女は再び躱す。
「乱暴なオトコは嫌いなのよね」
そう言い魔法を放つ。避けきれず脚に――
だが構わず大剣を振り落とす。ニヤリと笑うギヴン。
「でも残念。アタシ近距離戦のが得意なの」
女は加速して大剣をギリギリで避けた。
そして、近づきギヴンの顔にカウンターを放つ。
〘プリンクブラスト/イタズラな爆風〙
ギヴンの顔を触れる。それと同時にドンっと大きな音を立ててギヴンは吹き飛んでいった。
「あらやだ。まだ生きてるのアナタ」
女は殺すつもりの攻撃だっだが、
ギヴンは度重なる実験のおかげで死には至らなかった。
しかし、目を開けるのがやっとレベル。もう立つことはできない。
「さようなら」
――最後にその言葉だけを聞いて意識がなくなった。




