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アイアンハート  作者: 安心
必然たる偶発
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魔導殺し2

ギヴン・ゲルドガルドの生まれは帝国ではない。別の大陸のとある国で生まれた。親の顔は知らずに孤児であった。


どの国にも裏というモノは存在する。表であれ裏であれ一定の強さ・権力とはある程度の顔を意味する。顔を保つために残虐的な行為をすることもある。その一つが人体実験である。人工的に特殊な()()を作り出し、それを戦力にしたり娯楽にしたりと売買したりしている。人の体に魔物の臓器を移植したり、色々な毒物や薬物を飲ませたりと、どれもこれも実際は拷問に近いモノである。名もなき孤児というのは実験の対象の一つでもある。


ギヴンは抵抗も虚しく攫われ、地下施設に入れられた。そして被験者となった。被験者はまとめて集められ、名前をそれぞれ与えられた番号で呼びそれでやり取りさせられていた。実験を続けられる中で耐えられない被験者も出てくる。ギヴンの与えられた番号は最初に与えられた番号は3桁だった。自分より番号が若い被験者がいなくなると番号が更新され、ココを出ていく時には1桁になっていた。


ギヴンの見た目で大きく変わったのは左腕だろう。自分の腕を切断され、レッドオーガの中の希少種であるレイジングオーガの腕を移植させられた。そもそもこのような実験の場合は適合する確率は極めて低く、適合する前に死んでしまうことがほとんどある。仮に適合できたとしても何かしら障害があったり、精神が錯乱していたりなど実質死人になってしまうこともある。ギヴンの左腕は真っ赤であり右腕と比べ3倍近く太く、常人では考えられないほどの腕力、握力を得ることになった。 


そして、これを評価した裏の組織の1つがギヴンを買っていった。もちろん魔法でそれ相応の契約を施して。



「お前、名前はなんだ?」


――ギヴンは即答する。


「元々名前はない。それに番号で呼ばれていたからな」


組織のボスは考える。そして1歩前に踏み出す。


「ならお前の名前は今日からギヴンだ。そう名乗れ」


「わかった」


それだけ言うとボスはどこかに行ってしまった。それ以来ボスと会うことはほとんどなかった。ギヴンは言われた任務を黙々とこなしていった。ほとんどが暗殺だ。左手で握りつぶせば一瞬で殺せる作業みたいなモノだった。順調に任務をこなせば評価もされる。生活もマシになっていった。顔がそこそこ知れ渡ってくるとギヴンの存在を良く思わない者がギヴンを狙ってくるようになった。ギヴンはそれを楽しんだ。それしか取り柄が無かったこともあるが1番は他に娯楽を知らなかったからだ。当時のギブンは武器など使わずにただ殴り殺す事がほとんどだった。


ギブンも危うい時もあり相手は手練の暗殺者たちであった。ギリギリの死闘の中でなんとか生き残り、その時にたまたま返り討ちにした暗殺者の持っていた剣を拾った。剣を拾ったギブンはそれから力いっぱいただ振り回し暗殺者を返り討ちにしていった。ギブンは武器を使うことをそこで覚えた。使うというにはあまりにも拙いが楽に返り討ちすることができるようになった。


「もっと強い武器が欲しい」


久しぶりに会ったボスに頭を下げワガママを聞いてもらう。ボスはギブンに大きな大剣を渡した。ギブンは渡された大剣をうれしそうに振り回す。左手でさらに大剣を強く握りしめる。


「これがあればもっと仕事はこなせるよ」


圧倒的な破壊力で受けを許さない豪腕からの一振りで相手は死んでいく。それがほとんどだっだが稀に強者もいた。強者とはギリギリの闘いが続くことが多かった。それ故、強者との死闘を楽しむようになっていった。



【レッドオーガ】[オーガの亜種でありオーガより凶暴性が増していて力も強い]

【レイジングオーガ】[レッドオーガの中の希少種。レッドオーガの中でも凶暴性、残虐性が強く更に強い個体]

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