評価1
「アイアンハートさん!無視しないでくださいよー」
目を開けるとまた白い空間に。
『今度はなんだ?』
「アイアンハートさんへ、また評価をお知らせに来たんですよ」
本当にそれだけならさっさと帰れ。
プロールは早口で喋り始める。
「いやーこの世界のアクションシーンを初めて見たんですけど、すごかったですね。それに比べてあなたはなんですかあれは!ただ隠れていただけじゃないですか?しかも不審者に疑われる始末。せっかくの初のイベント、それもアクションシーンをもっと見せてくれなきゃダメじゃないですか。おかげでこっちはプロデューサーに怒られる始末。次からはちゃんとしてくださいね」
ちゃんとってなんだよ。
「けれども、一人SMプレイで難を逃れるその発想の柔軟さは、モノ好きな視聴者にウケたみたいです。ギリギリってとこですがまたボーナスが出たので、またスキルルーレットを回してください」
渡されたボタンを押す。
ルーレットが止まる。
じゃじゃーん!
【ワタシダケヲミテ】
[スキル効果:対象は発動者の存在を圧倒的に感じ、意識を向けるようになる。会いたい。辛い。今ドコにいるの?何してるの?今から会えない?私のこと嫌い?なんで無視するの?]
ほう。ヘイトを集めるスキルか。
条件次第では使えそうだな。試してみるか。
しかし‥
『プロール‥このスキルは誰が作っているんだ?』
「それはですね、大天使メン・ヘラール様です」
答え出てるよ。
「ヘラール様は仕事熱心でものすごく真面目なお方でスキル作成を主に担当されています。最近ヘラール様は聖天使ルシファー様とお付き合いを始めたのですが、数日後に突然ルシファー様は天界からいなくなってしまったんですよ。電撃破局!と、天界の恋愛事情はこの話題で持ちきりです」
逃げ出して、堕天使ルシファーになってんじゃねーか。
『そうか…』
プロールは残念そうな顔をする。
「申し訳ありませんが私はこれから少し出張がありまして、しばらくの間は会えないかもしれません。寂しいかもしれませんがどうか泣かないでいただきたい。」
『泣いてねーよ』
「ではまた!」
さっさと消えろ。
いつのまにかベットの上に戻っていた。
太陽が眩しい。もう朝だ。
スキル試しにジュラール大森林まで行ってくるか。
手をできるだけ伸ばし、
粘着をいかして木から木へと飛び移る。
『アーアア〜』
ター○ンは誰でも一回はやりたくなるよな。
そんな風に遊びながら森の中を進む。
すると緑の小人たちがウキャキャウキャキャと騒いでいるのが聞こえる。もちろんゴブリンたちだ。棍棒までがセットだ。
使ってみるか新スキル。
ゴブリンに近づき【ワタシダケヲミテ】を発動!
ゴブリンはハートの方を見る。そして走って向かってきた。
無理矢理釘付けする、こんな感じか。ハートはゴブリンの振り回す棍棒を避けずにもろに食らう。棍棒がカラダにめり込む。が、構うことなく手を剣に変え胴体ごと真っ二つした。剣だとありきたりだな。つまらんな。今度は手を刀に変えた。別のゴブリンの腕を切り落とす。暗殺なら刀とかでもいいけどこれも違うな。槍に変えゴブリンの頭を叩き切る。腕から変えると槍も剣も見た目あんまり変わらないな。手をランスに変える。ゴブリンの腹にぶち込む。
『おっ』
これが一番カッコ良く見える気がする。突く以外は峰打ちっぽくできるしなぁ。ランスと言えばシールドも欲しくなるよな。逆の方の腕をシールドに変える。縦横1メートル厚さ5センチくらいにしてみた。ゴブリンの棍棒を受け止め、そのままシールドで殴りつける。ゴブリンの頭は潰れそのまま倒れた。技術もへったくれもなくていいね。カラダを戻し別のゴブリンをいきなり抱きしめる。カラダを剣山に変えた。ゴブリンは次々と刺さり穴だらけになり絶命した。アイアンメイデンとでも名付けよう。そのままゴブリン見つけ次第様々な実験するという虐殺で1日が終わった。
シールドは大きさの限界が縦横2メートルくらいでここまで広げると厚さは1センチとなってしまった。もっと鉱石や金属を取り込めば変わるかもしれない。武器も似たようなモノだった。今後に期待。色々実験を行ったが1番の成果はコレだ‥手をナイフに変え飛ばし木に刺さる。そのナイフが【ワタシダケヲミテ】を発動することができた。擬似的な囮として使える。個別で発動可能なのはうれしい。メンヘラに感謝するか。なんだか背中がゾクッとしたので帰ることにした。




