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そこにあったモノ
晃一は、とぼとぼ真夜中の新宿駅に戻った。
下を向いて、歩いていた。どこをどう行ったのかは分からない。
晃一は、ふと、顔を上げた。駅地下だった。
おびただしい数のホームレスの人達がいた。
確かに、そこにいた。
晃一は、それをただ見ていた。
ずっと見ていた。
晃一は、あることに気がついた。
多くの人が時計をしているのだ。
それに気がついた瞬間、後ろから肩を叩かれた。汚れた格好をした老人がいた。
「もう、戻りなさい。きみの街に・・」
・・・・・・・・
「・・・お客さん、終点ですよ!お客さん!」
その声に目を覚ますと、晃一は、いつもの地元の帰宅電車の中にいた。
車掌が去っていき、晃一は電車から降りた。
晃一の家は、もう目とはなの先だった。




