アケミ
晃一は、驚きながらも、その女性に連れられるままに、歩いていた。
景色が、グワーンと歪んだ気がした。
すると、見慣れた、いつもの駅の風景が、妙に活気づいた、ざわめく街になっていた。
「あれ、ここは、どこだ!?」
晃一が、呟くと、腕を掴んでいた女が言う。
「東京の郊外よ。郊外でも、晃一さんの地元より活気があるでしょ!」
続けていう。
「じゃあ、同伴で私の店にと、いうことで」
「えー!?何、店って!?」
そう戸惑う晃一の目の前には、一軒のキャバクラがあった。
『ニューパラダイス』と看板が上がっていた。ただただ言われるままに、店の中に案内させられて、席に座る晃一。
女も、席に座り、晃一に水割りを作って出した。
女が言う。
「改めまして、アケミです!今日は思う存分、楽しんでくださいね!」
「いや、楽しんでくれて言われても何がなんだか・・」
ごちょごちょ小声でボヤく晃一に、アケミは言う。
「え、なに?タメ口オッケーって言った?じゃあ、遠慮なく♪」
まぁ、ワタシ、昼は、アパレル関係の店で働いてて、この店は週に五回は入ってんのよ。
え、何で、そんなに働くかって?
テメー、もし、将来、子どもとかできて、音大に行きたいとか行ってきて、
金なかったら、ヤバくねぇ!?」
晃一は、
「そうだよね、その通りだ!!」
と水割りを飲むが、
(お前の話し方の方が、断然ヤバイと俺は、思うぞ・・)
心の中で、呟くのだった。
アケミが言う。
「あー、もう時間だ。次のコに代わるね!」
そう言ってアケミは席を立ち去って行った。




