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オルガノン幽館 3

久しぶりに更新できた!

遅くなって申し訳ないです

 ユウリと雅が戦っている間、フェルカと慶太、ウルガーの一組は先を目指して進んでいた。


 そんな中、道先で魔物と遭遇すると、ウルガーは修行の一環という事で慶太とフェルカに魔物を討伐させていた。


 そして、討伐しながら二人にアドバイスをしていた。


「なあ、慶太。お前の得意魔法って雷魔法だよな?」

「…そうですね」

「んで、フェルカは水魔法か」

「はい」


 ウルガーは、二人の得意魔法を確認すると、少し考えるそぶりを見せた。


 すると、ウルガーは二人を見てにやりと笑った。


「なあ、二人共。もっと強くなりたいか?」

「——ッ!?もっと強くなれるんですか!?」

「ああ。俺がお前らに魔法の使い方を教えてやるよ」


 そう言うと、ウルガーは二人より前に出て、剣を抜いた。


 そして、こちらに接近してくる魔物たちに剣を向け、詠唱を唱えると、ほんの数秒のうちに十数体の魔物を倒した。


 それを見ていた慶太とフェルカは顔を引きつらせていた。


「…んじゃあ、二人にはさっきみたいやってもらうから」

「——いやいや、無理無理!?」

「というか、今のは魔法なんですか?」

「おお、あれはれっきとした魔法だぞ。お前らは魔法ってどんなものだと思う?」


 ウルガーの質問に二人は考えると、フェルカが答えた。


「魔法は自分の魔力を使い、魔法という形に変換して外に放出するものですね」

「…まあ、大体そんなもんだ。でもそれだと80点くらいかな」

「何か他にあるんですか?」

「例えば、魔法を行使する時に必要になるのは魔力以外になんだ?」

「……イメージ?」

「そう、イメージだ」


 王国での訓練の際に魔法を行使する時には、イメージが大事だと言われた事を慶太は思い出した。


 ウルガーは慶太の答えを聞くと、腰のバッグから白い石を取り出し、壁に図を書きながら講義を始めた。


 魔法はそもそも魔力を使って出すものだが、魔力はあくまでも燃料。そして、魔力という燃料を使って魔法を使おうとしても、魔法名や詠唱のような具体的なものがなければ、ただの燃料を放出するだけになってしまうという。


「だからイメージが必要になる訳だ」

「…なるほど」

「俺がさっき使った魔法も、いわば身体強化の一種だ。そこで第二の講義だ。そもそも身体強化や剣に魔力を込めるのだって、言ってしまえば簡略的な魔法だ。つまり、イメージ次第でそれらはちゃんとした魔法に変化するって事さ」

「「……」」


 二人はウルガーの講義に真剣になっていた。


 なにせウルガーの講義を聞く度に、言われてみれば確かにそうだというような事ばかりだったのだから。


「身体強化や剣に魔力を込めるのは簡略的な魔法といったが、いわば、無意識的に使っているという訳だ。お前らだって剣に魔力を込めるのは、ほんの一瞬だろ?それはつまり、ただ魔力を垂れ流しにしているって事だ。さっきも言った通り、魔力は使う際にイメージとかをすれば、より強力なものになるって訳だ」


 確かに言われてみれば、剣に魔力を込める時にするイメージなんて、剣に何かが流れるという事しか考えた事はなかった。


 そう思い、慶太とフェルカは剣を抜いてイメージをしていると、ウルガーは少し悪い笑いを浮かべた。


「…よし、じゃあ実践でやってみるか。《タウント》」

「「…え?」」


 ウルガーはそう言って魔法を発動すると、廊下の奥に向かって赤いセンサーのような光が走った。


 そして、少し待っていると、赤い光が走った方向から複数の物音がだんだんとこちらへ近づいてきていた。


 慶太とフェルカは廊下の奥の暗闇に目を凝らして見てみると、先程ウルガーが倒したくらいの数の魔物がこちらへ走ってきていた。


 どうやら先程ウルガーが使った魔法は、相手を挑発し、こちらへターゲットを向けさせる魔法だったようだ。


「今からアレ、倒してね。…あと、ちゃんとアドバイス通りに戦えよ?」

「——えっ!?ちょっと!?」


 慶太とフェルカはいきり始まった戦闘に戸惑いながらも、臨機応変に対応した。


 二人はすぐさま剣に魔力を流し、魔物を倒していったが、ウルガーは首を横に振った。


「お前ら、それは今まで通りのやり方だろ。それじゃダメだ、もっとイメージをしっかり持て。…ほら次」


 二人はウルガーにアドバイスとは言えないアドバイスを貰うと、再び魔物の群れに対峙した。


 それから少し時間が経った頃、水属性の斬撃が魔物を次々と斬った。


「……そう、それだ!」

「……ハア、ハア、ハア」


 フェルカが魔力の具現化に成功すると、ウルガーは嬉しそうに手を叩き、それとは逆にフェルカは魔力と体力を使い過ぎた事もあり、剣を地面に突き立て、息を切らしていた。


 慶太は先に魔力の具現化に成功したフェルカを見て、さらにやる気を出した。


 そして、さらにそこから少し時間が経つ頃、慶太もなんとか魔力の具現化に成功させた。


「…ふー」

「二人共、お疲れ。ほれ、魔力回復薬だ。ちゃんと飲んどけ」


 慶太はまだ体力を保ったが、魔力の方がいつも以上に消費したことで少しふらついた。


 すると、ウルガーは腰に着けていたポーチから魔力回復薬が入った瓶を二人に投げた。


 慶太とフェルカは瓶を受け取ると、魔力回復薬を飲んで少しの間休むことにした。


 休憩を取って二人の体力と魔力が回復したと判断したウルガーは、荷物をまとめて立ち上がった。


「…よし、二人共回復しただろ。そろそろ先に進むぞ。…あんまり遅いとユウリのやつに煽られかねないからな」

「大丈夫ですよ、ユウリはそんな事しませんて」

「そういえば、フェルカはユウリの彼女だったね。二人はどうやって知り合ったの?」

「ああもう、色恋話でキャッキャしてないで行くぞ~」


 ユウリの事をフォローしたフェルカがユウリの彼女であったことを思い出した慶太は、二人の事を色々聞いた。


 ユウリという共通点があることで意外と話が盛り上がった二人だった。


 そして、それに文句を言いながらも、少し楽しそうに話を聞いていたウルガーは二人を連れて先に進んでいった。

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