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オルガノン幽館 1

色々ありすぎて更新がだいぶ遅れちゃいました!!

ごめんなさい!!

 翌日、ユウリたちはクレイが用意してくれた馬車で、慶太たちを待っていた。


 すると、王宮から出てきた慶太たちの後ろに、ウルガーも付いてきていた。


「何でウルガーも一緒にいるんだよ?」

「……ん?何でも何も、まだお前らの特訓は終わってないからな」

「——えっ!?」

「おい、あからさまに嫌そうな顔をするなよ。……いいから行くぞ」


 それだけ言うと、ウルガーはユウリの肩を叩いて馬車に乗った。


 ユウリは何か言いたげな顔をしていたが、やめてフェルカたちと共に馬車に乗り込んだ。


 その後、慶太たちももう一つの馬車に乗り込むと、馬車が動き始めた。


 王宮の入り口では、クラスメイトの数人が雅の見送りに来ており、雅も手を振り返した。





~~~~~~~~~~~~~~~~~~





 王都から出発してから二日が経った午前、ユウリたちはオルガノン幽館付近の町、ベラストレーゼに着いた。


 ベラストレーゼは他の町よりも活気がなく、霧が深くどこか町の雰囲気が薄暗かった。


 午前中にベラストレーゼに着いた事もあり、ユウリたちはどこかで休むことはせず、そのままオルガノン幽館に向かうことにした。


 ポーションも買い足そうと思ったが、街には誰もいなく、店もやっているか分からなかった。


「おいおい、ここ不気味過ぎだろ」

「ここって本当に町なのかな?」

「そうね、あまりにも人がいないわね」


 ユウリたちは誰もいない町を通り過ぎ、オルガノン幽館がある森の中に入っていった。


 森は明らかにユウリたちに対し、道を開けているように広がっていた。


 その光景に少し怪しさを覚え、互いに顔を見合わせたが、広がった道を進む事にした。


「……な、なんか薄暗いよ」

「だ、大丈夫よ、皐月。ユウリ君たちもいるんだし……」


 薄暗い森を進んでいくにつれ、薄暗さに雅と皐月が怖くなっていき、くっつきながら歩いていた。


「おい、あれ……」


 ユウリたちが森の中を数十分歩いていると、道の奥にひと際大きな廃館が見えてきた。


「ここがダンジョンなのか?」

「多分、アデルト・ミアルの隠れ家みたいに、部屋の中に空間魔法が掛けられているんじゃないかしら」

「…ユウリ、アデルト・ミアルって?」

「ああ、慶太たちは知らないんだよな。アデルト・ミアルはアデルト森林の創設者で……」


 ユウリは慶太たちにアデルト森林の事を話しながらオルガノン幽館に入ろうと扉を開くと、廃館との境目の空間が歪んでいる事に気付き、脚を止めた。


「……あっぶね――」

「――ちょっ!?」

「――うぶっ!?」


 ユウリのすぐ後ろを歩いていたフェルカたちは、いきなり脚を止めたユウリに反応できず、そのまま後ろから押される形で歪んだ空間に入っていった。


「「「ああああああぁぁぁぁ!!!」」」





~~~~~~~~~~~~~~~~~





「……んん」


 ユウリが目を覚ますと、建物の中にはいたが床に倒れていたのはユウリの他に、雅だけだった。


 周りを見回したが他の人は見当たらず、目の前には薄気味悪い廊下が長く続いていた。


「おい、雅。……雅!」

「…ん、ユウリ君?」


 ユウリの呼びかけに雅は目を覚ますと、ぼんやりとした目で長い廊下を見た。


「……ここが、ダンジョン?」

「ああ。……でも今回は室内なのか」


 ユウリは雅を起こすと、二人はどこか扉を探すために廊下を歩き出した。


 数分歩いていくと、目の前の先に扉が見えてきた。


 ユウリと雅は扉の前まで来ると、互いを見合わせ慎重に扉を開けた。


 扉の奥は少し小さな部屋があり、中に入ると二人は物色を始めた。


「ここは何もないな」

「ここ、外れの部屋なのかな?」

「だろうな」

 ユウリと雅は部屋の中の家具や引き出しの中を確認するが、何かそれらしいものは見当たらなかった。


 諦めて二人は次の部屋を探すことにした。


 次の部屋を目指していると、途中で蝙蝠や蜘蛛の魔物と遭遇した。


 しかし、ユウリが前衛で接近戦をし、雅が後衛で魔法での援護しながら戦ったことで簡単に戦闘を終わらせられた。


「意外にここの魔物は弱いな~」

「……これで弱いの?」


 雅は床に倒れた魔物を見ながら、先に行くユウリを追いかけた。


 魔物を倒しながら廊下を進んで行くと、廊下の突き当たりに先程とは違う扉が見えてきた。


 ユウリと雅は慎重に扉を開け中に入ると、少し広い空間があり、部屋の中には家具など生活用品があるだけだった。


「……なんだ、前の部屋と同じか」

「……本当に何もないね」


 二人は部屋の中を散策するが、やはり何もなかった。


 そう何もなかった、先に進むための扉も…。


「…雅」

「…うん、分かってる」


 部屋の散策をしていると、徐々に足元に白い霧が溜まっていることに気が付いた。


 二人はこの霧がダンジョンの罠だと考え、急ぎ入った扉から出ようとするが、扉は開かなかった。


「――なっ!?」

「――嘘ッ!?なんで開かないの!?」

「雅、退け!扉を蹴り破る!」


 雅が扉から離れると、ユウリは助走をつけて勢いよく飛び蹴りをするが、扉は開かない。


 というよりも、扉に触れる事が出来なかった。


「……くそったれ!部屋全体に魔力壁が貼られてる!」

(……多分、この霧を逃さない為だろうな。――って事は毒ガスか何か!?)

「――雅!この霧を絶対に吸うな!」


 ユウリはすぐさま霧を吸わないよう服の袖を口元に当て、雅に忠告した。


 すると、突如背筋に悪寒が走り、身体を横に避けると風の斬撃が飛んできた。


 突然の攻撃に焦ったユウリに追い打ちをかけるように風の斬撃が飛んできた。


それを避けたユウリは腰の高さまで溜まった霧の中に隠れるように、腰を低くした。


 しかし、その直後下からの刃物の攻撃に、ユウリは剣を抜いて止めたが、身体を起こしながら刃物を受け流した。


 そして、ついに攻撃をしてきた犯人の姿が分かった。


「――ッ!?――み、雅!?」


 攻撃の正体、雅はナイフを思い切りユウリに押し付けていた。

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