意思のぶつかり
全然アップできなくて申し訳ないです。。
待っててくれた人がいたら、本当に嬉しいな。。
ユウリたちがウルガーとレストに特訓してもらって数日が経った夜。
「そろそろ次のダンジョンに行かないとな~」
「そうだね。次はどこだっけ?」
「ここから近いところは……オルガノン幽館ね」
ユウリがぽつりと言うと、フェルカが反応し、セリナが地図を出して次の目的地を指さした。
「ユウリ様、次の目的地決まりましたか?」
「ああ、次はオルガノン幽館だ」
「では、明日にでも出発できるように準備してきます。」
「頼むよ」
そう言うと、アンナは荷物の整理とクレイへの馬車の手配をした。
ユウリたちも明日の出発に備えて準備をしていると、突然部屋のドアがノックされた。
ユウリが部屋のドアを開けると、部屋の前には慶太と雅、皐月がいた。
「……お前ら、どうしたんだ?こんな夜に」
「さっきアンナさんから聞いたんだけど、ユウリ君たち、明日ここを出発するの?」
「耳が早いな。……そうだよ、明日俺たちは次のダンジョンに向かうつもりだ」
「約束忘れてないよね?」
「……」
雅の言葉に目を逸らしたユウリだが、根気負けし、ため息をつきながら頭を掻いた。
「……本当に付いてくるつもりか?」
「当たり前じゃん!」
「……」
ユウリが答えを渋っていると、慶太が肩を叩いた。
「ユウリ、今度は僕も一緒に戦いたいんだよ。今度は僕が君を守るさ」
「……ああもう!分かったよ!一緒に来たいなら来い!明日朝出発だからな!遅れたら置いていくからな!」
慶太たちの押しに屈したユウリとは反対に、慶太たちは嬉しそうにハイタッチをした。
諦めてため息をついていたユウリは、ここを出発する前にこの事を話しておくべき人を思い出した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
慶太たちとの打ち合わせを終えたユウリは、中庭に来ていた。
目的の人物は中庭の椅子に座っており、周りの花畑を見ていた。
「やっぱりここにいた」
「――ユ、ユウリさん!?何でここに!?」
「うん?何かここにいるかなって思ってさ」
そう言いながら、ユウリは椅子に座っていたアリサの横に座った。
椅子に座ったユウリは、これからの事をアリサに話した。
「……そうですか。また、ダンジョンに向かうのですね」
「ああ、アリサに言っておこうと思ってな」
「……分かりました。ですが、今度こそ皆とちゃんと帰ってきてくださいね」
話を聞いたアリサは少し顔を俯いたが、すぐに顔を上げ笑顔でユウリに答えた。
その後は、ユウリはこれまであった事や、面白い出来事などをアリサに存分に話した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
アリサとの談笑を終え、部屋に戻ろうとすると、和馬が廊下で待ち伏せていた。
和馬は両手に持っていた剣の片方をユウリに投げ渡した。
「……何のつもりだ?」
「君に勝負を申し込むために待っていたのさ」
「は?勝負?」
「そうだ。……付いて来い」
それだけ言うと、和馬は訓練所に向かって歩き始め、ユウリも仕方なく付いていくことにした。
訓練場に入ると中心まで行き、その場で止まった。
「なあ、いい加減に理由くらい聞かせてくれてもいいんじゃないか?」
「……理由?ああ。君は雅を連れていく気なんだろ?そんな事させない。君を動けなくなるまで倒せば、雅は君と行かなくて済むんだ」
「何言ってるんだ、話にならん」
「……雅は俺のだ。お前なんかに渡すものかッ!!」
和馬の話に呆れたユウリが帰ろうと背を向けると、背後から殺気を感じ、即座に振り向きざまに剣を抜いた。
すると和馬がユウリに斬りかかってきており、剣同士がぶつかり、金属音が訓練場に響いた。
その剣は訓練用に刃が潰れた物でなく、本当の剣であることに抜いて気が付いた。
そして、ユウリを斬ろうとする和馬の表情は、憎悪のそれだった。
ユウリは力を入れ和馬を押し返すと、和馬は着地時にすぐ魔法を発動させた。
「《シャイニング・アロー》ッ!」
和馬は光の矢を数本放ったが、ユウリは難無くそれを回避した。
それに焦った和馬はさらに、光の矢を放つが、ユウリに当たることはなかった。
「くそっ!くそっ!何で当たんないんだ!」
「いい加減にしろ、宮間ッ!!」
「——ッ!?うるさいッ!これで潰れろッ!《シャイニング・ジャベリン》ッ!!」
和馬はやけくそ気味に大量の光の矢をユウリに放った。
「……フッ!」
しかし、ユウリは魔力を多く込めた剣を大量の光の矢へと振り、魔力の斬撃がぶつかったことで、光の矢はユウリだけを避ける形で落ちた。
それと同時にユウリの使っていた剣が魔力に耐えられず、手元の部分の刃を残して砕けてしまった。
「嘘、だろ…」
「宮間、歯を食いしばれッ!」
そう言うと、ユウリは全力で走り出し、一瞬呆けた和馬に回し蹴りを食らわせた。
和馬はそれをギリギリで左腕で防いだものの、鈍い音がし、勢いよく飛ばされた。
転がり倒れた和馬は、左腕の痛みに耐えながらも、歯を食いしばり立ち上がった。
「——痛ッ!?……くそっ!ここで勝って、雅を取り戻すんだ。アイツを殺してでも…」
「——ッ!?」
どこか和馬の雰囲気が変わったことに気が付いたユウリは、半歩下がり、剣を構えて警戒した。
「これで、お前を……殺してやる。……《限界突破》」
和馬は自身の身体を魔力が覆い、全体の攻撃力を上げた。
その中でユウリは和馬の魔力の中に、何かどす黒いものを感じ、本気で止めることにした。
「……宮間、これ以上はやめろッ!」
「うるさいッ!これでお前は終わりだよッ!」
それだけ言い放つと、和馬は勢いよくユウリに向かって飛び出した。
ユウリは和馬の攻撃をできるだけ避けながら逃げた。
そのことに和馬は、ユウリは成す術がないと思い込み、さらに攻撃を続けた。
だが、次第に和馬の攻撃の速さが遅くなっていくことを見逃さなかったユウリは、和馬の攻撃を剣で受け流しつつ、和馬の懐に潜り込み、下から顔を蹴り上げた。
「——腹に力入れろッ!!」
「——ぐほっ!?」
防御が完全にがら空きになった和馬に、ユウリは拳に魔力を込め、腹にパンチを食らわせた。
和馬は《限界突破》が切れ、その場で腹を抑えてうずくまった。
元々最初に魔法を使い過ぎた事もあり、常に魔力を消費する《限界突破》もそこまで続かなかったらしい。
「……お前は確かに凄い奴だよ。…文武両道、容姿端麗、皆の人気者。こっちに来てからも剣での戦いはできるし、魔法も人並み以上にできる。世界を救う勇者に相応しいだろうな」
「——ッ!?」
「だが、そんなお前の唯一で最大の欠点は、自分が正しいと思い込み過ぎなところだ」
ユウリはそれだけ言うと訓練場を出て、部屋に戻っていった。
訓練場に残された和馬は、ユウリの言葉に身体を震わせていた。
「……俺が間違っていただと。…………。……そんな事ある訳ないじゃないかッ!!今まで俺の考えが間違っていたことなんて無かったッ!これからもだッ!」
その目には憎悪以外の感情、復讐、殺意、嫉妬、憤怒、様々な負の感情混じっていた。
「……殺してやるぞ、久世ユウリ。力を付けて、俺を否定するお前を殺してやる。そして必ず、雅は俺が救ってやる。クフフ、フハハ、アハハハハ!!」
「……」
夜空に歪んだ笑いを届かせる和馬を、見ていた人影は笑みを浮かべると、影に隠れて姿を消した。
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